朝ドラ「ブギウギ」ヒロイン鈴子の生い立ち 音吉とツヤは実の両親じゃない?モデル・笠置シヅ子の出生の秘密とは

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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」のヒロイン・花田鈴子は、香川で生まれた後に大阪に移り、大阪の下町の銭湯の看板娘として育っていきます。

鈴子は父の梅吉(柳葉敏郎)と母のツヤ(水川あさみ)からたくさんの愛情を受けて成長していきますが、梅吉とツヤは故郷の香川で鈴子が知らない過去を抱えている可能性があります。

鈴子のモデル人物である昭和の国民的歌手・笠置シヅ子は生い立ちが少し複雑ですので、ドラマと比較をしながら出生と育ちの経緯などをまとめてみたいと思います。

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目次

【ブギウギ】香川生まれ大阪育ちの鈴子 双子の兄は早世

「ブギウギ」花田鈴子家系図
「ブギウギ」花田鈴子家系図

ヒロインの鈴子(澤井梨丘→趣里)は香川生まれの大阪育ち

鈴子は大阪の下町・福島にある銭湯「はな湯」を営む父の梅吉(柳葉敏郎)と母のツヤ(水川あさみ)からたくさんの愛情を受け、明るい女の子に成長していきます。
※鈴子には3歳年下のマイペースな弟・六郎(又野暁仁→黒崎煌代)がいます。また、武一(たけいち)という双子の兄もいたそうですが、3歳の時に病気で亡くなっています。

鈴子は銭湯で大好きな歌と踊りを披露し、浴客たちを喜ばせていきます。こうした楽しい経験もあり、鈴子は道頓堀の「梅丸少女歌劇団」に入団。やがて「福来スズ子」としてスター街道を歩み始めることになります。

両親の梅吉とツヤはともに香川の出身ですが、鈴子は香川にいる母方の祖母・大西トシ(三林京子)に長らく会えていません。

ツヤは明るく人情味あふれる豪快な女性ではあるものの、その心の内側には繊細な葛藤を抱えていそうです。物語が進むにつれ、ツヤが抱える思いが明かされていきそうです。

モデル人物である笠置シヅ子の複雑な生い立ち(後述)を考えると、鈴子と両親との間にも語られていない過去があるかも知れません。

▼「香川編」のメンバー。祖母役の三林京子、香川の素封家・治郎丸役の石倉三郎に加え、大阪朝ドラ常連俳優・西村亜矢子(大西タカ役)、湯浅崇の顔も見られ、波乱の予感しかしません。かつて治郎丸の家で女中をしていた女性・西野キヌ(中越典子)の存在も気になるところです。

【史実】大人になり出生の秘密(実父・実母の存在)を知った笠置シヅ子

ヒロインの花田鈴子のモデルになっている「ブギの女王」笠置シヅ子(本名・亀井静子)は、1914年(大正3年)に香川県大川郡相生村(現在の東かがわ市黒羽)で生まれています。

その出生と生い立ちは少々複雑であり、笠置シヅ子本人も大人(17歳頃)になってから自身の出生の秘密を知ったそうです。

香川の素封家の息子の非嫡出子 → 大阪福島の女性・亀井うめの養女に 

「ブギウギ」笠置シヅ子家系図
「ブギウギ」笠置シヅ子家系図

文庫本「ブギの女王・笠置シヅ子自伝 歌う自画像 私のブギウギ伝記」(潮文庫)によれば、シヅ子は香川県相生村の素封家(大金持ち、財産家)三谷家の息子・三谷陳平と、その家で家事見習いをしていた女性・谷口鳴尾との間に生まれた非嫡出子だったとか。

谷口鳴尾は陳平の5歳下で、三谷家で和裁を習いながら家事見習いとして同居していました。そうした中で鳴尾は三谷家の息子である陳平との間に子供(シヅ子)を授かったものの、二人の結婚は三谷家から猛反対されてしまいます。※結局陳平はシヅ子が生まれた翌年に25歳で病死しています。

シヅ子を出産したものの結婚が叶わず、赤ちゃんを連れて隣町・引田の実家に戻ったという鳴尾。

鳴尾は母乳の出が随分と悪かったらしく、たまたま出産のために大阪から引田に帰郷していた「亀井うめ」(引田でメリヤス工場などを経営していた中島家当主の妹。大阪で米屋、薪炭商を営む亀井音吉の妻)という近所の女性にもらい乳を頼んでいたそうです。

亀井うめはとても情に厚い女性だったようです。うめは、シヅ子に乳をあげるうちに情が湧くとともに、まだ18歳ほどだった未婚の母・鳴尾の事情も考慮して、シヅ子を我が子(養子)として引き取ると鳴尾に申し出ています。

うめと音吉の間にはすでに長男の頼一がおり、さらには今回の帰郷で次男の正雄が生まれたばかり(シヅ子の誕生日と一ヶ月違い)でした。それでもうめはシヅ子を引き取り、一ヶ月違いの弟・正雄とともに、シヅ子を亀井家で大切に育てています。

※この弟の正雄は3歳で亡くなってしまいます。「ブギウギ」では早世した双子の兄・武一として登場しています。シヅ子は弟の正雄と自分の生年月日が1ヶ月しか違わないという矛盾に薄々気がついていたようです。

※その後、亀井家には3人目の男子・八郎も誕生。シヅ子は2歳下の弟・八郎を可愛がったそうです。

※シヅ子は17歳になった頃、香川で行われた実父・陳平の17回忌に出席させられています。この際にシヅ子は自身の出生の秘密を知るとともに、実母・谷口鳴尾とも対面しています。

銭湯の看板娘として評判に→松竹楽劇部に入団

やがて養父の亀井音吉は米屋から銭湯に転業し、福島や十三など大阪市内を転々としています。

息子の正雄が早くに亡くなってしまったこともあり、養母のうめは病弱気味だったシヅ子が一人でも生きていけるようにと、芸事を身に着けさせるために踊りの師匠のもとに連れて行ったりしたそうです。

こうしてシヅ子が魅了されていったのが、日本舞踊をはじめとした歌って踊る芸能の世界でした。もとより筋が良かったシヅ子は、父が営む銭湯の脱衣場で客を相手に歌や踊りを披露し、拍手喝采を浴びるようになっていきます。

やがて界隈で芸が評判となった「銭湯の看板娘」シヅ子は、小学校を出ると同時に「大阪松竹楽劇部」(後のOSSK、OSK)に入団。三笠静子の芸名で活動を開始し、芸能の本場・大阪から国民的歌手への道を駆け上がっていくのです。

「ブギウギ」ストーリーの展望

「ブギウギ」では「香川編」と題されたパートがあるとのことです。

「香川編」には鈴子の母方の祖母・大西トシ(三林京子)や地元の名士でトシの幼馴染である治郎丸和一(石倉三郎)、以前治郎丸の家で働いていたものの治郎丸から良く思われていないという女性・西野キヌ(中越典子)らが登場します。

①何か隠し事がありそうな素封家の治郎丸や、かつて治郎丸の家で働いていた女性・キヌが登場すること
②母のツヤが人情家であり、香川出身大阪在住であること
③両親が大阪で銭湯を営んでいること、「双子の兄」が幼くして亡くなっていること。

など、史実を思わせるような設定の登場人物が続々と登場しますね。

状況的に考えると、史実同様に鈴子が養子として花田家に引き取られていたという展開が十分考えられそうです。

▼複雑な生い立ち、家庭環境といえば、同じ大阪朝ドラ「おちょやん」のモデル・浪花千栄子がそうでしたね。この時代は複雑な生い立ちをバネにハングリー精神を持って芸能の世界で成功を収める、そんな人も多かったのでしょう。

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