マッサン、鴨居商店に入社 【史実→】竹鶴政孝が寿屋に誘われた経緯とは?

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NHK連続テレビ小説「マッサン」11月分放送では、勤めていた住吉酒造を退社したマッサン(玉山鉄二)が、ブラブラと無職期間を過ごすことになります。

本格的なウイスキーづくりに目覚める直前のモラトリアム期間。史実の竹鶴政孝にこのような期間があったのかなどの疑問をまとめておきます。

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ダメ男・マッサン 鴨居商店に入社すればいいのに…

勤めていた住吉酒造を退社し、長い無職生活に突入したマッサン。

ぶらぶらと無駄な日々を過ごすよりもさっさと鴨居欣次郎(堤真一)に頭を下げ、鴨居商店に入社してしまったほうが良さそうに見えるマッサンですが、物語は簡単には進みません。このマッサンの無職期間は少し間延びしており、視聴者の間でも賛否があるストーリー展開となっています。

そもそもマッサンは鴨居の商売のやり方に反発しており、それに加えて鴨居からの入社の誘いを一度断ったバツの悪さもあり、なかなか鴨居商店にお世話になろうとは思えないのです。

この無職期間にマッサンは広島へ里帰りをし、家業の酒蔵を手伝うことで改めて「ものづくり」の面白さを実感します。大阪に戻ったマッサンは鴨居商店に入社することを決意し、相変わらず鴨居に反発しながらも、自分を雇ってもらうようにと頭を下げることになります。

この入社の経緯に関してですが、史実とドラマでは少々違ったものとなっています。以下、モデル人物である竹鶴政孝の「空白期間」についてまとめます。

ミスター・タケツルがいるじゃないか!

竹鶴政孝は経営状態が悪化した摂津酒造(住吉酒造のモデル)を退社後、しばらくの間、化学の教師として働いていました。

この時期、寿屋の鳥井信治郎(鴨居商店・鴨居欣次郎のモデル)は着々と日本初のウイスキー事業化を水面下で進めており、そのための切り札としてスコットランドからウイスキー製造技師を招聘しようと考えていました。

このやり取りの過程で浮上したウイスキーの権威・ムーア博士から、「日本にはミスター・タケツルという適任者がいるじゃないか」と聞かされ、鳥井は「そうや、竹鶴君がおりよった!」と竹鶴の存在を思い出すことになるのです。

鳥井信治郎は竹鶴政孝の存在を忘れていた!?

ドラマでは鴨居とマッサンは頻繁に顔を会わせていましたが、史実の鳥井信治郎は、スコットランド留学に旅立つ竹鶴を神戸港で見送って以来五年間、竹鶴とは疎遠となっていました。

かつて竹鶴の仕事ぶりを高く評価していた鳥井でしたが、その後摂津酒造との取引が少なくなるにつれ、竹鶴の存在を忘れてしまっていたのです。

竹鶴に提示した破格の入社条件

鳥井は竹鶴に対し破格の待遇を約束し、入社を促します。

スコットランド人技師の招聘のために用意していた四千円をそのまま竹鶴の年俸とし、「ウイスキー製造のすべてを竹鶴に任せる」「そのための資金はきちんと用意する」「製造が軌道に乗るまで十年間働く」という入社条件をつけ、竹鶴を説得します。

ドラマでは行き場のない「ダメ男」マッサンを鴨居が「拾った」形として描かれるようですが、寿屋の鳥井信治郎は、竹鶴の知識と経験、技量を最大に評価し、「あんたしかおらん」という気持ちを込めて入社を打診したのです。

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