NHK連続テレビ小説「おちょやん」4月30日の放送では、たびたび千代のもとに贈られて来ていた花束の贈り主が判明。まれにみる「悪妻」と思われた栗子へのわだかまりが解けていく様子が描かれています。
千代のモデル・浪花千栄子にこのようなエピソードが存在するのかなどを含め、まとめます。
千代のもとに繰り返し届く花束
幼少期から重ねた苦労の末に、女優への道を歩みはじめた千代(杉咲花)。そんな駆け出しの女優・千代のもとに、いつからか贈り主不明の美しい花束が届くようになります。
劇中ではその後も幾度となく千代のもとに花束が届き、そのたびに千代は「自分を見ていてくれる人がいる」と励まされ続け、女優を続ける原動力としています。
この花束の贈り主はずっと不明であり、視聴者の間でも様々な憶測が流れていました。
花束の贈り主は栗子だった!
4月30日の放送では、千代が女優としての再起をかけるラジオドラマ「お父さんはお人好し」の初読み合わせに臨む日の姿が描かれました。
家を出る直前、千代は元継母で現在は同居人となっている栗子(宮澤エマ)から突然美しい花束を渡され、これまで花束を送ってくれていた人物が栗子だったことを知ります。
かつて千代を邪魔者扱いし、家から追い出してしまった栗子。しかし実は栗子は千代と似た辛い境遇の生まれであり、いつの日からか千代が女優として頑張っている姿を見て涙を流すようになっていたのです。
栗子はこっそりと千代のお芝居を見に行くようになると、千代の頑張っている姿を見ることが生きがいとなり、誰よりも女優・竹井千代を応援するようになっていました。
一平との離縁により孤独と絶望を感じていた千代でしたが、栗子、そして血縁ある春子(毎田暖乃)という温かい存在を知り、心強い気持ちで第二の女優人生を歩み始めることになります。
「悪妻の見本」と軽蔑 浪花千栄子と継母
重苦しい展開が続く中で、視聴者に心地よいカタルシスを与えた花束のエピソード。残念ながら(笑)、このエピソードはドラマ上の創作と言っていいかと思います。
千代のモデル・浪花千栄子はドラマと同様に、三味線に興じる継母にひどい扱いをされた末に家を追い出されています。千栄子は生涯継母のことを憎み、軽蔑し続けていました。
千栄子いわく継母は「悪妻の見本のような人」。自伝「水のように」には彼女を苦しめたダメ人間たちが数多く登場しますが、ある程度感情を自制した上で彼らのことが語られています。しかし継母だけは扱いが別。千栄子は徹頭徹尾だらしがない彼女を軽蔑し、強い言葉で彼女を非難しています。
参考:天外の舞台をこっそり見守っていた実母
この「おちょやん」の花束エピソードですが、千栄子の元夫・2代目渋谷天外と生き別れの実母とのエピソードが参考にされている可能性を感じます。
父・初代渋谷天外をスター芸人に仕立て上げるために、生後すぐに実母と引き剥がされてしまった天外。天外は生涯父にわだかまりを持ち続け、自分を「あっさり捨てた」実母にも失望していたようです。
しかし、実は天外の知らないところで実母は繰り返し天外の舞台を見に来ていたそうで、陰ながら天外のことを誰よりも応援していたようです。
この実母と天外の関係性は、「おちょやん」で描かれた栗子と千代の関係性に少し似ている部分がありますね。
関連記事。一平の実母もドラマに登場済み。
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