NHK連続テレビ小説「おむすび」に登場する歩の神戸時代の幼なじみ・渡辺真紀(大島美優)についてまとめます。
この真紀という人物は、ヒロインの姉・歩の人生に大きな影響を与えた人物です。この記事は真紀の人生のネタバレを含みますので、ご注意ください。
神戸の靴屋の娘・渡辺真紀 歩の神戸時代の親友
渡辺真紀(わたなべ・まき)は、神戸・さくら通り商店街で「渡辺靴店」を営んでいる渡辺孝雄(緒形直人)の一人娘です。
1995年(平成7年)1月17日に阪神・淡路大震災が発生した当時、結の父の聖人(北村有起哉)は神戸のさくら通り商店街で理髪店を営んでおり、米田一家は神戸で暮らしていました。歩(高松咲希→仲里依紗)の一歳年上だった真紀はたびたび米田家に遊びに来ており、歩と真紀は親友の関係にありました。
震災前日の1995年1月16日。モデルを目指していたという真紀は歩と一緒に買い物に出掛け、歩の服を選んであげたのだとか。いつか二人で叶えたい夢なども語り合った仲良しの二人でしたが、思わぬ形で別れを迎えてしまうことになります。
以下、渡辺真紀の人生に関するネタバレを書きますのでご注意ください。なお、この1995年の様子は第5週で回想シーンとして描かれる予定です。
▷大島美優(おおしま・みゆ)…埼玉県出身の14歳の子役。アミューズ所属。少女漫画雑誌「チャオ」の専属モデル・チャオガールとして活動。ドラマ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」「ファイトソング」、映画「沈黙のパレード」などに出演。2022年のTBS系日曜劇場「マイファミリー」では事件の鍵を握る主人公夫婦の娘・鳴沢友果役を好演。
【ネタバレ①】阪神・淡路大震災が発生
震災の前日に歩と一緒に楽しい買い物をした真紀でしたが、悲しい運命が待ち構えていました。
1995年(平成7年)1月17日未明、神戸地方を大きな直下型地震(阪神・淡路大震災)が襲うと、さくら通り商店街も大きな被害を受けることになります。
米田一家が住む「バーバー米田」の建物は一階が潰れてしまったものの家族に怪我はなく、一家は近くの宝井小学校に避難をしています。避難所にはさくら通り商店街の面々も集まっており、身を寄せ合って寒さをしのぐことになります。
翌日、「渡辺靴店」の渡辺孝雄が小学校の避難所に顔を出します。
歩「おじちゃん、真紀ちゃんは?」
孝雄「死んだ」
孝雄「…なんで真紀なんや、なんで俺やなかったんだ…」
親友の真紀の死を知り、ただ泣くしかなかった歩。まだ14歳だった歩にとって、真紀の死は受け入れがたい現実でした。
潰れかけの自宅に戻って使えるものがないかを探しに行った聖人は、そこで歩の宝物だったクッキー缶を見つけ、歩に手渡します。
缶の中には、真紀がくれた「安室奈美恵 with スーパーモンキーズ」のCDや、真紀と一緒に撮った写真などが入っており、歩は悲しみが止まらなくなってしまいます。
【ネタバレ②】歩と真紀が交わした約束
震災前、歩と真紀はある約束を交わしていました。
高校を卒業したら東京に行ってギャル雑誌のモデルになるのが夢だったという真紀。歩はそんな真紀に誘われ、自分も一緒に東京に行ってギャルになるという約束を真紀と交わしていたのです。
果たせなかった二人の夢、そして消えてしまった真紀の夢。
震災後に福岡・糸島に移り住んだ歩は、真紀がやろうとしていたことを自分が代わりにやると決心し、福岡で知られるギャルのカリスマになっていきました。その後に歩が上京し、自称マネージャー・佐々木佑馬(一ノ瀬ワタル)を引き連れて謎の活動をしているのも、真紀との約束を果たすため、真紀の人生を生きるためだと思われます。
【ネタバレ③】止まってしまった父・孝雄の人生
幼くして亡くなってしまった真紀の存在は、父の孝雄のその後にも大きな影響を与えています。
もともと妻を早くに亡くし、自分の殻に閉じこもりがちだった孝雄ですが、愛娘の真紀も亡くしてしまったため、それ以降は人生の時間が完全に止まってしまっています。
地域内で孤立し、市役所主導の店の立て直し計画も頑なに拒み続ける孝雄。
今や商店街の厄介者のようになってしまっている孝雄ですが、震災から1年後には反対していたはずの「さくら通り商店街・アーケード設置計画」に突然前向きになり、計画の中心人物になったことがあります。その行動の裏には生前の真紀の影響があるようです。
物語の中盤以降、米田一家が神戸へと再移住すると、さくら通り商店街の人々と米田家の交流が描かれていきます。震災から復興したものの、心の傷は完全には癒えていないさくら通り商店街の人たち。腕利きの靴職人だった渡辺孝雄が娘の死を受け入れ、もう一度自分の人生を歩き出す日が来るのか、注目です。