【わろてんか】関西定番「冷し飴」ってなに?吉本せいのエピソードが元ネタ

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NHK連続テレビ小説「わろてんか」第8週放送より。

「風鳥亭」で売られることになる飲料「冷し飴(ひやしあめ)」についてまとめます。「冷し飴」は現在でも販売されていますので、あわせてご紹介します。

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目次

冷し飴を販売開始

風鳥亭がオープンしてから数ヶ月。太夫元・寺ギン(兵動大樹)と契約を結んだことで芸人の供給ルートを確保した風鳥亭でしたが、寺ギンへの芸人仲介料の支払いが重くのしかかり、なかなか利益をあげることができずにいました。

そんな中で、売り上げアップに大きく貢献するアイディアが飛び出します。てん(葵わかな)は、落語家(笑福亭銀瓶)が夏の暑さにうんざりして飲料「冷し飴」を飲みたがったことをキッカケにして、この冷し飴を来客に販売することを思いつくのです。

啄子のアドバイスもあり冷し飴を寄席の中だけではなく表でも売ってみたところ、小銭を稼げただけではなく、結果的に風鳥亭の客足が大きく伸びるという副次的な効果を生み出すことになります。

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夏の定番飲料・冷し飴とは

冷し飴は、飴(麦芽水飴または米飴)を溶かしたお湯に生姜汁を加え、それを冷して瓶詰めにした飲料。当時(明治末期)の夏の定番飲料で、現在でも関西地方などを中心に愛飲されています。京都・清水寺から下る道のお茶屋さんでも冷たい「ひやしあめ」が飲めます。

イメージとしてはジンジャエールをかなり甘くしたもの、あるいはニッキ薫る八ッ橋を液体ジュースにしたような(かえってわかりにくい…?笑)、清涼感のある和の飲み物です。

「冷し飴の素」を販売している岩井製菓によれば、「冷し飴の素」は、

最上級の米飴と中双糖を地釜でコトコト焚きあげて、しょうが風味がピリリときいた水飴です。あめ湯、冷やし飴【ひやしあめ】やお料理のかくし味(お砂糖代わり)に利用できます。

とのこと。

この「冷し飴の素」を冷たい水に溶かせば「冷し飴」に、お湯に溶かせばあめ湯やしょうが湯として楽しめるとのことです。

▼岩井製菓の「ひやし飴の素」はAmazonや楽天でも販売中。

▼こちらは広島・桜南食品の「ひやしあめ」。レトロなビンが可愛らしい。

▼こちらは「冷し飴」ではなく、大阪・ハタ鉱泉が出している「ニッキ水」。かつてはラムネなどと並ぶ駄菓子屋定番の飲料で、特に関西方面ではお馴染みの味…。

冷し飴の売り方を工夫するてん

「わろてんか」に話を戻します。

街頭での冷し飴の販売を任されたてん(葵わかな)は機転を利かせ、大きな氷を用意します。その上で冷し飴のビンをゴロゴロと転がし、いかにも冷えていることを周囲にアピールしてみせたのです。

すると氷の上をビンが転がる音が清涼感を呼んだのか、道行く人々は次々に冷し飴を買い求め、それが呼び水となって風鳥亭の客足も伸びていくことになるのです。

吉本せいの実話が元ネタ

この一連のエピソードは、吉本せい(てんのモデル人物)が手がけた冷し飴販売の実話がもとになっています。

大きな借金を抱えて寄席経営をスタートさせたせいは、客が捨てたミカンの皮を集めて薬問屋に売るなど始末を尽くつつ、寄席で冷し飴を売るなどして小さな利益を積み上げて経営を支えました。

せいは寄席の外に大きな氷を置き、その氷の上に冷し飴のビンをゴロゴロと転がすという派手なディスプレイを考案(通常は樽の中に氷水を入れ、その中に冷し飴のビンを入れて販売していた)。それが寄席の広告塔となり、寄席への入場者も増えていったそうです。

▼せいをモデルにした山崎豊子の小説「花のれん」でも、主人公・多加が冷し飴を売るエピソードが描かれています。冷し飴販売のエピソードは吉本せいの商魂を物語る有名なエピソード。

▼人気マンガ「3月のライオン」10巻にも、「冷しあめウイスキー」なる飲み物が登場。

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