NHK連続テレビ小説「あさが来た」でラサール石井が演じる萬谷与左衛門(よろずや・よざえもん)という人物についてまとめます。
この萬谷与左衛門は、原作の通りであれば後々大きな事件を起こすことになりそうです。
泥酔の萬谷与左衛門 店内で騒ぐ
第108話(2月6日放送)で初登場した萬谷与左衛門(ラサール石井)は、古くから加野屋と親交があったとされる人物。ドラマ上で明言はされませんでしたが、恐らく加野屋の同業者だと思われます。
酒臭く、だらしない格好で加野屋へとやってきた萬谷は、榮三郎(桐山照史)と新次郎(玉木宏)に会いたいと窓口で騒ぎ出します。しぶしぶ応対した榮三郎と新次郎に対し、萬谷は「昔のよしみ」で金の工面を要求します。
維新後零落した萬谷与左衛門
萬谷は維新以来落ちぶれ、今や担保となる物も何一つ残っていない身。ヘラヘラと「一生のお願いでござる!笑」と金を要求する萬谷に対し、榮三郎と新次郎は困惑しながらも丁重に断りますが、萬谷は引き下がりません。
あさ(波瑠)が「融資担当」として応対を変わり、融資出来ない理由を説明すると、萬谷は「おなごとなんて話出来るかいな!」「何じゃ、この店!けったくそ悪い!」と大声で悪態をつき、店を出て行ってしまいます。萬谷は相当お金に困っている様子で、加野屋の「ビジネスライク」な応対に憤慨し、かなり怒っていたようです。
原作では「万屋」として登場
この萬谷与左衛門のモデルになっていると思われるのが、「あさが来た」の原案である「小説 土佐堀川」に登場する大阪商人「万屋(よろずや)」です。
万屋は明治維新まで大阪で両替商を営んでいて、加島屋(加野屋のモデル)のライバルでした。加島屋を目の敵にし、中傷して客を奪おうとするなど、何かと先代の時代から困らされた存在でした。
万屋はその後零落し、やがて広岡浅子のもとに金を借りにやってきます。「新しい商いをすることになったから、金を出せ」と横柄に要求する万屋を浅子は冷たく突き放し、酔っぱらって店内で暴れ出した万屋を追い返します。
広岡浅子、刺されて生死の境をさまよう
この時のことで浅子は万屋に恨みを買い、後に浅子は路上で万屋に刺されてしまいます。病院に運び込まれた浅子の傷は深く、緊急手術で腸の多くを切り、生死の境をさまよいます。浅子は混濁した意識のまま八日間ほど眠り込んだ後、その旺盛な生命力が勝ったのか、「奇跡的に」危篤状態を脱しています。(万屋は後に逮捕。)
「九転十起生」が座右の銘である浅子は、この経験から生命保険の重要さを痛感し、後に「大同生命保険」を立ち上げることになります。
「あさが来た」であさが刺されるシーンを描写するかは不透明ですが、今後、萬谷与左衛門が加野屋に対し何らかの「報復行為」を行なうのではないかと予想されます。
関連記事
・【あさが来た】広岡浅子が採用した加島銀行の女子行員
・大同生命の設立経緯、社名由来 広岡浅子(加島屋)が設立の中心に