NHK連続テレビ小説「おちょやん」に登場するヒロイン一家の隣人・小林家のおばあさん「小林ウメ」についてまとめます。
ウメを演じるのは、姉妹音曲漫才トリオ「かしまし娘」のメンバー・正司花江(しょうじ・はなえ)です。
白髪の老婆ウメ「賑やかでなによりのこっちゃ」
千代の生家・竹井家から歩いて30分ほどの距離にある隣家・小林家。三人のやんちゃ坊主(勝太、勝次、勝三)がいる賑やかな家で、竹井家よりはだいぶ裕福な暮らしをしています。
小林家の主人・辰夫(烏川耕一)は優しい人物で、貧しい千代とヨシヲにしばしば美味しいご飯を食べさせます。
何かとワイワイと騒がしい小林家。白髪の老婆・ウメはそんなドタバタもどこ吹く風で、子どもたちを叱る辰夫の怒鳴り声に「うるさいな、もう」と呆れ、千代が怒って出ていくと「今日は賑やかでなによりのこっちゃ!」と嫌味を言い放ちます。
千代が村を去ることが決まるとグッと千代の手を握るなど、根は優しいおばあちゃんのようです。
千代にとってあまりいいことがなかった生まれ故郷・南河内。そんな中でも、この小林のおばあちゃんは千代に優しさの片鱗を見せた印象的な人物でした。老練な演技を、芸能界の生き字引と言える大ベテラン・正司花江が演じています。
元「かしまし娘」三女・正司花江
▼若き日のかしまし娘。1956年公表のブロマイド写真。画像はWikipediaより転載しています(著作権の保護期間は満了済み)。
小林家のおばあさん・ウメを演じているのは、昭和時代に大人気となった姉妹音曲漫才トリオ「かしまし娘」の三女・正司花江です。正司花江は1936年生まれの81歳。まだまだ元気です。
「♪ウチラ陽気なかしまし娘〜」のテーマソングでおなじみの「かしまし娘」。ギターと三味線をジャカジャカと鳴らし、流行歌や浪曲を取り入れて行われる音曲漫才が名物でした。
姉・照枝は朝ドラ「カーネーション」出演
旅役者だった両親のもと、歌江、照枝、花江、利子の正司家四姉妹は生まれています。旅が続いた一家らしく、歌江、照枝は北海道生まれ、花江は秋田県生まれ。末っ子の利子は病気がちだったため「かしまし娘」には加入していません。
「かしまし娘」は松竹芸能所属の第1号タレントとして長年活躍し、1981年に活動を休止しています。以降は三姉妹がそれぞれタレント、女優などとして活動しており、時折三姉妹揃ってテレビ番組にも出演をしています。
次女の照枝は2011年の朝ドラ「カーネーション」にヒロイン糸子の祖母・小原ハル役で出演しており、「おちょやん」に出演した花江の姿にそっくりだとネット上で話題となっているようですね。
2020年現在、歌江は88歳、照枝は84歳。2017年には「徹子の部屋」に出演、2018年には34年ぶりに大阪・道頓堀角座で3人が舞台共演するなど元気な姿を見せており、往年のファンを喜ばせています。