「虎に翼」寅子、梅丸少女歌劇団に入団希望 モデルの三淵嘉子は宝塚少女歌劇の大ファンで笠置シヅ子と同い年

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NHK連続テレビ小説「虎に翼」第1回では、主人公の寅子が家出をして大阪の「梅丸少女歌劇団」を受験しようする様子が描かれています。

ヒロインのモデルである三淵嘉子が宝塚少女歌劇の大ファンだったこと、三淵嘉子と笠置シヅ子が同い年だったことなどから、今回のシーンが作られたと考えられます。

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寅子、「梅丸少女歌劇団」に入団するために家出を決行

1931年(昭和6年)のある夜。翌日に迫っていたお見合いが嫌で仕方がなかった寅子(伊藤沙莉が)は、夜中にこっそりと荷物を背負って家出を決行。家族に内緒で大阪に行こうと企てますが、階段で転んでしまい家族に見つかってしまいます。

母のはる(石田ゆり子)に家出の理由を問い詰められた寅子は、「入ろうと思って。(大阪の)梅丸少女歌劇団に」と正直に告白をしています。

実は寅子は歌と踊りが大の得意。女学校で披露した舞台「青い鳥」ではチルチル役を演じて父・直言(岡部たかし)から絶賛されており、ちょっとその気になってしまっていたようです。

まだ自分が何をやりたいのかもわからず、でも結婚にはまったく胸がときめかない…。モヤモヤした気持ちを抱えた寅子は藁にもすがる思い(現実逃避?)で、大阪の梅丸を目指したのでした。

※寅子の自室の本棚には、林芙美子「放浪記」、モーパッサン「女の一生」、加藤武雄「君よ知るや南の国」、横山美智子「嵐の小夜曲」などの文学本に混じり、「梅丸レヴユウ畫集」「梅丸少女歌劇週」などの梅丸関連本が。

著:吉田 恵里香, 編集:NHK出版, 読み手:NHKドラマ制作班
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「ブギウギ」に登場 「梅丸少女歌劇団」とは?

前作朝ドラ「ブギウギ」(主演・趣里)を見ていた方であれば、「梅丸少女歌劇団(うめまるしょうじょかげきだん)」というワードが登場して嬉しかったことと思います。

「梅丸少女歌劇団(USK)」といえば、「ブギウギ」のヒロイン・花田鈴子 / 福来スズ子(歌手・笠置シヅ子がモデル)が芸能生活をスタートさせた架空の少女レヴュー団で、1927年(昭和2年)に12歳だった笠置シヅ子が入団した「松竹楽劇部」がモデルになっています。

「松竹楽劇部」は後に「大阪松竹少女歌劇団(OSSK)」「大阪松竹歌劇団(OSK)」と改称し、現在も日本有数の人気歌劇団「OSK日本歌劇団」としてその歴史を重ねています。

寅子とスズ子は同い年!ともに香川にルーツ

実は「虎に翼」ヒロインのモデル・三淵嘉子と「ブギウギ」ヒロインのモデル・笠置シヅ子はともに1914年(大正3年)生まれの同い年。つまり、寅子とスズ子も同い年ということになります。

また、三淵嘉子は両親が香川の丸亀出身(自身はシンガポール生まれ→香川→東京育ち)で、福来スズ子も養父母、実両親が香川県大川郡相生村(現:東かがわ市)の出身(自身は香川生まれ→大阪育ち)という共通点があり、同時代の同じ空間を生きた人物同士という縁があります。

こうした縁もあり、NHKは東京(SK)大阪(BK)製作の垣根を超えて「虎に翼」劇中で「梅丸少女歌劇団」の名を登場させ、「ブギウギ」へのオマージュを行ったのでしょう。

▼NHK大阪製作の朝ドラの作品間では、過去作品へのオマージュがたびたび登場します。


ちなみに、「ブギウギ」の福来スズ子は1927年(昭和2年)に12歳で梅丸少女歌劇団に入団すると、18歳前後だった1933年(昭和8年)には梅丸少女歌劇団の主力メンバーに成長。同年にストライキ「桃色争議」を起こして世間を騒がせています(「ブギウギ」第3週)。

まだ何者にもなっていない17歳の寅子と比べると、12歳で芸能の世界に飛び込んだスズ子は一歩先を進んでいますね。

三淵嘉子は宝塚少女歌劇の大ファン 美しい歌声の持ち主

寅子が「歌と踊りが大好きで少女歌劇に憧れを持っている」という設定は、モデルの三淵嘉子の人物像を参考につくられています。

名門である東京女子高等師範学校附属高等女学校(現在のお茶の水女子大学附属高等学校)に通っていた三淵嘉子は、宝塚少女歌劇の大ファンだったそうです。自身も歌と踊りが大の得意であり、友人たちの前で宝塚の俳優の真似をして即興劇を披露したり、持ち前の美声による歌声を披露したりしたそうです。

進学した明治大学専門部女子部時代には音楽部に所属して合唱団に入団。嘉子の歌声は美しく良く通るものだったそうで、彼女が披露するソプラノソロに皆が聞き惚れたのだとか。

「虎に翼」第1週では、寅子が当時のシャンソンのヒット曲「モン・パパ」を歌う場面も登場するとのことで、「ブギウギ」の世界観とも共通するシーンが見られそうです。

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