NHK連続テレビ小説「虎に翼」第14週では、寅子が最高裁長官の息子・星航一と出会う様子が描かれていますが、その中で星長官の妻(後妻)・百合(ゆり)の名前がたびたび登場しています。
この百合という女性は後に寅子の姑となり交流が生まれる可能性がありますので、史実のモデル人物を紹介しつつ、今後の展望をまとめます。※この記事は一部今後のネタバレとなりそうな内容を含みますのでご注意ください。
星朋彦最高裁長官の妻・百合 航一の継母
「ライアン」久藤(沢村一樹)からの紹介により、初代最高裁判所長官・星朋彦(平田満)の著書「日常生活と民法」の改稿作業を手伝うことになった寅子は、この仕事を通して星長官の息子で裁判官の星航一(岡田将生)と出会うことになります。
▼岡田将生が演じている星航一は、三淵嘉子の再婚相手・三淵乾太郎がモデルではないかと予想しています。
ともに配偶者を亡くした子持ちの親であることや、同時期に新潟地方裁判所で仕事を共にしたことなどから、急速に航一に親近感を覚えていく寅子。史実を参考にすれば、後に寅子は航一と再婚する可能性があります。
そこで重要人物となってきそうなのが、航一にとっての継母(実父・星朋彦の再婚相手)である「星百合」という女性です。
劇中で明かされたところによれば、星朋彦長官(※第14週で死去)は前妻(航一の実母)を病気で亡くし、後妻である百合と再婚をしたとのこと。百合は航一の子どもたちの世話をよくしてくれる女性なのだとか。
生前の星長官は航一の再婚相手を探していたフシがあり、その相手として寅子に白羽の矢を立てていたようにも見えました。
改稿作業にわざわざ寅子を抜擢して航一と引き合わせたのも、星長官のこうした思惑があるのではないかと思われます。そして、この「再婚プロジェクト」に世話好きである後妻の百合が一枚噛んでいる可能性もありそうです。
7月3日(水)放送の第68回では、寅子が百合のために「日常生活と民法」改訂版の裏表紙にサインを書く場面が描かれています(※星長官は改訂版完成後に病気で亡くなっている)。こうした場面をざわざわ挿入していることからも、後に寅子と百合が関係性を持つ可能性がありそうです。
【追記】NHKの発表によれば、星百合役をベテラン俳優の余貴美子(「ちゅらさん」「純と愛」「半分、青い。」などに出演)が演じるとのこと。
百合は夫の朋彦亡き後も星家を守っており、穏やかな性格で航一の子どもたちをかわいがっているとのこと。寅子と航一が再婚する流れになれば、寅子と百合の嫁姑関係が描かれそうです。
初代最高裁長官三淵忠彦の後妻・静がモデルか 嘉子再婚の立役者
「虎に翼」に登場している星朋彦・星航一親子は、初代最高裁長官の三淵忠彦とその息子で裁判官だった三淵乾太郎がモデルになっていると考えられます。
寅子のモデルである三淵嘉子は最初の夫・和田芳夫を戦争で亡くし、そこから10年ほどは一人息子を抱えてシングルマザーとして奮闘していましたが、41歳だった1956年(昭和31年)に交際をしていた三淵乾太郎(前妻を病気で亡くし4人の子持ちシングルファザー)からプロポーズを受けて再婚をしています。
史実をもとにした伝記風小説「裁判官 三淵嘉子の生涯」では、三淵忠彦の後妻(三淵乾太郎の継母)の三淵静が嘉子と乾太郎の出会いに関与していたらしいことが語られており、この三淵静という人物が「虎に翼」の百合のモデルになっている可能性があります。
それによれば、嘉子と乾太郎を引き合わせたのは嘉子の先輩裁判官だった内藤頼博(「虎に翼」久藤頼安のモデル)だったそうですが、実は三淵忠彦の後妻である静が内藤に二人の仲を取り持つように頼んだのだとか。
もともと嘉子と最高裁長官の三淵忠彦はよく知る間柄でしたが、忠彦が病気で亡くなり嘉子が弔問に訪れた際に、嘉子と静は初対面をしたようです。静は快活で丈夫そうな嘉子が気に入ったのか、シングルファザーとなっていた息子(乾太郎)の後妻候補として目をつけたようですね。
嘉子は三淵乾太郎と再婚後、自身の連れ子である芳武と、乾太郎の連れ子たちとの賑やかな同居生活を開始しています(※絶対に自分のスタイルを譲らない嘉子と乾太郎の連れ子たちとの間には日々バトルが発生したとか)。姑となった静のもとには毎年元日などに夫婦で顔を出し、良好な関係を築いたようです。
今後、寅子と航一が再婚する流れとなれば、当然姑として百合が登場することでしょう。航一との再婚に際し、寅子と百合の間に何らかのバトルが発生するかも知れません。ドラマの中盤以降を盛り上げある存在として、百合役を大物女優が演じる可能性がありそうですね。