NHK連続テレビ小説「あんぱん」第11週から登場する小倉連隊の軍曹・神野万蔵(かみの・まんぞう)についてまとめます。
神野万蔵を演じるのは、朝ドラ「エール」や配信ドラマ「将軍」などに出演経験を持つ俳優・奥野瑛太です。
神野万蔵軍曹 軍隊に馴染めない嵩の味方に?

召集令状が届き九州の小倉連隊に入営した嵩(北村匠海)は、神野万蔵軍曹(奥野瑛太)率いる内務班に配属されます。
嵩は入隊早々に先輩古参兵たちによる理不尽な指導や暴力に出会い、この場所でやっていけるのかと暗い気持ちになってしまいます。
そんな嵩にとって救いになりそうなのが、何かと目をかけてくれる上等兵の八木信之介(妻夫木聡)と、寡黙でコワモテながら生真面目でもある上司の神野万蔵の存在です。
神野軍曹は嵩が所属する班を取り仕切る「班長殿」であり、時に班のたるんだ風紀を乱すために、古参兵たちを含め暴力をもって指導するなど、厳しい一面を持つ男です。嵩は八木からの指名により、「班長殿」の身の回りの世話をする「当番」を任されることになります。
恐ろしく見える神野万蔵軍曹ですが、幹部候補生試験当日に厩舎で居眠りをして遅刻してしまった嵩が試験を受けられるように中隊長に話を通してくれたり、遠征先で部下が暴走した際には止めに入ろうとするなど、人間的な一面を隠し持っているようです。
当初は恐ろしいだけの人に見える神野軍曹が、どこでその本性を見せるのか、注目です。
▼上下関係がちょっとわかりにくい小倉連隊の人たち。主な登場人物の階級や上下関係をまとめました。

神野軍曹のモデルは「班長殿」?
やなせたかし著「ぼくは戦争は大きらい」によれば、召集されて小倉連隊に入営したやなせたかしは、まず馬部隊に配属。学校を出ているからという理由で班長の当番兵を命じられると、班長の身の回りの世話に明け暮れたそうです。この「班長殿」は三船敏郎に似た男臭い九州男児だったのだとか。
理不尽な新人いじめなどが横行していた小倉連隊でしたが、やなせたかしは世話係として常に班長にくっついて行動していたため、結果的にいじめを受けずに済んだと語っています。
奥野瑛太が演じる神野万蔵軍曹は、この「班長殿」をモデルにしていると予想します。
俳優・奥野瑛太 「エール」でも軍人役
神野万蔵軍曹を演じているのは、北海道苫小牧市出身の39歳の俳優・奥野瑛太(おくの・えいた)です。
日本大学藝術学部映画学科在学中から俳優活動を開始すると、2009年に映画「SR サイタマノラッパー」にラッパー・MC MIGHTY役で出演して注目を集め、続く2012年の「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」で同じくMC MIGHTY役で映画初主演。これ以降、テレビドラマや映画に多数出演するようになり、人気俳優としての地位を確立しています。
これ以降、ドラマ「植物男子ベランダー」「おんな城主 直虎」「絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜」「太陽の子」「最愛」「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」「ラストマン-全盲の捜査官-」や、映画「キセキ -あの日のソビト-」「3月のライオン」「凪待ち」「タロウのバカ」「きみの瞳が問いかけている」など、話題作に次々と出演する人気の俳優になっています。
最近ではDisney+などにより配信され大きな反響を呼んだアメリカのドラマ「将軍」に出演。真田広之演じる主人公 吉井虎永の弟・佐伯信辰役で好演を見せています。
NHK朝ドラは2020年の「エール」以来の出演になるかと思います。
奥野瑛太が「エール」で演じた陸軍騎兵将校・鏑木智彦役は、ヒロインの姉・吟(松井玲奈)の結婚相手になる亭主関白な軍人という役どころ。終戦後には軍人としてのプライドが捨てられずに職探しに苦しみ、苦しんだ末にラーメン屋台に生きる道を見つけ出すというサブストーリーを演じています。
キリッとした日本男児顔であり、軍人役などもよく似合う奥野瑛太。今回の役柄も硬派で実直な軍人役であることが予想され、その演技に期待がかかります。
