NHK連続テレビ小説「あんぱん」第3週では、パン食い競争大会をキッカケに千尋とのぶが急接近。嵩がヤキモキする展開が見られます。
やなせたかしの実弟・柳瀬千尋は学業優秀で柔道も強く、やなせたかしはそんな弟に負けまいと漫画を描き始めたようです。「あんぱん」でも優秀な弟・千尋に複雑な心を抱いていく嵩の姿が描かれそうです。
【あんぱん】パン食い競争をきっかけに三角関係に?

「あんぱん」第3週放送では、朝田パンの売上アップを目論んだパン食い競争大会が御免与神社で開催されます。
「韋駄天おのぶ」の異名を取る朝田のぶ(今田美桜)はパン食い競争の優勝賞品がラジオだと知り出場を申し出ますが、女子だからという理由で一蹴されてしまいます。
がっかりするのぶに手を差し伸べたのが、幼なじみの柳井嵩(北村匠海)でした。嵩はパン食い競争の最終組に出場する予定でしたが、突然「お腹が痛い」と仮病を使って出場を辞退。急遽嵩からタスキを預かったのぶがグラウンドに入り、持ち前の韋駄天ぶりを発揮することになります。
とはいえ、いくらのぶが韋駄天とはいえパン食い競争の参加者は屈強な男ばかり。ごぼう抜きで颯爽とあんぱんの下まで到着したのぶでしたが、あんぱんに殺到する男たちに潰されて倒れそうになってしまいます。
そんな時に助けてくれたのが、同じく最終組のレースに参加していた嵩の弟・千尋(中沢元紀)でした。千尋は倒されそうになっていたのぶを下から支えてアシスト。そのおかげもあり、のぶはなんとかあんぱんをくわえることに成功すると、そのまま一着でゴールします。
のぶは女子だったために失格扱いになりますが、次点で繰り上げ優勝となり商品のラジオをゲットしていた千尋は「のぶさんがもらうべきや」といってのぶにラジオを差し出します。
このパン食い競争のてん末が発端となり、嵩、千尋、のぶの3人の間でちょっとした三角関係が発生していきそうです。
嵩は幼なじみののぶに対して特別な想いを抱き始めているようですが、それは弟の千尋も同じでした。
後日、のぶがパン食い競争の時に助けてくれた千尋にお礼を伝えると、のぶと千尋は心を通わせていきます。それを見ていた嵩は複雑な気持ちになり…。
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【史実】千尋に対抗心 やなせたかしと弟の関係性
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朝田のぶのモデルである小松暢(こまつ・のぶ)は、大阪生まれの大阪育ち。後に夫になるやなせたかし(柳井嵩のモデル。高知育ち)とは社会人として働いていた高知新聞社の編集部で同僚として出会っており、ドラマで描かれるような幼なじみの関係ではありませんでした。
「あんぱん」で描かれている嵩、千尋、のぶの青春期の三角関係というのも、史実とは関係がないドラマオリジナルのストーリーです。
ただし、やなせたかしは学業優秀で背が高く柔道も強く人気者だった実弟の柳瀬千尋に対してコンプレックスのようなものを持っていたようです。
やなせたかしの詩「シーソー」には弟・千尋に関する以下のような言及があります。
中学に入ってからたちまち立場が逆転する
弟はすっかり頑丈になり
柔道二段で優等生
ぼくは無段で劣等生
数学なんか0点だった
ギッコンバッタン
ぼくたちは
一方があがれば
一方がさがり
いつも水平にはなれなかった
それでもぼくらは仲良しだった
小さい頃の千尋は病弱で学校の成績が悪く、逆に兄のやなせたかしは学業優秀の健康優良児。それがいつのまにか「シーソー」のようにギッコンバッタンと立場が逆転してしまった複雑な心境が綴られています。
ともに伯父夫婦の家に預けられ、二人きりの兄弟だったやなせたかしと千尋(千尋は養子で柳瀬医院の跡取りの坊っちゃん、やなせたかしは転がり込んできた「坊っちゃんの兄」)。
千尋はお兄ちゃんっ子であり兄弟の絆は固かったようですが、それでも年頃の男兄弟の関係というのは複雑なものです。やなせたかしは弟に負けまいと得意な絵で勝負することを考え、この頃から本格的に漫画を描き始めたとされます。
やなせたかしと千尋が幼なじみの一人の女性を共に好きになったという史実はないと思われますが、「あんぱん」では男兄弟の微妙な対抗心を、のぶへの恋心、三角関係という形で描写していきます。