NHK連続テレビ小説「あさが来た」第一週より。第一回放送で登場した言葉「おいど(御居処)」についてまとめます。
この「おいど」という言葉はその後もたびたび登場しますので、ドラマを楽しむにあたりその意味を知っておくと良いでしょう。
ソロバン遊びが父に見つかり…
「おいど」という言葉が初めて登場するのは、まだまだ幼くオテンバ盛りのヒロイン・あさ(鈴木梨央)が、初めて許嫁である新次郎(玉木宏)と対面する場面(第一話)でした。
その直前、あさは算盤(そろばん)を床に滑らせたり、ジャカジャカと楽器にして遊んだりと、商売道具をぞんざいに扱っていました。案の定、怖い父・忠興(升毅)に見つかり、あさは「お尻ペンペン」をされてしまいます。
新次郎「おいどは無事どすな?」
間が悪いことに、この様子を将来の夫となる予定の新次郎が見ていました。
新次郎はあさに対し「おいどは無事どすな?」と声をかけます。
初対面で恥ずかしい様を見られたあさは、それを茶化す(?)かのような新次郎の態度に激怒。部屋を飛び出してしまいます。かくして、新次郎への初対面の印象は、あさにとって「最悪」のものとなってしまうのです。
▲商家にとって何よりも大切な商売道具である算盤も、幼いあさにとってはジャカジャカと楽しい楽器。
Photo by: Daniel Sancho
「御居処」はお尻のこと。
新次郎が口にした「おいど」。特に東日本の方は馴染みがないと思います。セリフや状況の文脈で何となくの意味はわかりますが、普段は聞いたことがない言葉です。
「おいど」は漢字で書くと「御居処」。「お尻」「臀部(でんぶ)」のことを指す女ことばです。
「御」は接頭語(例:御味噌汁の御)、「居」は「座る」の古語である「ゐる(居る)」の名詞の形。そして、「処」は場所、ところを意味しますので、三つを合わせると「座るところ」、つまり「座る時に使う身体の部位、場所」である「お尻」のことを指します。
中世頃から女性言葉として使用され、現代でも「ウチのおいど触ったんは誰?」のような感じで、大阪方面、北陸、四国地方などで使われるようです。
「算盤」と「おいど」
第二回以降、「算盤」も「おいど」もバチバチ叩き叩かれてばかりのあさと、新次郎の仲は少しずつ近付いていきます。第一回での醜態の元となった算盤も、新次郎の優しさを知るキッカケとなる「思い出の品」になっていくようです。
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