1989年公開のアメリカ映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー2」(Back to the Future Part II)では、「未来の世界」として2015年が登場します。この記事では、「バック・トゥー・ザ・フューチャー2」に登場する「2015年」がどのような世界なのか、簡単にまとめます。
1955年から無事に1985年の世界に帰還したマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)でしたが、今度は2015年に旅立つことになります。マーティの息子が未来の世界(2015年)で巻き込まれるトラブルを除去するためです。
マーティは、ドク(クリストファー・ロイド)、ジェニファー(エリザベス・シュー)とともにお馴染みのタイムマシン「デロリアン」に乗り込み、2015年の「カリフォルニア ヒル・バレー」へとやってきます。そこでマーティが見た2015年の世界は、以下のようなものでした…。
気象庁が進歩している 郵政省は相変わらず
まだ天候そのものを人類がコントロールするには至っていないようですが、「あと5秒で雨が止む」など、かなり詳細な天気情報をリアルタイムで得られるようになっています。
2015年の現実世界で言えば、「東京アメッシュ」などのリアルタイム天気情報がこれに近いですね。
自動靴ひも締めスニーカー
靴を履くと、自動的に足の大きさに合わせて靴ヒモが締め付けられます。ナイキ製のロゴが光る。
この「未来のシューズ」は、実際に2011年に公式レプリカとしてナイキから発売されました。2015年現在、ナイキはこの「自動靴ひも締めスニーカー」を目下開発中だとか。
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・「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の自動靴ひも締めスニーカーをNIKEが2015年中に本当に完成させて発売することに
自動サイズ調整服
袖がデローンと長い服。着用し「サイズ調整ボタン」を押すと、身体に合わせてサイズが自動調整されます。ポケットは外にたらすのが流行で、濡れたときは「乾燥モード」で即乾が可能。
なお、服のデザイン自体は80年代当時のものを踏襲しており、現実世界の2015年の流行とは程遠い感じです。2015年現在、ある程度80年代リバイバルブームは来ていますが…。
裁判の迅速化 弁護士制は廃止
裁判の迅速化がはかられ、わずか二時間の裁判で懲役刑が確定するというスピード判決システムが実現しています。時間と手間、人手がかかる従来までの弁護士制は廃止。
ジョーズは第19作 スピルバーグの息子が監督
街なかではバーチャルリアリティを用いた映画「ジョーズ」の3D広告がマーティを驚かせます。「ジョーズ」は第19作に達し、監督はスピルバーグの息子であるマックスが務めているらしい。
現実世界では、1987年に公開された「ジョーズ’87 復讐篇(ジョーズ4)」が現時点での最新作です。
空飛ぶ車
まだまだ地上を走っている車も多数見られますが、パトカーなどは空飛ぶ車になっています。改造費3万9999.95ドルで「お宅の車を簡単な改造で空飛ぶ車に!」というCMも流れていたことから、裕福な人たちから順に空飛ぶ車に変えていっている過渡期か。
ビデオゲームは「ガキのおもちゃ」
80年代に大流行していたビデオゲーム。本作でもマーティが入店した「レトロカフェ’80」において「ワイルドガンマン」(任天堂)が登場しますが、2015年の少年たちにとっては古臭く退屈な「ガキのおもちゃ」にしか見えないらしい。
ホバーボート
少年少女たちが当たり前のように使っているのが、空飛ぶスケボーである「ホバーボート」(「マテル」製)。ジェットパワーが推進力であり、水の上では進まない。
現実世界では、マテルが2012年に劇中同様のホバーボードのプロップレプリカを発売しています(does not fly という但し書き付き笑)。「空飛ぶ系」の乗り物は未来SFモノの定番ですが、なかなか実現しませんね。
カフェの店員はテレビ画面の中
マーティが入店した「レトロカフェ’80」に人間の店員(ウェイター)はおらず、テレビ画面の中の「マイケル・ジャクソン」「ロナルド・レーガン」「ホメイニ師」(いずれもそっくりさん)が接客を担当。画面に向かってオーダーすれば、即座に商品が飛び出します。
冷凍ピザは極小
レンジでチンするという調理スタイル自体は現実世界と変わりませんが、本作の中の解凍前の冷凍ピザは直径5センチ強の極小サイズ。電子レンジによって一瞬で解凍され、巨大化します。
壁面テレビ
未来のマーティ家には、声によってチャンネルを変えられる「壁面テレビ」が設置されていました。この画面はテレビ電話の機能もあり、通話中は相手の個人情報(年齢、家族構成、趣味、好きな食べ物など)が次々と画面の余白に表示され、会話の手助けをしてくれます。なお、マーティが通話中に上司から言い渡された「解雇通知」は、FAXにて届いていました。
現実世界@2015年で言えば、「双方向通信によるコミュニケーションツール」という意味で、インターネット(Skype、各種SNS、メールあたり?)がこれにあてはまりそうです。
個人特定指紋認証システム
未来の世界を見せないためにドクが路地裏に寝かせておいたジェニファー(from1985年)でしたが、巡回の警官により発見されてしまいます。警察はジェニファーの指紋から身元を割り出し、47歳であると特定します。ジェニファーは1985年からやってきているので、個人情報と見た目の肌年齢(本来は17歳)が合致せず、警官が「腕のいい整形ね」と驚く場面がありました。
現実世界の2015年では指紋認証、顔認証システムなどに進化が見られますが、まだまだ個人の身分証明は手持ちの免許証、パスポートなどを使用しており、アナログ的。