NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に登場している東洋新聞社。社屋の外観映像としてレトロな建物・学士会館についてまとめます。
学士会館はドラマ「半沢直樹」や「日本沈没」「下町ロケット」などでもロケ地となっています。
暢子が働く東洋新聞社
レストラン「アッラ・フォンターナ」のオーナー・大城房子の命令により、暢子は東洋新聞社でアルバイト(ボーヤ)として働くことになります。
恐らく戦前からあったと思われる東洋新聞社。暢子が働き始めたのは1972年(昭和47年)のことであり、同社の社屋も戦前の雰囲気を残したレトロなものとなっています。
外観の撮影は「学士会館」 震災復興建築
東洋新聞社の社屋外観の撮影は、東京都千代田区神田錦町にある学士会館(がくしかいかん)が用いられています。
明治時代、退官する東京大学(東京帝国大学)の教授に対し開かれた謝恩会がルーツとなり誕生した「学士会」。その後「学士会」は旧帝国大学出身者の親睦と知識交流を目的とした場へと発展し、「学士会館」はその拠点として建設されています。
「東洋新聞社の社屋外観」として用いられた4階建ての学士会館・旧館は、1926(大正15)年6月に着工、1928(昭和3)年5月に開業しています。関東大震災後に建築されたいわゆる「震災復興建築」であり、昭和初期に流行したスクラッチタイルで外壁が覆われるなど、昭和初期の時代の空気を現在に伝える貴重な建築物となっています。
旧館の建物の設計者は、日本橋高島屋や帝国ホテル新館などを手掛けた高橋貞太郎氏。1937(昭和12)年には増築という形で5階建ての新館が建てられるなど施設の充実が図られ、現在も宿泊、レストラン、会議室、結婚式場などを完備した倶楽部施設として(現在は一般利用も可能)活用されています。
震災の教訓を生かしたこともあり、当時としては極めて珍しい耐震・耐火の鉄骨鉄筋コンクリート造りとなっている学士会館。その建築的価値は高く、2003(平成15)には国の有形文化財に登録されています。
「半沢直樹」大和田常務の土下座現場 多数ドラマのロケ地に
今日の「プレバト」ありがとうございました!
— レイザーラモンRG (@rgizubuchi) September 24, 2020
「半沢直樹」の東京中央銀行の会議で使われた学士会館でサイレント詫びろ!#半沢直樹 #伊佐山部長 pic.twitter.com/jdm9Pp66Wg
重厚かつレトロな学士会館は、たびたびドラマのロケ地として登場しています。
TBS系日曜劇場「半沢直樹」(2013年)では、大和田常務の土下座シーンの舞台となった東京中央銀行の役員会議室(学士会館・201号室で撮影)や、銀行内部の廊下のシーンなどが学士会館で撮影されています。
同じくTBS系日曜劇場「下町ロケット」(2018年)で帝国重工の会議室などとして学士会館が登場したほか、「日本沈没」(2021年)でも、主人公たちが副総理らと面会する重厚な応接室として学士会館(301号室?)が登場しています。
また、2022年現在放送中のNHK土曜ドラマ「17才の帝国」でも、松本まりか演じる新聞記者が学士会館の屋上を歩くシーンが登場しています。
他にも「美食探偵 明智五郎」「Doctor-X 外科医・大門未知子」「集団左遷!」「陸王」「アバランチ」をはじめ多数のドラマのロケ地として使われおり、レトロな外観とともに、重厚な会議室も撮影場所として重宝されています。