2014年7月30日(水)放送のNHK連続「花子とアン」より。
「僕は出会った瞬間から、かよさんと結婚すると決めていますから」と周囲に泣けるセリフを漏らしていた村岡郁弥(町田啓太)が、ついに安東かよ(黒木華)にプロポーズを決行。しかし、とんでもないタイミングで関東大震災が発生してしまい…。
かよの誕生日にプロポーズ しかし「やりすぎ感」が…
郁弥がプロポーズを決行したのが、大正12年9月1日のこと。この日はかよの誕生日でもあります。
昼前にカフェードミンゴに到着した郁弥は、用意した「サプライズ」の音楽生演奏とともに、勤務中のかよにプロポーズをします。
「かよさん ハッピーバースデー!お誕生日おめでとう」
「かよさん あなたは僕の女神です 僕と結婚してください!」
何度も心の中で練習したセリフを郁弥が滞りなく告げると、カフェーの店内からは「よっ!ご両人」と拍手歓声が沸き上がります。
大胆すぎるサプライズ演出にかよは驚き、郁弥に対し「郁弥さんのばかっちょ!」と叫んで店から出て行ってしまいます。これまで人前で脚光を浴びた経験などなかったかよのことですから、恥ずかしさのあまりの当然の反応と言えるでしょう。
どうやら郁弥の気合が空回りしてしまったようです。
以下、プロポーズ以降のネタバレがありますのでご注意下さい。
11時58分、プロポーズ直後に関東大震災が発生
カフェードミンゴにやってきた郁弥は、しきりに時計を気にしていました。彼の腕時計は「午前11時50分」くらいを指していましたね。何故、わざわざ時計の時間を映していたのか…?
大正12年(1923年)9月1日は、あの忌まわしい「関東大震災」が起きた日です。相模湾北西沖で発生したマグニチュード7.9の大地震が日本史上稀に見る激甚被害を引き起こした事は、みなさんご存知のことと思います。発生時刻は午前11時58分32秒。
まさに、かよが「郁弥さんのばかっちょ!」と叫んで店を飛び出した直後のことです。
村岡斎は横浜工場で死亡、郁弥はドミンゴで…
史実によれば、村岡郁弥のモデルである村岡斎(花子の夫である村岡儆三の弟)は福音印刷横浜工場で勤務中に震災に遭い、建物の倒壊により亡くなっています。
これまでドラマ「花子とアン」と史実とは食い違う場面も多く、郁弥も史実の村岡斎とは異なり生き延びるのでは…との淡い期待をしていました。
しかし、残念ながら郁弥もカフェードミンゴ倒壊の下敷きとなり、亡くなってしまうようです。
誠実に想いを伝えてくれた郁弥に自分の気持ちを告げず、その場から逃げてしまったかよ。震災以降、かよはこの逃れられない苦しみと戦うことになります。
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