NHK連続テレビ小説「ひよっこ」4月8日(金)、第6回放送分の稲刈りのシーンで歌われたふたつの曲「いつでも夢を」、「庭の千草」についてまとめます。
「ひよっこ」では今後も当時の世相を反映した流行歌などが登場しそうですね。
楽しかった稲刈りも終わりに近付き…
近所の人の手を借りて行なわれた、谷田部家の稲刈り。作業の最中には女性たちが歌を歌うなど楽しい時間が流れますが、同時にみね子(有村架純)は、この楽しいひと時が過ぎ去っていってしまうことを寂しく感じていました。
そんな稲刈りシーンの終盤で美代子(木村佳乃)、君子(羽田美智子)、時子(佐久間由衣)らが歌っていたのが、以下の二曲。古くから日本の農村では稲刈りの際に「稲刈り唄」のような作業唄(民謡)を唄い、楽しくリズミカルに作業をする習慣がありましたので、それを思わせるような良いシーンでしたね。
①「いつでも夢を」
1962年(昭和37年)に発売され、第4回日本レコード大賞・大賞を受賞した橋幸夫・吉永小百合によるデュエットの名曲。作詞は佐伯孝夫、作曲は吉田正。
「ひよっこ」劇中の稲刈りのシーンが1964年(昭和39年)の秋のことですから、まだまだヒットしてから間もない頃の流行歌という扱いでしょうね。
「いつでも夢を」は、朝ドラ「あまちゃん」で宮本信子演じる「夏ばっぱ」が憧れの橋幸夫(本人役で出演)とデュエットをした曲。「ひよっこ」でもたびたび劇中で「いつでも夢を」が歌われており、今後、宮本信子が演じる「すずふり亭」店主・牧野鈴子がこの曲を歌う「あまちゃんオマージュ」のような展開があるのか、注目されます。
②「庭の千草」
二曲目として歌われたのが、どこか物悲しい唱歌「庭の千草」。この歌は、失踪後に発見された実が奥茨城に帰郷し、皆で田植えをしたシーンでも歌われました。
原曲はアイルランドの詩人、トーマス・ムーアによって1805年に書かれた詩がもとになったアイルランドの民謡「夏の名残のバラ」。これが音楽家の里見義(1824〜1886)の翻案により1884年(明治17年)に「小学唱歌集 第三編」に収められ、以来「庭の千草」という唱歌として広く親しまれています。
「庭の千草」の歌詞は著作権が消失していますので、転載しておきます。
庭の千草も むしのねも
かれて さびしく なりにけり
ああ しらぎく 嗚呼 白菊
ひとり おくれて さきにけり露にたわむや 菊の花
しもに おごるや きくの花
ああ あわれあわれ ああ 白菊
人のみさおも かくてこそ
▼みね子が聞いて物悲しくなってしまった「庭の千草」。秋の情景を喚起する、美しい歌詞と旋律です。
▼こちらはソプラノ歌手・鮫島有美子によるイギリス民謡集。「庭の千草」のほか、マッサンでも登場した曲「故郷の空」など、名曲ぞろい。Amazonページ上で視聴出来ます。
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