NHK連続テレビ小説「まんぷく」より。
萬平が手掛けた新商品「まんぷくヌードル」は100円で発売されることになりますが、昭和45年当時の物価などを参考に、この値段設定の妥当性などをまとめます。
1個100円の強気な値段設定
昭和45年(1970年)。新たな商品「まんぷくヌードル」(カップ麺)の開発に乗り出した萬平は、この新商品の値段を1個100円に設定すると言い出します。
この当時袋麺が30円で売られていることを考えると100円は強気な値段設定であり、世良や岡、鈴ら周囲の人間から「高すぎる」と反対の声があがります。
※「まんぷくヌードル」のモデル商品「カップヌードル(日清食品)」も、昭和46年(1971年)に希望小売価格を100円に設定し、販売を開始しています。
昭和45年の物価は現在の3分の1?
昭和45年当時の物価感覚を見てみましょう。
明治33年(1900年)を1.00とした「消費者物価指数」では、昭和45年は1246.2。2018年とほぼ同水準である平成12年(2000年)は3918.9となっています。
この数字から、昭和45年当時の物価感覚は現在のおよそ3分の1ほどということがわかります。この数字から単純計算すると、前述した当時の袋麺30円=現在の90円くらい、まんぷくヌードル100円=現在の300円くらいとなります。
ただし、この数字には少し補正が必要かもしれません。以下、もう少し詳しく。
昭和45年の庶民の物価感覚 ラーメン=120円
「消費者物価指数」だけでは一般庶民の物価感覚がつかみづらいところもありますので、参考までに昭和45年前後の物の値段を「物価の文化史事典」からピックアップしてみます。
・木村屋総本店のあんぱん(1個)=25円
・森永ミルクキャラメル(1箱)=30円 ※昭和46年
・中華そば / ラーメン(東京の外食・1杯)=120円
・天丼(東京の外食・1杯)=230円
・うどん、そば(東京の外食・1杯)=100円 ※昭和46年
・三越食堂 和定食=400円
・コーヒー(東京の喫茶店・1杯)=97円50銭
まんぷくヌードル=ラーメン屋のラーメン
以上から、まんぷくヌードルの1個100円という値段は、当時の外食でラーメンやうどん、そばを1杯食べる値段とほぼ同等ということになります。喫茶店でコーヒー1杯を飲む値段とも大体同じですね。
現在、ラーメンやコーヒーを庶民的なお店で頼むとおおよそ400円から600円程度ですので、カップラーメン1個で400円から600円と考えると、ずいぶんと高く感じますね。
萬平は財布の紐がかたい主婦層がメインである既存のスーパーでの販路を諦め、まったく新しい客層へアプローチを試みることになります。
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