NHK連続テレビ小説「マッサン」第12週(12月15日〜20日)より。この週は、流産してしまったエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)と、それを心配する周囲の人々を中心にして物語は進みます。
山崎工場お披露目会の日程で揉める
その中で問題になるのが、鴨居欣次郎(堤真一)が設定している山崎蒸溜所(山崎工場)の初お披露目会の日時。お披露目会はマスコミや財界関係者などを呼び、工場を派手に宣伝するチャンスです。
しかし、山崎工場の現場は大混乱していました。工場長のマッサン(玉山鉄二)が、妻・エリーの流産を受けて会社をしばらく休んでおり、準備が大幅に遅れていたのです。
しかし、鴨居欣次郎はお披露目会の日程は変更せず、予定通りに決行する考えでした。それどころか鴨居は翌日からマッサンに出社命令を出す始末。この決定には鴨居の長男・英一郎も猛反発します。
かつて、母が病に倒れた際に仕事ばかりしていた父。英一郎はそんな父を改めて「鬼」だと罵倒し、親子関係はますます険悪なものになってしまいます。
以下、少々ネタバレになりますのでご注意下さい。
鴨居欣次郎と妻・サキ
第12週では、エリーからきちんと英一郎と向き合うように背中を押された欣次郎が、英一郎に本当のことを話し始めます。
それによれば、欣次郎が病に倒れた妻・サキを横目に仕事に没頭したのは、妻に冷酷だったからではありませんでした。当時、病床の妻のために社運を賭けた「太陽ワイン」の発売を延期しようとした欣次郎でしたが、妻がそれを許さなかったのです。
欣次郎の夢が叶えば必ず自分の病気は良くなる…。そんな妻の言葉を信じ、欣次郎は必死に働き、太陽ワインの大ヒットに繫げたのでした。残念ながら、妻はその成功を見ることなく亡くなってしまいましたが…。
鳥井信治郎と妻・クニ 史実では?
さて、欣次郎・サキ夫妻のモデルとなっている史実の鳥井信治郎(サントリー創業者)とその妻・クニですが、ドラマのストーリー展開とは事実関係(時系列)が異なるようです。
鳥井の妻・クニは昭和8年、46歳という若さで早世しています(急性の伝染病らしい)。これは長男・吉太郎が学校(神戸の高等商業)を卒業し寿屋に入社(昭和6年)した後。「マッサン」第12週でも描かれる山崎工場の完成お披露目(大正13年)のだいぶ後の話です。
鳥井信治郎の妻・クニは早世したとはいえ、「赤玉ポートワイン(太陽ワインのモデル)」の大ヒット、山崎工場の完成、それに長男・吉太郎の成長を見届けた後に亡くなったのです。
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