「おちょやん」京都 浪花千栄子ゆかりの地(師団前のカフェ、新京極、等持院撮影所、四条河原町、嵐山の自宅)

NHK連続テレビ小説「おちょやん」ヒロインのモデル・浪花千栄子は大阪で育ち、大人になってからは京都に深い縁をもった女優でした。

この記事では、浪花千栄子が終の棲家まで建てたという街・京都のゆかりの地をまとめます。

①父から逃亡 師団前(深草)のカフェで働く…17歳

奉公先での給金をすべて奪われてしまうなど、父の搾取に耐えきれなくなった千栄子は、17歳前後で京都へと逃亡しています。

千栄子は京都駅近くにあった口入れ屋(職業斡旋所)に入ると、そこで京都南部・深草の師団前駅(現在の藤森駅)すぐにあった「カフェ・オリエンタル」の女給の仕事を紹介されています。

当時のカフェーといえば、現在でいうキャバクラのような業態。「カフェ・オリエンタル」は近くにあった大日本帝国陸軍・第16師団など軍事施設関係者を主に相手にした店で、この界隈で一番の人気店だったとか。

千栄子は客におべんちゃらを使う女給の仕事が嫌で仕方がなかったようですが、化粧映えする「モダンな顔立ち」が女給仲間からも評判となり、「ゆりちゃん」という女給から女優になってはどうかと勧められています。

※「カフェ・オリエンタル」は、「おちょやん」では「カフェ・キネマ」として登場。

▼京都・伏見(深草)にあった第16師団の司令部庁舎は、現在「学校法人聖母女学院本館」として残されています。周辺には「師団街道」「第二軍道」「師団橋」といった名称が現在でも使われています。

②新京極の三友劇場…18歳

カフェの女給仲間「ゆりちゃん」に連れられるままに、嵯峨野にあった小さな映画製作会社の面接を受け、女優として採用された千栄子。「三笠澄子」という芸名をもらい女優としての一歩を踏み出すかと思われましたが、この会社はすぐに倒産してしまいます。

しかし、その会社の監督が千栄子の女優としての素質を高く買っていたため、村田栄子という女優が率いる一座を紹介してくれます。

この村田栄子一座が本拠にしていたのが、新京極にあった三友劇場(さんゆうげきじょう。後の京極東宝)でした。当時の新京極は、東京でいえば浅草のような場所。京都の大衆文化を牽引する刺激的な街でした。

千栄子は初めての師匠・村田栄子の指導のもと、新京極で舞台女優としてキャリアを本格的にスタートさせています。しかし劇団の運営状況が悪化すると、間もなく千栄子は村田栄子一座を去るという苦渋の決断をしています。

村田栄子一座と三友劇場は、「おちょやん」では山村千鳥一座と三楽劇場として登場。
【おちょやん】「山村千鳥一座」は「村田栄子一座」がモデル 浪花千栄子初めての劇団
【おちょやん】新京極の「三楽劇場」は「三友劇場」がモデル

▼三友劇場(1916~1945年)は1954年に洋画ロードショー劇場「京極東宝」となり、2005年に閉館。跡地は現在「スーパーホテル」になっています。新京極の賑わう通りから一歩入ったあたり。

③東亜キネマ・等持院撮影所…19歳

千栄子は三友劇場の劇場主からの紹介を受けて、大手制作会社・東亜キネマの専属女優になるという幸運に恵まれています。

東亜キネマは等持院の境内に「等持院撮影所」(旧マキノ映画製作所を吸収買収)を所有していました。千栄子は「香住千栄子」という新しい芸名を与えられ、この等持院撮影所で映画「帰ってきた英雄」などに出演。上々の評判を得て、銀幕女優として名を広めていきます。

千栄子は月給35円という高給を得るようになり、撮影所に近い6畳一間の下宿を借りて人生で初めての一人暮らしを始めています。

※「等持院撮影所」は、おちょやんでは少し設定が変わり「鶴亀撮影所」として登場か。

▼現在は住宅地になっている参道沿いに、撮影所が設置されていた等持院。境内には日本映画の礎を築き、同所に撮影所を建設した牧野省三の銅像が立ちます。

④離婚後に身を隠した四条河原町…44歳

京都から大阪に戻り、やがて松竹専属女優となった千栄子。千栄子は大阪で夫・天外と出会い、旗揚げされた松竹家庭劇、松竹新喜劇の看板女優になって長年活躍をしていましたが、天外の浮気により離婚。怒りのうちに新喜劇を退団すると、世間から姿を消して行方知れずになってしまいます(44歳頃)。

この時千栄子が身を隠したのが、青春時代の良き思い出が詰まった京都の街でした。千栄子はかつて劇団の京都公演の時に宿舎として借りたことがあった四条河原町の民家の2階を間借りし、久しぶりの一人暮らしを始めています。

千栄子は懐かしい京都の街で傷心を癒やすとともに、再起を誓う日々を過ごしています。

⑤終の棲家を建設した嵐山

ラジオドラマ「アチャコ青春手帖」や映画「祇園囃子」などに出演し、やがて上方を代表する女優になっていく千栄子。

金銭的にも余裕が生まれた千栄子は、終の棲家として嵐山の天龍寺に隣接した土地に自宅兼料理旅館を完成させています(昭和31年完成)。土地の入手にあたり、千栄子のファンだったという天龍寺の管長が地主に譲渡を説得してくれたほか、千栄子に土地の購入代金を貸してくれたそうです。

嵐山は千栄子が通う太秦の撮影所に近かっただけでなく、かつて天外と離婚した際に、思いつめて死のうと訪ねた土地でもありました。千栄子が再び女優として返り咲いたのは、嵐山で再起を誓ったあの日があったからであり、千栄子にとって嵐山は特別な場所だったのです。

自宅は石垣に囲まれた門、石畳の小路、竹林、嵐山の風景を借景とした庭園、茶室などが並ぶ豪勢な造り。敷地内に料理旅館「竹生(ちくぶ)」を建設したのは、女優の仕事がなくなっても食うに困らないようにするためでした。敷地内の敷石の裏には自分を捨てた元夫・渋谷天外の名を彫り、毎日恨みを込めて踏み歩いたという逸話が残ります。

「竹生」は千栄子の姪っ子で養子に迎え入れられた輝美が手伝いました。やがて近所に蕎麦屋や茶屋を開店させるなど、千栄子は嵐山の地で商売の才能も見せています。

▼桂川、渡月橋、天龍寺…。美しい嵐山の風景に囲まれた最高の立地に千栄子は終の棲家を構えました。

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