NHK連続テレビ小説「おちょやん」4月28日(水)の放送では、千代との共演を望む花車当郎が口説き文句として「どうかこの僕と夫婦になってください!」などと言い出す場面がありました。
初対面以来、不思議と馬が合う千代と当郎。再婚を匂わせる(?)二人の関係性が今後どうなっていくのか、二人のモデルとなっている浪花千栄子と花菱アチャコの関係性を参考にしてまとめます。
当郎「どうかこの僕と夫婦になってください!」
新作ラジオドラマ「お父さんはお人好し」での千代(杉咲花)との共演を切望し、持ち前のしゃべくりを駆使して千代を口説きにかかる漫才師・花車当郎(塚地武雅)。
当郎は、千代を説得する中で「どうかこの僕と夫婦になってください!」「いっそのこと、僕らほんまの夫婦になってしまいまひょか」などと大胆発言。居合わせた春子(毎田暖乃)と栗子(宮澤エマ)も、二人はお似合いと言わんばかりのニヤニヤリアクションを見せています。
当の千代も「何やろ、この人と喋ってたら、いろんな事を悩んでいることがアホらしなってくるな」と感じており、花車当郎の存在は心に傷を負っていた千代にとって有り難いものになっていきます。
二人はある意味で「夫婦」になる
意味深な口説き文句を繰り出す当郎ですが、この発言はもちろんラジオドラマ内で演じる役柄を意識したもの。史実を参考にすれば、二人が実際に再婚する可能性は低いでしょう(史実から改変する可能性もゼロではありませんが…)。
「お父さんはお人好し」は、12人の子供を持つ大家族の物語。
オファーを承諾した千代は当郎と夫婦役を演じ、たくさんの子役たちと本当の家族のような気持ちで接しながら、役柄に没頭していくことになります。
千代と当郎の丁々発止の名コンビぶりは大人気となり、世間ではまるで二人が本当の夫婦かのように思われていきそうです。当郎がもう一度表舞台に引っ張り出してくれたことで、千代は女優として第二の人生を歩み始めるのです。
【史実】本当の夫婦だと勘違いされた千栄子とアチャコ
二人のモデルである女優・浪花千栄子と漫才師・花菱アチャコは、花菱アチャコの熱烈オファーにより最初のラジオドラマ「アチャコ青春手帖」で親子役(千栄子が母親役)を演じると、二年後にはラジオドラマ「お父さんはお人好し」で再共演。同ドラマは11年に及ぶ長寿番組になっています。
ドラマ内での千栄子・アチャコの「黄金コンビ」があまりに自然で息があっていたため、二人が本当の夫婦だと勘違いしていた人も多かったそうです。
地方の公開収録に向かう際に手配された列車の座席が隣同士だったり、ホテルの部屋を一緒にされてしまったりといったこともあったようで、お茶の間の聴取者のみならず、実際に仕事で関わる人が勘違いするくらいですから、よほどの名コンビだったと言えます。
千栄子は2代目渋谷天外と離婚後は生涯独身を貫き、養子の南口輝美氏(春子のモデル?)と愛猫を大切に思い、思い出の地である京都・嵐山の終の棲家で暮らしたそうです。
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