NHK連続テレビ小説「虎に翼」でヒロインの友人としてともに学んだ朝鮮半島からの留学生・崔香淑(さい・こうしゅく / チェ・ヒャンスク)。第6週では不本意のうちに朝鮮に帰国してしまった香淑ですが、今後のあらすじを読む限り、これで出番が終わったわけではなさそうです。
この記事では、公表されている今後のあらすじから、崔香淑のその後の人生や結婚相手などをまとめます。ネタバレを含みますのでご注意ください。
【これまでのおさらい】戦争の時代になり無念の帰国 崔香淑
※この記事は、NHKによるドラマの公式ガイドブックを参考に書いています。
寅子(伊藤沙莉)らとともに明律大学で法律を学んだ朝鮮半島出身の留学生・崔香淑(ハ・ヨンス)。
大学卒業後も行きつけの甘味処「竹もと」で働きながら高等試験への合格を目指してた香淑ですが、日中戦争が始まり特高警察の取り締まりが強化されていくと、朝鮮出身の香淑の生活にもその影響が出ていきます。
ある日、日本で一緒に暮らしていた兄の潤哲(ユン・ソンモ)に思想犯の疑いをかけられて当局に連行されてしまうと、その追求の目は香淑にも及んでいきます。
日本に居づらくなった潤哲が先に帰国してしまうと、ついに香淑も日本での生活を断念して帰国を決断。香淑は志半ばで日本を去る無念さを女子部の仲間たちと共有し、故郷へと帰っていったのでした(第6週)。
以下、崔香淑に関する今後のネタバレを含みますのでご注意ください。
【今後のネタバレ】意外な形で寅子と再会 結婚相手は…
同僚の家でまさかの再会
第6週で無念の帰国をし、一度はドラマから退場した崔香淑ですが、後に意外な形で寅子と再会することになりそうです。
崔香淑が再登場するのは、第11週のこと。
戦後の1948年(昭和23年)。最高裁判所の「家庭裁判所設立準備室」に配属され、近々設立される家庭裁判所の準備業務に携わっていた寅子は、室長の多岐川幸四郎(滝藤賢一)や室長補佐の汐見圭(平埜生成)らのもと、充実した仕事ぶりを見せていました。
ある日、寅子は飲み会で酔いつぶれてしまった汐見を家まで送ると、なんとそこには汐見の妻だという崔香淑が居ました。
香淑は寅子の顔を見ると、すぐに家の奥に引っ込んでしまいます。すっかり雰囲気が変わってしまった香淑を見た寅子は、心配を募らせることになりそうです。
【補足】
香淑が帰国したのが1938年(昭和13年)のことなので、寅子と香淑は10年ぶりに再会したということになります。香淑はもちろんのこと、寅子もこの10年のうちに激動の人生を経験しています。
汐見と香淑の馴れ初め 再来日の経緯
翌日、寅子は汐見から香淑と出会った馴れ初めや再来日の経緯などを聞くことになります。
汐見はかつて多岐川とともに朝鮮半島の裁判所に居た時期があり、その時に労働争議扇動の疑いをかけられていた香淑の兄・潤哲の予審判事を多岐川が担当したのだとか。
これがキッカケとなり汐見と香淑は親密になって結婚。その後に二人は一緒に日本に戻り、香淑は「香子(きょうこ)」という日本名を名乗ってひっそりと暮らしているようです。
気になる香淑の雰囲気の変化ですが、どうやら日本人と結婚をしたことで兄の潤哲から冷たくされてしまい、それ以来心を閉ざしてしまっているのが原因の一つのようです。
【今後の展望】止まってしまった香淑の人生
前作朝ドラ「ブギウギ」では、ヒロインのスズ子(趣里)が戦争を経てすべてを失った親友・タイ子(藤間爽子)と偶然に再会。すっかり出世したスズ子をタイ子が拒絶するというシーンがありましたが、寅子と香淑の再会もまさに似たようなものになると予想します。
日本と朝鮮のはざまで翻弄され、まっすぐで柔らかだった心までも奪われてしまった香淑。あれだけ信頼していた寅子と顔を合わせられなくなってしまった香淑は、一体どれだけつらい思いをして生きてきたのでしょうか。
現在のところ物語後半のあらすじは公表されておらず、香淑の今後も不明です。
彼女の人生に希望があるとすれば、裁判官という職能を持つ(そして恐らく差別心を持たない)優しい男・汐見圭が夫であること、そしてともに青春時代を過ごした良き仲間が日本に居ることでしょう。
寅子や女子部の面々との再会により香淑の心が解きほぐされていけば、やがて香淑の止まっていた人生が動き出し、日本でやり残していたことに向き合うことが出来るかも知れません。