映画「イエスマン」 Amazon Prime会員特典で見た作品 感想・あらすじ

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映画「イエスマン “YES”は人生のパスワード(Yes Man)」について、あらすじと感想などをまとめます。

物ごとを何かと否定的にとらえてしまうことが習慣化している人にとって、この映画は気づきを与えてくれるものとなるかもしれません。

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目次

「NO」ばかりの人生 銀行員・カール

主人公・カール(ジム・キャリー)は、いつまでも離婚を引きずるネガティブな銀行員。友人からの誘いは常に用事があると嘘を言って断り、職場ではあらゆる個人融資の審査に「NO」を突きつけ、街中で配られる楽しげなチラシも頑なに受け取らない…。そんな「NOづくし」の生活を送っています。

いつの日からか、常にしかめっ面で他人との接触を拒み、休みの日には部屋でDVD三昧。一人閉じこもった孤独な世界を堪能するようになっていたカールですが、知人・ニック(ジョン・マイケル・ヒギンズ)から怪しげな「自己啓発セミナー」に誘われたことで、人生が一変していきます。

絶対に「YES ! 」 怪しげな自己啓発セミナー

その自己啓発セミナーとは、決断を迫られる日常のあらゆる場面で必ず「YES!」と答えることで人生が激変するという、いかにも怪しいもの。

まるで新興宗教の教祖のような怪しいセミナー代表の男、テレンス・バンドリー(テレンス・スタンプ)に半ば脅しのような形で「YES」と言い続けることを約束してしまったカールは、嫌々ながら「YESの呪文」を唱え始めることになるのですが…。

拒否反応も?Amazonレビュー、評価

この映画、Amazonレビューなどを見ても概ね高評価を得ているのですが、一部には激しい拒否反応を示す人もいるようです。

理由は簡単。

テレンス・スタンプ演じる「YESセミナー」代表の男があまりにも胡散臭く(なんかもう、目がイっちゃっている笑)、そんな男の言いつけを守って「YES」を連発することで主人公の人生がたちまち好転(彼女が出来た!仕事で昇進!友達いっぱい!)、「ポジティブ・モンスター化」していく様子が少々薄気味悪く感じてしまうのです。

実際僕も、セミナー代表が壇上から熱狂的観衆(信者?)に対し「YES!」を絶叫復唱させ、主人公に「改宗」を迫る場面は気持ち悪く感じ、一瞬視聴をやめようかと思いました笑。

学生時代に某大手レンタルビデオチェーン店「T」のアルバイトリーダー研修で、「いらっしゃいませー!!!」「ありがとうございましたー!!!」の絶叫声出し感謝感動夢希望セミナーを強制受講させられ、吐き気を催して早退した若き日のトラウマが蘇りました…。

心にもない「YES」を唱え続けると…

しかしその辺はよく出来た映画で、「ポジティブ・モンスター化」してノリノリだった主人公は、やがて壁にぶち当たることになります。

彼が口から発する「YES」は所詮「教祖様」から強制された「YES」であり、彼が心から発した「YES」ではありません。ポジティブ・ハイ・ドーピング状態の中で出会った新しい彼女・アリソン(ズーイー・デシャネル)は、やがて盲目的に「YESマン」と化している彼の本性を知ると、彼の言動の全てに対して疑念を持つようになり、心が離れていってしまいます。「YESの呪文」の魔法が解けたカールは、再び無気力な男に舞い戻ってしまい…。

劇薬ではなく漢方薬?ジワジワと前向きに

この映画は、何がなんでも「YES」と言おう!人生は最高!というポジティブ・バカ映画ではなく、ネガティブな思考回路に陥っている人間、いつも他人との摩擦を避けて「NO」を連発している人間が行動原理を激変させるとどのような事態が起こるのかという「実験」を、疑似体験出来る面白さがあります。

自室に閉じこもってDVDを見ているだけでは絶対に起こり得ないハプニングや人との新しい出会いを繰り返す主人公の様子を見ていると、トラブルは多々あれど、人生に何一つ出来事が起こらないよりはマシ、命さえ取られなければ万事OKとも思えて来ます。

明日から自分ももう少し「YES」の言葉を発してみようかなと思える、ささやかな漢方薬のような、おだやかな効能を感じる映画です。

▼後頭部が映っている白髪おじいさんが、怪しげなセミナー代表・テレンス・バンドリー。目がイっちゃっていてまさに「怪演」と言った感じですが、終盤にはポロっと人間臭さを見せてくれます。

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