NHK連続テレビ小説「あさが来た」も終盤を迎え、いよいよあさ(波瑠)の人生も集大成の時を迎えます。
この記事では、第25週(2016年3月21日〜)あたりでいよいよ誕生することになる加野屋の保険会社「淀川生命」についてまとめます。「淀川生命」のモデルとなっているのは、広岡浅子、加島屋が中心になって立ち上げた「大同生命」です。
払い戻し騒動再び
ついに「日の出女子大学」の開校を実現したあさでしたが、またしても騒動に巻き込まれてしまいます。
大阪のとある銀行が破綻するのではないかとのウワサが街中に流れたため、加野銀行にも預金者が大挙して押し掛け、預金の払い戻しを要求する事態に発展してしまうのです。(※明治34年「大阪恐慌」)
かつて維新期に発生した「銀目廃止」騒動の再来を予感させる出来事ですが、あさや榮三郎(桐山照史)らの「信用が何より」との英断により、加野銀行は払い戻しを敢行。これにより加野屋は再び大ダメージを受けてしまいます。
「加野生命」をより大きな事業に
こうした事態に直面し、あさは改めて「多角経営」の大切さを痛感します。あさは、すでに立ち上げられていた生命保険事業「加野生命」の経営をより大きく安定させることで、加野屋が銀行単体の組織ではないことをアピールし、顧客の信頼を得ようと考えます。
世の中が不景気となり、人々が不安になった時こそ生命保険会社は頼られるもの。今こそ「加野生命」を大きくする時だと考えたあさは、経営不振に陥っている中小の保険会社を吸収合併し、経営の安定、商品ラインナップの充実を図っていくべきだという思惑を周囲に語ります。
三社合併 新生「淀川生命」誕生
その結果、経営不振が続いていた「福豊生命」ならびに「古川生命」を「加野生命」に合併させることに成功。加野屋主導により、新しく「淀川生命」が誕生します。
※加野屋が淀川水系「土佐堀川」沿いにあることや、大阪において「淀川」は「母なる川」の位置づけであることなどから、この社名が採用されたものと推測されます。
追記:3月23日(水)放送のあさのセリフによれば、「淀川」は京都や奈良や滋賀など色んな所から水を集めて海から世界中から流れていくことから、「淀川生命」という名がつけられたとのこと。
淀川生命は資本金30万円。初代社長に榮三郎、取締役に平十郎、相談役にあさを配置し、規模を大きくしての再スタートが図られことになります。
※この「淀川生命」のモデルとなっているが「大同生命」です。大同生命については「大同生命の設立経緯、社名由来 広岡浅子(加島屋)が設立の中心に」の記事にまとめてあります。
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