NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で、ヒロインの父・小橋竹蔵(西島秀俊)が働く「遠州浜松染工」。
この記事では、「遠州浜松染工」についてまとめるとともに、「赤レンガ建築」が印象的だった同工場・外観のロケ地もあわせて紹介します。
なお、竹蔵のモデルである、大橋鎭子の父・武雄は北海道の「製麻工場」で働いており、ドラマの設定とは異なります。
織物、染物産業が発達した浜松
遠州・浜松は日本で一番晴天が多い地域とされ、その温暖な気候を活かし、江戸時代中期から綿花が盛んに生産されていました。
こうした気候特性もあって浜松には「織物産業」が根付き、それにあわせて町には染色加工を行なう「染物工場」も多数存在しました。
小橋竹蔵が営業部長として勤務する「遠州浜松染工」(架空の会社です)も、そんな数ある染物工場のひとつ。
「遠州浜松染工」は国内有数の染色会社を目指し業績拡大をはかっている最中であり、人のいい社長・杉野栄治(田山涼成)を中心に、若手の山田(田中幸太朗)ら社員が新規顧客の獲得を目指し奮闘する日々です。
ロケ地は足利市「トチセン(旧足利織物)」工場
▲東武伊勢崎線「福居駅」のすぐ横。駅から北に線路沿いに歩くと、立派な赤レンガ建築が見えてきます。
この「遠州浜松染工」の外観ロケシーン(赤煉瓦ブロックの建築物)に使用されたのが、栃木県足利市福居町にある「株式会社トチセン」の赤レンガ工場建築群です。
同社の敷地内に建つ「赤レンガ捺染工場・赤レンガサラン工場」(足利市「登録有形文化財」)は、かつて大正初期に設立された「旧足利織物」の工場でした。「足利織物」は輸出綿織物の生産を目的とした会社で、足利で最初の近代工場を有していました。現在、これらの建築群は株式会社トチセンに受け継がれ、大切に使われているようです。
※株式会社トチセン公式サイトによれば、同社は “化成品フィルムの染色・特殊加工、繊維製品の染色・整理加工、工業用資材・包装用資材等の販売等を行う” 会社(1943年創業)とのこと。あくまで現役で稼働している工場ですので、見学の際は敷地外から覗き見する程度でお願いします。
▼撮影は手前の門一帯をセットで作り込み、奥の赤レンガ工場を活かした形のようですね。
下の写真は4月4日からのNHK連ドラ「とと姉ちゃん」の舞台となる遠州濱松染工の工場。これ、実は足利市で私の従兄が経営している「株式会社トチセン」の工場です(有形登録文化財)。行ったことはないし、連ドラもほとんど見ないんだけど…。 pic.twitter.com/DlyQJsGcr0
— 秋田印刷工房 (@akita12913198) 2016年3月16日