朝ドラ「べっぴんさん」タイトルの意味 「別品」「別嬪」の語源・違いは

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2016年10月から放送が始まるNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」。

この記事では、ドラマのタイトルになっている「べっぴんさん」の語源や意味、タイトルに込められた思いなどをまとめます。

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目次

「べっぴん」の意味は?

今日でも、美女を誉め称える時などに用いられる「べっぴん」「べっぴんさん」という言葉。漢字では「別品」「別嬪」という二つの表記が存在します。

『大辞林第三版』(三省堂)によれば、

【別品】は①別の品物。また、特別によい品物。②「別嬪」に同じ。
【別嬪】は非常に美しい女。美人。別品。べっぴんさん。

「別品」はいわゆる「別嬪=美しい女性」と同じ意味でも用いられますが、「特別によい品物」といった「モノ」に対する評価を表明する際に用いられる傾向があるようです。

また、「べっぴん」に「さん」が付いて「べっぴんさん」になると、少しくだけて(親しみを込めて?)美人を褒める用法になる、といった感じでしょうか。

江戸時代にはあった言葉

『日本語源大辞典』(小学館)によれば、【別嬪】は

美しい女性。幕末から見られる語で、本来は特に優れた品物や人物を意味し、女性に限らず男性についてもいったが、その後、女性の容姿に限られるようになる。それに伴い、表記も「別嬪」が用いられるが、明治時代では、美人の意で「別嬪」も「別品」も見られ、作家によって偏りがある。

また、『暮らしのことば 語源辞典』(講談社)によれば、【別嬪】は

美女のこと。江戸時代の歌舞伎脚本などに「別品」の表記が見られるように、「特別の品」が転じて美女に使われたものか。「嬪」は本来高貴な人の妻の意などを表すが、明治初期には、美人を意味する例として、別嬪が別品より多く用いられたという。

これらの説明を総合すると、江戸期にはすでに「別品(=特別な品)」という言葉が見られ、当初は美人女性に限らず「優れた品」や「男性」に対しても多く用いられていましたが、次第に意味が転じて婦人の美称である「嬪」の文字が宛てられ、現在のような美女=別嬪という用い方が主流になってきたといえるでしょう。

タイトルに込められた二つの意味

NHKは、「べっぴんさん」というドラマタイトルに込められた「二つの意味」を次のように語っています。

①「別品」
ヒロイン・すみれが真摯な気持ちで作り上げた子供服は、それを着せる母親、実際に着る子どもにとってはこの上ない一品、「別品」となる


②「別嬪」
生き方の美しいヒロインの姿は「別嬪」である

これら「別品」「別嬪」の二つの意味を込めて、「べっぴんさん」というタイトルに決定したとのことです。

タイトルが「ん」で終わる朝ドラに外れなし!?

「あまちゃん」「ごちそうさん」「花子とアン」「マッサン」そして「とと姉ちゃん」と、最近では朝ドラタイトルの語尾に「ん」がつくとヒットする、というジンクスが囁かれています。

そしてまたしても、「ん」で終わる「べっぴんさん」…。もしかしたらNHKもゲン担ぎを兼ねて、タイトル語尾に「ん」を付けることにこだわっているのかも知れませんね。

そういったジンクスとは別に、単純に語尾に「ん」が付くタイトルはキャッチーな印象を受けやすいという事情もあるのかも知れませんが…。

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