【おちょやん】高城百合子の舞台「人形の家」内容まとめ 千代の人生を示唆する?名作

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NHK連続テレビ小説「おちょやん」第2週では、芝居茶屋のお茶子として働く千代が初めて芝居の世界に魅せられるシーンが登場します。

千代にとって運命の出会いとなった舞台「人形の家」のあらすじや、「人形の家」がドラマのストーリー上どのような意味を持つのかをまとめます。

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目次

スター女優・高城百合子との出会い「人形の家」

芝居茶屋のお茶子として忙しく働く「おちょやん」千代(毎田暖乃)は、仕事の合間に初めて芝居小屋をのぞき、その世界に魅了されていきます。この時に千代が目にしたのは、高城百合子(井川遥)という美しい舞台女優が主役を務める「人形の家」と題された演目でした。

「人形の家」は、1879年にノルウェーの劇作家 ヘンリック・イプセンによって書かれた戯曲です。同年にデンマーク王立劇場で上演されると、一躍イプセンの代表作となっていきます(全3幕)。女性が夫や子供に従属する存在として家に閉じ込められていた有様を描いた社会劇であり、フェミニズム運動の勃興とあわせて語られる名作です。

以下、簡単にあらすじをまとめます。

「人形の家」あらすじ

主人公の女性・ノラは、弁護士の夫・ヘルメルに「可愛い可愛い」と溺愛され充足した日々を過ごしていました。しかし、「ある事件」が夫婦の運命を大きく変えていくことになります。

銀行の頭取に就任することが決まったヘルメルは、頭取就任後にそりが合わない部下・クロクスタを解雇しようと考えていました。クロクスタは解雇の撤回を懇願するためにノラを訪ねますが、ノラはこの懇願を拒絶。するとクロクスタは、ノラが過去に犯してしまった違法行為の証拠を自分が握っていることを明かし、解雇が撤回されなければそれをヘルメルや世間に暴露すると脅します。

ノラはかつて、ヘルメルが重病になった際にクロクスタから借金をしており、その際に借用書に書かれる父のサインを偽造したという過去を持っていたのです(父が死の床にあり動けず、やむを得ずの行為だった)。

仕方なくノラは、ヘルメルに対してクロクスタの解雇撤回を求めますが、脅されているという事情を伏せていたこともあり聞き入れられず、結局クロクスタは解雇されてしまいます。宣告通りクロクスタが暴露の手紙をヘルメルに送りつけると、ヘルメルは激怒。ノラをこれでもかというほど罵倒し続けます。

しかし、罵倒の途中で「公への暴露を撤回する」というクロクスタからの改心の手紙が届くと、危機が去ったヘルメルの態度は一変。いつものようにノラのことを「可愛い、可愛い」などと愛で始めるのです。

夫の一連の態度により、自分は対等な妻という立場ではなく、都合の良い「可愛い人形」として扱われていたことに気がついたノラ。ノラはヘルメルの必死の制止を振り切り、「人形の家」を出ていくことになります。

千代の人生と重なっていく?「人形の家」

「人形の家」は、抑圧され家に閉じ込められていた当時のノルウェーの女性たちがモチーフとなって作られた戯曲です。

「おちょやん」劇中では、「人形の家」のノラを演じる高城百合子が「私の義務は他にあります。私自身に対する義務です」というセリフを繰り出しています。

「人形の家」は、芸術に生きるために古き慣習をかなぐり捨て、自由な人生を突き進む百合子の姿を投影したような内容となっています。

当初は百合子の立ち姿の美しさ、セリフ回しの格好良さに魅了された千代ですが、やがて自身も女優の道を歩み始めると、常識に縛られず新しい時代を切り拓いていく百合子の生き様そのものに憧れを抱いていきます。

後に夫・一平(成田凌)の勝手さに振り回され、苦悩し続けることになる千代。「人形の家」は千代の人生の行き先を示唆する作品ともなりそうです。

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