NHK連続テレビ小説「ブギウギ」に俳優の内藤剛志が登場します。
この記事では、内藤剛志が演じる世田谷署の刑事・高橋の役柄や、高橋が関わることになる事件のモデルとなっている笠置シヅ子への脅迫事件についてまとめます。
【ブギウギ】新・サスペンスの帝王?内藤剛志が登場 朝ドラがサスペンス化か
内藤剛志が「ブギウギ」で演じるのは、スズ子が住む地域を管轄する世田谷警察署の人情派ベテラン刑事・高橋役です。
捜査主任を務めているという高橋は、スズ子の一人娘・愛子が巻き込まれそうになる「ある事件」の捜査をするためにスズ子の自宅を訪れることになります。
スズ子のモデルである笠置シヅ子は後述するような脅迫事件に巻き込まれており、このエピソード絡みで高橋刑事が登場するものと予想します。
内藤剛志といえば、「警視庁・捜査一課長シリーズ」(2016年〜・主演 大岩純一役)、「科捜研の女シリーズ」(2000年〜・武藤要/土門薫役)、「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ」(2017年〜・主演 十津川省三役)など数々のサスペンスドラマ、2時間ドラマで活躍してきた名優です。近年では船越英一郎と並ぶ「新サスペンスの帝王」だという声もチラホラ聞かれますね。
「ブギウギ」でも得意のサスペンス風の演技を見せつつ、スズ子に降りかかる難事件の捜査にあたってくれるはずです。内藤剛志ファン、サスペンスドラマファンにとってはたまらない展開となりそうです。
※内藤剛志は大阪市出身の68歳の俳優。少し意外ですが、内藤剛志の朝ドラ出演は2004年放送の「わかば」(NHK大阪・原田夏希主演)一作品のみ。「わかば」は阪神淡路大震災で父を亡くした震災遺児のヒロイン・高原若葉が造園家を目指す物語で、内藤剛志は若葉の亡き父・高原公一役(回想)と、若葉の父にそっくりなバーテンダー・木之下俊介役の二役で出演をしています。
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【史実】脅迫事件に巻き込まれた笠置シヅ子と娘
福来スズ子のモデルである歌手・笠置シヅ子は、一人娘・エイ子を利用した悪質な脅迫事件に巻き込まれ、警察が出動する騒動を経験しています。
戦後に「ブギの女王」として大成功した笠置シヅ子は、1951年(昭和26年)頃に東京都世田谷区弦巻の閑静な住宅街に大邸宅を建設しています。
当時の雑誌は「ひばり御殿」をはじめ大スターたちの私生活を覗き見る「スターの豪邸拝見」的なグラビア記事をこぞって特集しており、シヅ子とエイ子の幸福な私生活の様子(自宅ガーデンで著名人を集めて開催されたエイ子の誕生パーティの様子など)も開けっ広げに雑誌に紹介されていました。
こうしたシヅ子のサービス精神が裏目に出てしまいます。
1954年(昭和29年)、「結社に金がいるから天神橋下に六万円を置け。さもなければ一人娘を殺すぞ」という匿名の脅迫状がシヅ子のもとに届きます。
シヅ子はすぐに警察に通報したものの、その後も計9回に渡り電話などで脅迫を受けたそうです。自宅でシヅ子が警察官と並び、テープレコーダーで犯人からの脅迫電話の音声を聞く実際の写真なども残されており、当時の緊迫した様子が伺えます。
結局、現金の受け渡し現場に犯人の男がノコノコと現れたところを張り込んでいた4人の刑事が現行犯逮捕し、事件は無事解決しています(エイ子は誘拐されず、危害なし)。
男は30歳の無職で、結婚が決まっていたものの失業して金に困っていたのだとか。この男は翌年にも同様の手口でシヅ子を脅迫するという事件を起こしており、一連の犯行にシヅ子は大きなショックを受けたそうです。
この史実をもとに描かれるであろう、「ブギウギ」の福来親子への脅迫事件。やがて犯人の素性が判明すると、実にスズ子らしいやり方でワケアリの犯人に手を差し伸べることになります。内藤剛志が演じる高橋刑事もベテランの人情派という設定であり、スズ子の心意気に共鳴した行動を見せるものと予想します。
▼雑誌で伝えられたエイ子の誕生日パーティーには、シヅ子の芝居の師匠である喜劇王・エノケンも参加していました。