NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」に登場する架空の大手百貨店「大急百貨店」には、モデルになっていると思われる百貨店が存在します。
この記事では、キアリスと大急百貨店のモデル企業である、ファミリアと阪急百貨店との関わりを中心にしてまとめてみます。
実在の阪急百貨店がモデル
「べっぴんさん」に登場している大急百貨店は、キアリスのモデル企業・ファミリアが関わった「阪急百貨店」がモデルになっています。
ファミリア設立から間もない頃のこと。阪急百貨店社長の清水雅と夫人は、神戸を散歩中にファミリアの店の前を通りかかり、商品の美しい縫製やデザインに感銘を受けます。これを受けて、阪急百貨店はファミリアに取引を申し込んでいます。
ドラマと同様に、阪急側の担当者はファミリアの名前ではなく「阪急特選」のマークを商品に付けて販売することを前提に、破格の条件をファミリアに提示しています。
しかし坂野惇子(すみれのモデル人物)は、ファミリアの名前で売らせてもらえないことに難色を示し、結局、折衷案として「阪急ファミリアグループ」の名前を冠することが決定。自分たちの手でしっかり管理して売りたいという惇子らの希望もあり(阪急側のスタッフの商品の扱いがおざなりだった)、「委託契約」という形で阪急内にファミリアの直営店をオープンさせています(昭和26年)。
ショーケース返上宣言
阪急内にオープンしたファミリアは品質や接客のレベルの高さもあり、高い人気を誇るようになります。
しかし、阪急側との細かいトラブルもあり、ファミリアはショーケース2台のうち1台を返すと啖呵を切ってしまいます。(当時の阪急百貨店のショーケースは、問屋が奪い合うようなプレミアものの価値があった)
このいざこざを知った阪急百貨店社長・清水雅は、惇子を直接呼び出します。惇子は当然怒られるものだと思い、恐る恐る清水のもとへと向かったそうです(この時、清水と惇子は初対面)、
ファミリアの大恩人・清水雅社長
清水から惇子に伝えられた言葉は意外なものでした。
清水は怒るどころか、惇子の商売のやり方を誉め称え、ショーケースを減らすなど言わず、5台に増やして売れる工夫を考えて欲しいと言ってきたのです。この清水の激励の言葉を受けてファミリア一同は俄然やる気を出し、新たな商品開発などにより一層励んで行くことになります。
また、清水は昭和31年に東京に数寄屋橋阪急を出店することになると、ファミリアに出店要請をしてファミリアの東京進出をアシストするなど、長年に渡りファミリアの成長を支える大恩人になっていきます。
以上の史実を踏まえると、ドラマ「べっぴんさん」でも伊武雅刀演じる大急百貨店社長・大島保が、キアリスにとって重要な存在になっていくものと思われます。
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