NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で、靴職人・麻田茂男(市村正親)の靴店「あさや」がある、神戸の「港町商店街」。
商店街はスタジオセットが作成され、戦前の華やかな町並み、戦後の急速な復興の様子など、神戸の賑わいの移り変わりを再現したものとなりそうです。
この記事では「港町商店街」について、それに「あさや」のモデル店「モトヤ靴店」があった商店街「三宮センター街(ファミリア発祥の地)」についてまとめます。
海と山の間「港町商店街」
NHKによれば、「港町商店街」は神戸の街に南北に伸びている商店街とのこと。
神戸といえば海から山まで(南北)の距離が短く、表情の変化が大きな町として知られます。ドラマに登場する「港町商店街」も、海側は八百屋などの生活感ある市場的な雰囲気にあふれ、時代とともにお屋敷街がある山側へと商店街が伸びていくとのこと。物語の進行とともに、商店街も違った表情を見せていくようです。
ヒロイン・すみれ(少女時代・渡邉このみ)は、山の手のお屋敷で育った令嬢。すみれにとって猥雑な商店街(街場=まちば)は未知の世界であり、野上潔(少年時代・大八木凱斗)とともに坂を下って訪ねる「あさや」で見る光景は、刺激に満ちたものとなりそうです。
また、「あさや」は将来的にすみれの事業の創業地となるはずですので、今後も「港町商店街」で数多くのシーンが見られそうです。
「モトヤ靴店」は三宮センター街にあった
▼三宮〜元町間に広がる三宮センター街。神戸の開港に伴い、閑散とした地に外国人居留地が作られた元町は、文字通り「神戸発展の元」となった地。
「あさや」の実在したモデル店である「モトヤ靴店」は、神戸の「三宮センター街」にありました。三宮センター街はターミナル駅・三宮駅の近くにあり、戦後の焼け野原の中で元町・三宮間で立ち上がった店舗群が発祥とされます。
同商店街は現在でも、神戸ブランドの洋菓子店、洋品店、手芸用品、高級文具店、大型書店、宝石店などが林立する、実に神戸らしい賑わいのある垢抜けた商店街といえます。
ファミリア発祥の地
すみれのモデル人物・坂野惇子はこの三宮センター街の一角にあった「モトヤ靴店」の店舗一角を借り、昭和23年(1948年)に仲間たちと「ベビーショップ・モトヤ」を開店させています。
その後、「モトヤ靴店」から独立した惇子らは昭和25年(1950年)に同靴店の隣接地(レナウン・サービス・ステーション跡地=神戸市生田区三宮町2丁目328番地)にて「ファミリア」を創業。現在まで続くアパレル企業「ファミリア」は、三宮センター街の一角で産声をあげたのです。
三宮センター街で生まれた「ファミリア」はその後、歴史ある商店街・元町一番街に移り、現在同店舗は「ファミリア・神戸元町本店」(神戸市中央区元町通1-6-10)として営業しています。
なお、ドラマではすみれは「山の上のお嬢様」として描かれていますが、坂野惇子は海に近い神戸市魚崎(高級住宅地)の生まれであり、山の手育ちというわけではなかったようです。
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