NHK連続テレビ小説「ブギウギ」に登場する羽鳥善一の息子・カツオ(子役:髙田幸季)についてまとめます。
羽鳥カツオは、作曲家として知られた服部克久(2020年死去)がモデル。服部克久の息子で作曲家の服部隆之は「ブギウギ」の音楽を担当しています。
善一の息子・カツオ 「裏打ち」を見せるなど早くも音楽の才能が…?
羽鳥善一(草彅剛)の息子・羽鳥カツオ(髙田幸季)が初登場したのは第29回(11月9日放送)のこと。
善一に稽古をつけてもらおうと夜の羽鳥家にノーアポで突撃したスズ子(趣里)は、善一の妻の麻里(市川実和子)、長男のカツオから歓迎され、夕食を共にすることになります。これ以降、スズ子は羽鳥家と家族ぐるみの付き合いをしていきます。
初登場時(昭和13年)のカツオは4〜5歳前後でしょうか。
カツオは善一と一緒に銭湯からの帰り道に童謡「靴が鳴る」(♪お手てつないで野道を行けば〜)を歌いながら帰宅すると、羽鳥家のピアノ室でスズ子が稽古をつけてもらう際にも同席しています。
スズ子が善一への怒りを込めて「♪バドジズデジドダ〜(ラッパと娘)」と歌い始めると、椅子に座って聞いていたカツオも思わず身体を揺すり、音楽に合わせて手拍子を開始。
カツオが見せた手拍子のリズムはジャズにも不可欠な「裏打ち」でしたので、カツオは幼くして父が目指すジャズのリズム感を体得しているようです。
今後、善一とスズ子は長年にわたる「師弟関係」になっていきますので、才能豊かなカツオの成長も描いてくれるはずです。カツオは「スイングの女王」「ブギの女王」福来スズ子の覚醒の瞬間にも立ち会っているわけですから、感受性豊かな大人に成長してくれそうです。
▷幼少期のカツオ役を演じたのは、劇団ひまわりに所属する子役の髙田幸季。劇団ひまわりのホームページによれば、第6週から第12週まで出演するとのこと。
髙田幸季は、朝ドラ「まんぷく」ヒロインの甥っ子・香田学役、「おちょやん」ラジオドラマ出演者・乙子の息子の一郎役、「カムカムエヴリバディ」のラッパの少年役、「舞いあがれ!」の笠巻に作業を教えてもらう少年・正行役など、NHK大阪製作の朝ドラに複数出演しています。
モデルは作曲家の服部克久 息子の服部隆之は「ブギウギ」音楽担当
羽鳥カツオのモデルは、服部良一の長男で作曲家、編曲家として活躍した服部克久(はっとり・かつひさ)と考えられます。無邪気な「カツオ君」がモデルの服部克久のように偉大な「二世作曲家」になっていく展開が期待されます。
1936年(昭和11年)、作曲家の服部良一(「ブギウギ」羽鳥善一モデル)の長男として東京で生まれた服部克久。偉大な作曲家になっていく父・良一の影響もあり幼少期から音楽の英才教育を受け、国立学園小学校、成蹊中学校・高等学校を経てパリ国立高等音楽院に留学しています。
帰国後には高度経済成長期のテレビ業界において数多くの音楽を担当。「ミュージックフェア」のテーマ曲の編曲や、「日曜特集・新世界紀行」のテーマ曲「自由の大地」、「わくわく動物ランド」のテーマ曲「5月の草原は愛に包まれて」の作曲などテレビ史に残る名曲の数々を生み出しています。
1971年には重唱団グループであるダーク・ダックスの名曲「花のメルヘン」で第13回日本レコード大賞編曲賞を受賞。また、1983年からスタートさせたインストゥルメンタル集「音楽畑」シリーズは日本レコード大賞企画賞を2度受賞。
映画、テレビ、アニメ、歌謡曲、校歌、CM曲をはじめ幅広い分野に楽曲を提供し続け、作曲家、編曲家として名を残しています。2020年に83歳で亡くなっていますが、生前はたびたびテレビに登場しており有名な方でしたよね。
また、服部克久の息子・服部隆之も作曲家、編曲家として活躍しており、朝ドラ「ブギウギ」では音楽を担当しています。祖父・服部良一の若き日をモチーフにしているドラマだけに、思い入れも強いことでしょう。