大正時代の平均初婚年齢・適齢期は?「花子とアン」若者の未婚っぷりに疑問?

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NHK連続テレビ小説「花子とアン」を見ていてチラホラと声があがるのが、「なんで若者がみんな結婚していないの?」という疑問です。

この記事では、ドラマ前半の時代設定である大正時代の平均初婚年齢などから、「花子とアン」登場人物たちの「晩婚ぶり」を考えてみたいと思います。

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目次

大正8年当時の登場人物年齢

第15週放送(7月7日~)の時点(=時代設定は大正8年)での、主要登場人物である若者たちの年齢は以下のとおり。皆さん、平成の世でもそこそこに「結婚適齢期」です。※結婚が当たり前ではなくなった最近では、この「適齢期」という言葉に違和感を覚える方も多いかと思います。

・安東はな(吉高由里子) 26歳
・醍醐亜矢子(高梨臨) 26歳
・安東かよ(黒木華) 24歳
・嘉納蓮子(仲間由紀恵) 34歳
・村岡英治(鈴木亮平) 32歳
・村岡郁弥(町田啓太) 20代後半?
・木場朝市(窪田正孝) 26歳
・安東吉太郎(賀来賢人) 27歳
・宮本龍一(中島歩) 27歳

※年齢はドラマ劇中の状況と、原案「アンのゆりかご」(新潮文庫)を参考に推定。

このうち村岡英治は前妻と28歳前後で結婚→32歳で離婚を、嘉納蓮子は15歳前後で初婚→20歳で離婚→25歳で嘉納伝助と再婚をしていますが、その他の若手登場人物はいずれもこの当時は未婚だと考えられます。

大正時代の男女・平均初婚年齢 「赤とんぼ」は特例?

三木露風が故郷・兵庫龍野を懐かしんで作った童謡「赤とんぼ」(大正10年作)では、「♪15でねえやは嫁に行き〜」と歌われました。

この歌は三木露風の少年時代、つまり明治中期の想い出から作られたようですが、この「赤とんぼ」のイメージも手伝って、一般的に大正時代は現在よりも大幅に初婚年齢が低かったような印象があると思います。

しかし、大正9年に行なわれた第1回国勢調査から算出された当時の平均初婚年齢は、男性が25.0歳、女性が21.2歳だったそうで、現代の私たちから見ても驚くほどの低年齢ではありません。

当時でも生活の苦しかった東北地方、例えば青森などでも15歳で「嫁に行く」女性は全体の5%程度だったそうで、「花子とアン」の舞台となっている「大正8年の東京」、それも先進的な出版業界界隈という事情を考えれば、20代中盤で未婚の女性が居てもそれ程不思議ではなかったのかも知れません。

安東はな、醍醐さんは「行き遅れ」?「適齢期」?

ただし、原案「アンのゆりかご」でも「22歳を過ぎた独身の女性は、世間では”行き遅れ”呼ばわりされる」(山梨で26歳まで独身で過ごした花子に対して)との言及があるように、やはり全員が未婚というのはストーリー上、少々違和感があるかもしれません。

特に、お嬢様育ちで引く手あまたに思える醍醐さんや、女性に優しく学校教諭というしっかりした職に就いている朝市などが独身のままなのは、少し違和感があるようにも思われます。

平成現在の平均初婚年齢は

ちなみに、平成21年の日本全国の平均初婚年齢(厚生労働省による)は、男性が30.4歳、女性が28.6歳。特に都市部での高齢化が顕著で、同年の東京都の平均初婚年齢は、男性が31.6歳、女性が29.7歳となっています。

平成の価値観でいえば、「花子とアン」の登場人物たちは青春真っ只中、仕事に恋に大忙しの充実したお年頃といったところでしょうか。

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