「おかえりモネ」貞山政宗公遺訓(伊達政宗五常訓) 内容と意味は?

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NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でヒロイン・百音が登米で下宿することになる新田サヤカの家の壁には、「貞山政宗公遺訓(ていざんまさむねこう・いくん)」と題された教えが掲げられています。

この「貞山政宗公遺訓」の意味、内容をまとめます。

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目次

貞山政宗公遺訓 「五常」やりすぎることなかれ

貞山(ていざん)政宗公とは、ドラマの地元・宮城県の英雄である伊達氏第17代当主、仙台藩初代藩主の伊達政宗のこと。

貞山は伊達政宗の法名(仏弟子としての名)であり、仙台藩の人々は初代藩主の政宗の本名を直接呼ぶことを畏れ多く思い、「貞山公(ていざんこう)」と呼ぶことが多かったそうです。

百音(清原果耶)の下宿先である新田サヤカ(夏木マリ)の家の壁に掲げられている教えは以下の通り。五常(儒教において重んじられる五つの徳)である「仁義禮智信」いずれも美徳なれど、何ごともやり過ぎは害になるぞ、という有り難いお言葉です。

貞山政宗公遺訓

仁に過ぐれば弱くなる
義に過ぐれば固くなる
禮(礼)に過ぐればへつらいとなる
智に過ぐればうそをつく
信に過ぐれば損をする

現代語の意味:
人に思いやりや情けをかけすぎると、自分が(相手も)弱くなる。
正しさや道理を貫きすぎると、考え方が固くなる。
他人を敬い尊重しすぎると、媚びへつらいとなる。
賢すぎると、嘘つきになる。
相手を信じすぎると、騙されて損をする。

本当に伊達政宗の言葉かは怪しい…

この「貞山政宗公遺訓」は、一般的には「伊達政宗五常訓」などと呼ばれているもの。

ただしその根拠となる史料はなく、本当に伊達政宗公が遺した言葉なのか定かではありません。※伊達政宗の遺訓としては明治27年の書物「仙台黄門政宗卿遺訓」が初出。

水戸藩第2代藩主・水戸光圀や江戸時代後期の経世論家・林子平の遺訓ともされ、伊達政宗があまりに英雄視、崇拝されているがゆえに幕末から明治にかけて話に尾ひれがつき、「伊達政宗五常訓」に化けた可能性があります。

「伊達政宗五常訓」続き

新田サヤカの家の壁に掲げられたお言葉は「仁義禮智信」の五常を語った部分で終わっていましたが、「伊達政宗五常訓」にはこれに続く教えがあります。こちらも面白いですね。

「伊達政宗五常訓」続き

氣長く心穏かにして、萬(よろず)に儉約を用て金銭を備ふべし。
儉約の仕方は不自由を忍ぶにあり。
此の世に客に來たと思へば何の苦もなし。
朝夕の食事うまからずともほめて食ふべし。
元來客の身なれば好嫌は申されまじ。
今日の行をおくり、子孫兄弟によく挨拶をして、娑婆の御暇申すがよし。

意味:
気を長く心穏やかにして、何ごとにも倹約してお金を蓄えるべきだ。
倹約とは、不自由を我慢することである。
自分をこの世にやって来た客だと思えば、何も苦しいことはない。
毎日の食事も美味しいと褒めて食べるべきだ。
元来、客として生きている身なのだから、好き嫌いを言ってはいけない。
今日死ぬものだと心得て、家族に日々感謝の言葉や挨拶を伝え、悔いの残らないように生活を楽しむのが良い。

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