【おちょやん】千代と天海一平は結婚、離婚をするの?モデル夫婦は浪花千栄子と渋谷天外

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NHK連続テレビ小説「おちょやん」のヒロイン・千代と天海一平が結婚・離婚をするのかどうか、についてまとめます。

あわせて、ヒロイン夫婦のモデルとなっている浪花千栄子と渋谷天外(二代目)夫婦の結婚、離婚についてもまとめます。

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目次

結婚する千代と一平

貧しい家に生まれ、女中奉公の末に女優を志すことになるヒロイン・竹井千代(杉咲花)。そして、人気喜劇一座の座長・天海天海の息子として生まれ、喜劇界のプリンスとして活躍していくことになる天海一平(成田凌)。

二人は幼少期に芝居茶屋・岡安で出会うと、やがて「鶴亀家庭劇」などで共演して仲を深め、やがて結婚をします。

千代と一平の関係は破綻か

今後気になるのが、二人のモデルである浪花千栄子、渋谷天外(二代目)が戦後に離婚をしているという事実。

NHKが発表している「おちょやん」の事前あらすじには以下のような文章があり、二人は決別する可能性が高いです。後述するように、史実のモデル夫婦は修羅場的展開を経て離婚に至っていますが、朝ドラでそこまで生々しい描写をするのかは疑問です。もう少しマイルドに描かれる可能性があります。

追記:第21週の週タイトルが「竹井千代と申します」であることが判明。千代が鶴亀新喜劇を去り、一平も新しい生活を始めることなどから、二人の離婚はほぼ確定的です。恐らく史実に沿い、劇団の女優・朝日奈灯子の妊娠が発覚し、一平が責任をとる流れになるのではないかと予想されます。

<NHK発表のあらすじより抜粋>

…千代は一平と二人三脚で理想の喜劇を目指して奮闘するが、戦争が始まり、道頓堀は空襲を受ける。戦後、劇団は「鶴亀新喜劇」として復活するが、結婚生活は破綻。彼女は芝居の世界から去ってしまう。しかし、ラジオドラマへの出演をきっかけに、女優として不死鳥のように復活する。(以下略)

関連記事:物語後半では、渋谷天外(二代目)の再婚相手・九重京子をモデルにした可能性がある女優・朝日奈灯子が登場します。
「おちょやん」鶴亀新喜劇の女優・朝日奈灯子(小西はる) モデルは九重京子(渋谷喜久栄夫人)か

▼参考までに南口家、渋谷家の家系図を載せておきます。

芝居茶屋・岡島での出会い 千栄子と天外

ヒロイン・千代のモデルである女優・浪花千栄子は、女優を志す時期に働いた大阪道頓堀の芝居茶屋・岡島で、居候(食客)をしていた喜劇役者・渋谷天外(二代目)と出会っています。

※(余談補足)ドラマではヒロインは9歳から芝居茶屋・岡安で女中奉公をしていますが、史実の浪花千栄子は8歳から道頓堀の仕出し屋・浪花料理で女中奉公をしています。浪花千栄子が芝居茶屋・岡島で働くのはだいぶあと、逃亡先の京都のカフェーで女優を勧められて女優の道に進んでからのことになります。

以下、浪花千栄子の発言を引用。

「そのころ私が居候していた岡島で、やっぱり居候をしていたのが渋谷天外さんです。…天外さんは十吾さんともめてぶらぶらしてましてね。私が二階を拭いているのに、向こうは三階の手すりにもたれたりして…。まあそんな縁で天外さんと結婚したのが昭和5年11月12日。…」(浪花千栄子芸談より一部抜粋)

フリーランスの女優として給金が不安定であり、芝居茶屋でお茶子の代わりをしていた千栄子。千栄子は茶屋の一階に、天外は食客として三階に住んでいたようで、この頃に二人は知り合ったようです。

当時、天外は曾我廼家十吾とともに松竹家庭劇に参加していましたが、劇団の女優がどんどんと居なくなってしまい、天外は女優の卵だった千栄子を家庭劇のヘルプとして招聘。韓国興行などに一緒に行っているうちに二人は親密な関係になったようです。

父・初代天外の死後長らく岡島に居候をしていた天外は、岡島の主人のツテで大阪・住吉に新居を構え、千栄子と同棲を開始。結婚へと至っています。

女優・九重京子との浮気 許さなかった千栄子

結婚後、千栄子は天外とともに松竹家庭劇、すいーと・ほーむ、松竹新喜劇と渡り歩き、夫婦で喜劇役者として成長していきます。

戦後の昭和23年に立ち上がった松竹新喜劇が軌道に乗り始め、浪花千栄子が喜劇女優として脚光を浴び始めた頃のこと。

無類の女好きだった天外は、結婚後も劇団関係の様々な女性と関係を持っていたようですが、それらを黙認していた千栄子が唯一許せなかったのが、後輩でもあった新喜劇女優・九重京子(後の天外夫人・喜久栄)を妊娠させてしまったことでした。

九重京子は千栄子が特に可愛がっていた女優であり、そのことがどうしても許せなかったようです。妊娠が発覚した九重京子は新喜劇を退団。九重京子が天外の長男を産むと、天外との夫婦関係が破綻してしまった千栄子も翌年に新喜劇を退団しています。※天外は千栄子を捨てる形で九重京子と再婚。京子との間に二人の男児(次男は3代目渋谷天外)が誕生しています。

人気女優・浪花千栄子を失った新喜劇は危機を迎えるかと思われましたが、すぐに酒井光子ら次世代の女優が台頭。天外もこの時期に代表作「桂春団治」の脚本を書き上げるなど、皮肉にも離婚を経て新しい成果を生み出しています。

▼第19週で、九重京子をモデルにしていると思われる新喜劇女優・朝日奈灯子が登場します。脚本が書けずに苦悩していた一平は灯子に甘えてしまい…。
「おちょやん」鶴亀新喜劇の女優・朝日奈灯子 モデルは九重京子(渋谷喜久栄夫人)か

元夫への積年の恨み 女優として大成した千栄子

千栄子は離婚後、京都の嵐山に料理旅館を作りますが、別れた夫に対する怨念は相当のものがあったようで、旅館の敷石の裏に「渋谷天外」の文字を彫って、毎日踏み歩いていたそうです。

「二十年のあなたとの辛酸の体験に物言わせて、人間渋谷天外を、平伏さすようなりっぱな仕事を残したいものと、念願いたしています」(浪花千栄子著「水のように」より抜粋)

千栄子は尽くし続けた元夫への怨念をバネにして、花菱アチャコとのラジオ番組「アチャコ青春手帳」「お父さんはお人好し」や多くの映画、テレビなどで大活躍。ナニワ、上方を代表する女優として、芸能史に名を残していくのです。

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