NHK連続テレビ小説「らんまん」高知編、東京編それぞれのロケ地となっている撮影場所、撮影に使用された建築物などをまとめます。
撮影は高知県内や関東地方の各地を中心に行われています。※この記事は随時追記・更新予定です。山野での植物採集シーンなど、どうしてもロケ地を特定できないシーンも多いかと思いますのでご容赦ください。
高知編 主な撮影場所、ロケ地
佐川の古い街並みのオープンセット=ワープステーション江戸(茨城県つくばみらい市)で撮影
万太郎の生まれ故郷である高知の山間の町・佐川町。
▷蔵や酒造りの商家などが並ぶ佐川の古い街並み(オープンセット)は、茨城県つくばみらい市にある野外型ロケ施設「ワープステーション江戸」を中心に撮影が行われているようです。「ワープステーション江戸」はNHKの関連会社「NHKエンタープライズ」が運営し、ドラマのロケ地としてたびたび登場する施設です。
明治初期の佐川の街並み=佐川町・上町地区の酒蔵の道(高知県高岡郡佐川町)で撮影
▼第2週の予告映像では、ちょうどこの場所を9歳になった万太郎が歩くシーンが登場しています。
牧野富太郎の故郷である高知県高岡郡佐川町の中心部・上町地区でも、佐川町の町並みのシーンが撮影されたようです。
▷高知新聞の記事によれば、2022年10月に上町地区の十字路(旧浜口家住宅、酒蔵の道付近)にアスファルトを隠すための大量の砂が敷き詰められ、明治初期の佐川の街並みを再現。地元の人たちがエキストラとして集まり、明治初期の佐川の町並みのシーンが撮影されたとのこと。
「峰屋」のセット=NHKスタジオ、ワープステーション江戸
万太郎の生家が営む酒蔵「峰屋」のセット。
▷ドラマの公式ガイドブックによれば、セットは茨城県内のロケ施設(ワープステーション江戸と思われます)とNHKのスタジオにつくられたとのこと。「峰屋」のセットデザインは実際に佐川町の街並みをロケハンした上で、牧野富太郎の生家の写真や、佐川に今も残る江戸時代からの酒蔵「司牡丹酒造」(創業415年)を参考にしているとのこと。
家の裏の神社=飯高神社、天神社(千葉県匝瑳市)で撮影
槙野家のすぐ裏の山にある、御神木がある神社。万太郎が「天狗」こと坂本龍馬(ディーン・フジオカ)と出会ったり、姉・綾(佐久間由衣)の恋の舞台になったりと、物語上重要な場所になりそう。
▷神社の鳥居と石段は飯高神社(千葉県匝瑳市)、本殿とスダジイの巨木は天神社(千葉県匝瑳市)でそれぞれ撮影されたようです。
※主人公モデルの牧野富太郎は、佐川町の生家の裏山にあった金峰(きんぷ)神社境内でバイカオウレンなどの植物を採取し、幼少期から植物への興味を広げています。金峰神社は富太郎のその後の人生を決定づけた重要な場所として知られます。
【第2週】学問所・名教館の校門と石段=佐川町・青源寺(高知県高岡郡佐川町)で撮影
高知県高岡郡佐川町の青源寺でも撮影が行われたとのこと。
万太郎が学問に目覚めることになる佐川町の学問所・名教館(めいこうかん)の校門と石段のシーンなどで青源寺が登場しています。
#連続テレビ小説 #らんまん
— NHK高知放送局 (@nhk_kochi_) November 2, 2022
佐川町での撮影から一週間
ロケ地としてご協力いただいた #青源寺 の紅葉も
色づきはじめました。
若き日の #牧野富太郎博士 も、
この階段を登った!?
一足早い、#聖地巡り はいかが?
まずあらわれるのは、裏門へと続く階段。
正門はその先!お間違いなく! pic.twitter.com/hBZNAJuT8u
【第2週】恩師・池田蘭光らと歩く「佐川ナウマンカルスト」(高知県高岡郡佐川町)
高知・佐川町の佐川ナウマンカルストでも屋外ロケが行われています。万太郎が恩師・池田蘭光(寺脇康文)らと自然に触れ合うシーンが描かれそうです。
▷佐川ナウマンカルストは、佐川町を地質学のメッカとして世界に広めたドイツの地質学者エドモンド・ナウマンにちなんで設けられた公園。雄大なカルストの風景が手軽に楽しめるスポットとして人気。
【第2週】恩師・池田蘭光らと歩く「仁淀川」
名教館の恩師・池田蘭光や学友の広瀬佑一郎(中村蒼)とともに、佐川の自然を眺める一泊の旅に出た万太郎。一行は仁淀川の河川敷で野宿し、語らいの時を持つことになります(第2週)。
▷佐川町の近くを流れている仁淀川で実際に撮影が行われたのではないかと予想します。仁淀川は美しい「仁淀ブルー」で知られる清流で、流域に架かる数々の「沈下橋」も名物の一つ。佐川町の隣町・越知町の仁淀川で撮影か?
▼後ろに見える橋の形状が越知町にある柳瀬橋に似ている気もしますが…。
昨年10月に行われた高知ロケの一コマ。#仁淀ブルー と言われる青が美しいです✨
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) February 7, 2023
写真は、主人公・万太郎の恩師である蘭光先生を演じる #寺脇康文 さんと
万太郎と友人・佑一郎の子ども時代を演じる #小林優仁 さんと #岩田琉生 さんの撮影の様子です📷#らんまん #4月3日スタート pic.twitter.com/dNht4TkOkG
植物採集地=越知町・横倉山(高知県高岡郡越知町)などで撮影
佐川町からさらに内陸に入った高岡郡越知町の横倉山(よこくらやま)でも屋外ロケが行われています。
主人公モデルの牧野富太郎は27歳の時に横倉山でコオロギランを発見し、ロシアの植物学の権威・マキシモヴィッチ博士に標本を送っています。その後も富太郎は帰郷した際に横倉山で植物採集を行うなど、主要な採集地のひとつとなっています。
▷「らんまん」では、第3週、第13週などに富太郎が横倉山で植物採集を行うシーンが登場予定。特に第13週では、妻となった寿恵子が横倉山で植物採集をする万太郎の姿に感銘を受けるという印象的なシーンが描かれます。
万太郎がヤマトグサ(?)を発見する洞窟=伊尾木洞(高知県安芸市)で撮影
万太郎が高知の洞窟で新種の野草を発見し、思わず「おまん、誰じゃ?」とつぶやくシーン。野草の形状から、モデルの牧野富太郎が27歳の時に発見した「ヤマトグサ」だと思われます。
▷ドラマの事前特集番組では、万太郎役の神木隆之介が「伊尾木公民館」(高知県安芸市)を拠点にして近くの洞窟で撮影を行うクランクイン初日の様子が登場。公民館のすぐ近くにある観光名所「伊尾木洞」で撮影が行われたようです。
【第4週】綾が走った木橋=里川・八幡橋(茨城県常陸太田市)で撮影
第17回で登場。タキから万太郎と夫婦になれと言われてショックを受けた綾が家を飛び出して走った木製の橋。
▷橋の形状や風景などから、茨城県常陸太田市の里川にかかる八幡橋での撮影だと推測されます。この里川には多くの木橋がかかっており、朝ドラ「ひよっこ」では白羽橋が、映画「フラガール」では新落合橋がロケ地となっています。
▼八幡橋から南西方向を見る。この道を綾が駆け下りて橋へと到達したようです。ドラマでは橋の先の道はアスファルトではなく土でしたが、撮影用に土を敷き詰めたのではないかと思います。
【第13週】仙石屋のヤマザクラ=穂積家住宅(茨城県高萩市)で撮影
第13週で登場。昔なじみの呉服商・仙石屋の庭にあるヤマザクラの風景。
▷茨城県高萩市にある県指定有形文化財「穂積家住宅」での撮影と思われます。詳細は以下の記事で。
【第13週】横倉山・大杉に囲まれた神社=杉原神社(高知県越知町)で撮影
第13週で登場。万太郎、竹雄、寿恵子が連れ立って横倉山に採集に向かった際に立ち寄った、巨木(大杉)に囲まれた神社と鳥居。万太郎はこの神社を寿恵子に見せたかったらしい。
▷高知県高岡郡越知町の杉原神社での撮影と思われます。
東京編 主な撮影場所、ロケ地
【第3週ほか】新橋停車場=ワープステーション江戸(茨城県つくばみらい市)で撮影
高知から上京した万太郎と竹雄(志尊淳)が降り立つ、新橋停車場。
▷建物の形状から、茨城県つくばみらい市の「ワープステーション江戸」内にある建物を使っての撮影と思われます。大河ドラマ「いだてん」で新橋停車場として登場した建物(ワープステーション江戸内のオープンセット)と形状やデザインがほぼ一致しています。このセットは新橋停車場のデザインをかなり忠実に再現しており、「いだてん」放送時も話題になりました。
※東京都港区東新橋の旧新橋停車場跡地にある「鉄道歴史展示室」は、当時の新橋停車場のデザインを再現した建築となっています。「らんまん」に登場した新橋停車場のセットと見比べながら見学するのも楽しいと思います。
東京大学の校舎=深谷商業高等学校記念館 二層楼(埼玉県深谷市)で撮影
万太郎が出入りを許されることになる東京大学の植物学教室。
▷校舎の外観は、埼玉県深谷市にある埼玉県立深谷商業高等学校の「深谷商業高等学校記念館・二層楼」(大正11年に建築)で撮影。朝ドラ「とと姉ちゃん」でもヒロイン・常子が通う深川高等女学校の校舎として登場。地元の英雄・渋沢栄一も開校に尽力した歴史ある学び舎の旧校舎。
【第3週ほか】博物館=茨城県立歴史館・旧水海道小学校本館(茨城県水戸市)で撮影
万太郎が憧れの植物学者である野田基善(田辺誠一)と里中芳生(いとうせいこう)に会うために訪ねた「博物館」。
▷瀟洒な外観の建物は、茨城県水戸市にある県立歴史館の敷地内に移築されている「旧水海道小学校本館」(1881年=明治14年に建築)で撮影。
【第3週】西洋風庭園と橋がある公園=七ツ洞公園(茨城県水戸市)で撮影
4月20日(木)の第14回に登場。「心の友」の野田と里中に初対面し、心酔している万太郎に対し竹雄が怒りをぶつけた公園と西洋風の橋。
▷茨城県水戸市にある七ツ洞公園で撮影。本格的な英国式庭園を有し、西洋風の異国情緒ある公園として知られる。
【第3週】上野・内国勧業博覧会の会場=シャトー牛久(茨城県牛久市)で撮影
「峰屋」が参加する東京・上野の内国勧業博覧会の会場となるモダンな洋館。この会場の庭で泥酔していた万太郎は、寿恵子(浜辺美波)と運命の出会いを果たすことに。
▷茨城県牛久市にあるワイン醸造場「牛久シャトー」で撮影。日本初の本格的ワイン醸造場であり、近代化産業遺産・国指定重要文化財、日本遺産に認定されている歴史ある建物。
【第9週】高藤家=臨江閣(群馬県前橋市)で撮影
第43回で登場。万太郎が田邊に連れられて参加した西洋演奏会の会場・高藤家の外観。
▷群馬県前橋市にある臨江閣(りんこうかく)で撮影。1884年(明治17年)9月竣工の国指定重要文化財。
【最終週】「槙野万太郎 博士号授与記念特別公演」会場=小石川植物園本館(東京都文京区)で撮影
最終週で登場。波多野の推薦により理学博士となった万太郎が、お世話になった人たちの前で行った「博士号授与記念特別公演」の会場。
▷東京都文京区白山にある「小石川植物園本館」の前で撮影。小石川植物園の正式名称は東京大学大学院理学系研究科附属植物園で、牧野富太郎も深く関わった地。「らんまん」でも描かれた精子発見のイチョウもこの園内にある。