朝ドラ「スカーレット」長男・川原武志のたどる運命とは モデル人物は神山賢一さんか

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NHK連続テレビ小説「スカーレット」第13週から登場する喜美子と八郎の長男・武志についてまとめます。

武志はある実在の人物がモデルになっている可能性があるので、その人物についてもまとめます。

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目次

喜美子と八郎の長男・武志

第13週放送(12月23日〜)に入ると前週から時代が5年ほど飛び、昭和40年(1965年)になっています。喜美子は27歳になっており、結婚相手である八郎と一緒に自宅脇に「かわはら工房」を設立。夫婦で製陶業に邁進する充実した日々を過ごしています。

喜美子と八郎の間には4歳になる長男・武志がおり、作業の傍ら二人は子育ても行っています。今後、夫婦の危機など波乱の人生を歩むことになる喜美子にとって、武志はかけがいのない大切な存在となっていく見込みです。

やがて「別離」が…?

NHKが事前に発表しているドラマの内容予告では、武志について以下のような言及がなされています。

やがて愛する男性と結婚し、二児を授かった喜美子。仕事も家庭も、と、まい進の日々が続く。だが、結婚生活は思惑どおりにはいかない。最愛の息子は陶芸の跡継ぎとなるも、やがて別離が。

この文章をそのまま受け取れば、大人になった武志は喜美子と同じ陶芸の道に進むものの、ある理由によって「別離」をしてしまうことになります。

この「別離」が何を意味するのか。武志のモデル人物と考えられる神山賢一さんの人生をたどると、おおよそのストーリーが見えてきます。以下、ネタバレとなる可能性がありますのでご注意ください。

なお、大人になった武志はNHKドラマ「アシガール」などへの出演で知られる俳優・伊藤健太郎が演じます。

▼「アシガール」では時空を超えた爽やかカップルを演じた伊藤健太郎と黒島結菜。「スカーレット」では因縁の間柄を演じてしまうことになりそう…。

神山賢一さんの人生

ヒロイン・喜美子のモデル人物である陶芸家・神山清子さんは、会社で出会った才能ある陶工と結婚し、長女・久美子さん、長男・賢一さんという二人の子供を授かっています。

ともに陶芸家としての夢を描いた神山夫妻でしたが、夫が弟子の女性(ドラマでは黒島結菜演じる弟子の女性「松永三津」として登場か)と恋仲になってしまい駆け落ち。清子さんはこの件でずいぶんと悩み自殺を考えるほど思いつめたそうですが、当時中学生だった賢一さんの力強い言葉の後押しもあり、離婚を決意しています。

シングルマザーとなった清子さんは貧しいながらも一層陶芸の仕事に邁進し、古来の製法「信楽自然釉」を完成させるなど陶芸家として名を馳せていきます。

母と同じ陶芸の道に

スポーツやオートバイが大好きだったという賢一さんも、母の仕事ぶりを間近で見るうちに、必然的に陶芸家の道を志すことになります。賢一さんは県立信楽工業高校(現・信楽高校)窯業科に進み、卒業後は滋賀県立信楽窯業試験場でロクロ・釉薬・石膏型の勉強に打ち込むなど、陶芸家への道を着実に歩んでいきます。

窯業試験場での3年間の日々を終えた賢一さんは清子さんのもとに戻ってくると、いよいよ自らも陶芸家として研究と研鑽の日々を過ごすことになります。天目釉に魅せられた賢一さんは、天目茶碗の製作にのめり込んでいったそうです。

偉大な母を持ち将来を期待されていた賢一さんですが、29歳の誕生日に、突然作陶中に身をよじって倒れてしまいます。ただならぬ様子を案じて病院で検査をしてもらった結果、賢一さんは慢性骨髄性白血病であることが判明。この時点で余命が二年半ほどであると宣告されてしまいます。

白血病との戦い 骨髄バンク普及活動の先頭にも立つ

ここから始まる壮絶な闘病、看病の日々は「母さん子守歌うたって–寸越窯・いのちの記録」という清子さんの人生を綴った本に詳しく書かれています。

大切な賢一さんを何とか助けたいと願った清子さんは、骨髄提供をしてくれるドナー探しに奔走。当時の日本ではまだまだ「骨髄バンク」のシステムは確立しておらず、清子さんは賢一さんだけでなく広く白血病患者の命を救うべく、仲間たちを巻き込んで骨髄バンクの早期実現運動を展開しています。

賢一さん自身も「骨髄バンクと患者を結ぶ会」の会長となり、骨髄バンク運動の先頭に立って患者の仲間たちを励ましながら、入退院を繰り返つつロクロをまわすという、陶芸家の熱い生き様を見せています。

賢一さんはHLAが完全には適合していない清子さんの妹・静子さんから骨髄移植を受けるなど、奇跡を信じて病と戦い続けました。一時は白血球の数値も改善し、1991年には「骨髄移植推進財団」の設立が実現するなど希望の光も見えていましたが、やがて白血病が再発。31歳の誕生日から二ヶ月後に、賢一さんはついに息を引き取っています。

「スカーレット」は神山清子さんの人生をモチーフに物語が創作されており、武志との「別離」とは、史実を参考にすれば武志の「闘病の末の死」を意味するのではないかと予想します。

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