NHK大河ドラマ「青天を衝け」に登場する大阪の女中・大内くにについてまとめます。
大内くには、渋沢栄一の妾となった実在の女性であり、栄一との間に子供をもうけています。劇中では栄一の正妻である千代と大内くにが同居するという、大河ドラマでは少々描きにくい渋沢家の生活ぶりも登場するようです。
大内くにを演じるのは朝ドラ「おちょやん」に出演したことで知られる俳優・仁村紗和。どこかエキゾチックな顔立ちが印象的です。
大阪出張で出会う女中・くに
「青天を衝け」第30話では、渋沢栄一/篤太夫(吉沢悠)がある女性と「あやまち」をおかしてしまう様子が描かれています。
新しく流通させる硬貨の品質を確認するため、大阪の造幣局に出張していた栄一。そこで上方を本拠地としている三井組の番頭・三野村利左衛門(イッセー尾形)から盛大な宴に誘われると、栄一は思わぬ出来事に遭遇することになります。
宴で満腹となり、酔い醒ましも兼ねて廊下へと出た栄一。そこで栄一は料亭で働く女中・大内くに(仁村紗和)と出会い頭にぶつかってしまい、思わず見つめ合ってしまいます。
くには、夫が戊辰の戦に出たきり帰って来ず、伏見にあった家もすべて焼かれてしまったという苦労人。くにの美貌が栄一の好みだったこともあったのか、栄一は酔った勢いもあり(?)、くにを自室に連れ込んでしまい…。
栄一の子を妊娠するくに
一晩の「あやまち」で終わるかと思った栄一とくにの関係ですが、第31話では思わぬ展開を見せていきます。
くにが栄一の子を宿したことが発覚すると、栄一は妻の千代(橋本愛)に正直に事実を告白。身寄りのないくにを心配する栄一の様子を見た千代は、「ならば、おくに様も子供もここで一緒に暮らせばよいではありませんか。お前さまの子です、一緒に育てましょう」と気丈に語ります。
(史実)渋沢栄一の妾・大内くに
少々唐突にも思える展開でしたが、この「大内くに」というのは実在の女性です。大内くには渋沢栄一の妾(めかけ)となった人物で、正妻だった千代と渋沢家で生活を共にした時期もあったとか。
くにの人物像は、ほぼドラマで描かれた通り。京都生まれで、大工だった夫が鳥羽伏見の戦いで行方不明となったため、女中として働いていました。栄一は大阪造幣局に出張中、三井組の三野村利左衛門が設けた宴席でくにと出会って関係を持ち、後に栄一の妾となっています。
くにと栄一との間には文子、照子という二人の女児が生まれ、ともに親戚筋の大川平三郎と尾高次郎へと嫁いでいます。
渋沢栄一は女性関係が随分だらしなく、千代以外の複数の女性と婚外の関係にあったとされます。妾、婚外子(庶子)も複数おり、現代では考えられない家族関係を築いていたようですね。
▼渋沢栄一の子孫に関しては以下の記事にまとめています。
・「青天を衝け」渋沢栄一、渋沢家一族の家系図・相関図、兄弟・従兄弟関係、子孫まとめ
「おちょやん」に出演 女優・仁村紗和
女中・大内くに役を演じているのは、大阪府出身の女優、モデル・仁村紗和(にむら・さわ)です。
少しエキゾチックな顔立ちとスタイルの良さがパッと人の目を引き、デビュー前に20社以上の芸能事務所からスカウトされたという伝説を持つ逸材です。
高校卒業後の2014年に芸能界入りすると、BEAMSや資生堂×ユニクロなどの広告モデル(スチール)や、リクルート、ブルボン、日本コカ・コーラ、東急電鉄、ecute、KARTEなど大手企業、ブランドのテレビ・WEB CMに多数出演。
また、「SEDA」「装苑」「リンネル」「SPRiNG」「GINZA」「CREA」「ミセス」といった有名雑誌にもたびたび登場し、モデルとして広く活躍を見せています。
女優としても、テレビドラマ「明日もきっと君に恋をする」(2016年・フジテレビ・主演)、「声ガール!」(2018年・朝日放送)、「それぞれの断崖」(2019年・東海テレビ)、「NHKスペシャル・東京ブラックホールⅡ 破壊と創造の1964年」(2019年・NHK)、「ヤヌスの鏡」(2019年・フジテレビ)、「パパがも一度恋をした」(2020年・東海テレビ)などに出演。
また、NHK連続テレビ小説「おちょやん」(2020年)ではヒロインの先輩お茶子・節子役でレギュラー出演。大阪・道頓堀の芝居茶屋でヒロインとともに青春時代を過ごす女性役を演じ、お茶の間に広く知られる存在となっています。
【追記】2022年には、NHKドラマ(夜ドラ)「あなたのブツが、ここに」で主演に抜擢。シングルマザーのキャバ嬢がコロナ騒動により夜の職を失い、宅配ドライバーの世界に飛び込んでいく姿を見事に演じています。同ドラマは兵庫・尼崎などが舞台となっていますが、大阪出身の仁村紗和が尼崎の街の空気感を見事にまとった演技を見せています。
竹内まりやの名曲「Prastic Love」新MV
2019年には、シティポップへの再評価により世界的な人気となっている竹内まりやの名曲「Prastic Love」の新しいバージョンのMVに主演して大きな注目を集めたほか、JUJUの新曲「ミライ」のMVにも出演。
2017年には野田洋次郎率いるillion による映画「東京喰種 トーキョーグール」主題歌「BANKA」のMV、2018年にはナオト・インティライミ「ハイビスカス」のMVなどにも出演しており、映像美を追求するミュージシャン、映像クリエイターの世界観を見事に表現しています。