NHK大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢栄一の妹・ていと結婚する男性・須永才三郎 / 渋沢市郎が何者なのかについてまとめます。この市郎が渋沢家(中の家)の婿に入り家を受け継いだことで、長男が外へと飛び出してしまった中の家の後継者問題が解決します。
須永才三郎を演じているのは、俳優の石川竜太郎です。
ていが結婚 須永才三郎が「中の家」の婿に入る
「青天を衝け」第31話では、市郎右衛門(小林薫)亡き後の「中の家」(なかんち=渋沢栄一の生家)を末妹のてい(藤野涼子)が受け継ぐ様子が描かれています。
市郎右衛門の初七日が終わると、ていとの結婚が決まったという須永才三郎なる男が「中の家」に挨拶にやってきます。
才三郎は、「渋沢市郎」を名乗った上で「中の家」に婿入りするという条件を生前の市郎右衛門から打診されており、これを承諾した上で、ていとの結婚を決意しています。
渋沢栄一の従弟・須永才三郎
「青天を衝け」劇中では詳しく語られていませんが、この須永才三郎という人物は渋沢栄一の従弟にあたる人物です。
才三郎は、市郎右衛門の妹・きい(ドラマには登場せず)の次男。きいは、上野国新田郡成塚村の須永惣次郎に嫁ぐと、長男・須永伝蔵 、次男・須永才三郎という男子を生んでいます。※長男の須永伝蔵は、「青天を衝け」でも栄一と行動をともにする村の若者・須永伝蔵(萩原護)として登場していますね。
・「青天を衝け」作男・伝蔵(萩原護) 渋沢栄一の従弟・須永伝蔵(虎之助)がモデルか
若くして郷里の血洗島を飛び出していた渋沢栄一は、父・市郎右衛門が大病を患うと「中の家」の後継となる養子を迎えることを強く主張しましたが、「此家は御身の承くべきものなれば、余の亡き跡の事どもは只御身の処分に任せんのみ」として、市郎右衛門はなかなか首を縦に振らなかったそうです。
そこで栄一は、かねてから心に思い定めていたという従弟・須永才三郎を妹・貞(てい)の夫として婿に迎えることを懇願。市郎右衛門の了承を得ると、市郎右衛門の死後にこれを正式に内外に表明しています。
地元の名士として活躍
「中の家」に婿入りした才三郎は「渋沢市郎」を名乗った上で、家を継承。先代の市郎右衛門が手掛けた藍の製造販売は廃業とし、農業を本業としたそうです。その後、市郎は八基村(旧血洗島村、下手計村などが合併)の村会議員や埼玉県会議員を務めると、満期後には深谷銀行を組織して取締役として経営に参加。地元の名士として活躍を見せています。
市郎と貞との間には長男・元治(電気工学者となり、名古屋帝国大総長に)、次男・治太郎(埼玉県会議員、八基村村長などを務めた)が生まれています。
俳優・石川竜太郎が演じる
「青天を衝け」で須永才三郎 / 渋沢市郎役を演じているのは、茨城県出身の31歳の俳優・石川竜太郎(いしかわ・りゅうたろう)です。フリップアップという事務所に所属しています。
日本体育大学体育学部社会体育学部を卒業し、中学校、高等学校教諭の一種免許状(保健体育)を持つという石川竜太郎。
これまでドラマ「実況される男」(2016年・フジテレビ系)、「カンナさーん!」(2017年・TBS系)、「刑事ゆがみ」(2017年・フジテレビ系)、「凪のお暇」(2019年・TBS系)などに出演した経験を持ちます。