NHK連続テレビ小説「虎に翼」(伊藤沙莉主演)の主なロケ地、撮影場所、撮影に使われた建築物、屋外セットなどをまとめます。撮影は関東地方各地や愛知県名古屋市などで行われています。
※この記事は、放送開始前に公表されている映像などからロケ地を特定しています。ドラマの進展とともにロケ地の詳細、新たに登場したロケ地の情報などを随時更新していく予定です。
猪爪家がある昭和の東京の町並み(屋外セット)=ワープステーション江戸(茨城県つくばみらい市)で撮影
ヒロイン寅子の実家・猪爪家がある昭和初期の東京の町並み、路地裏。また、寅子が書生の佐田優三(仲野太賀)に弁当を届けるために歩く洋風な東京の町並み。
茨城県つくばみらい市にある広大な商用撮影施設「ワープステーション江戸」の屋外セットで撮影。猪爪家がある昭和初期の路地裏の町並みは同施設内の「商家通り」ゾーン、「明治の下町」ゾーンなどで撮影。洋風な東京の町並みは「オフィス街」ゾーンでの撮影。
※こちらのリンクから「ワープステーション江戸」施設内の各ゾーンの写真が見られます。
「ワープステーション江戸」は大河ドラマ「いだてん」や朝ドラ「らんまん」など数々の人気作品のロケ地となった施設で、㈱NHKエンタープライズが管理運営を行っています。2020年3月末をもって施設公開(一般公開、見学)を終了しています。
寅子が新聞を読んでいた河原と堰(第1回)、家族三人で居た河原(第40回)=多摩川と二ヶ領宿河原堰(東京都狛江市)で撮影か
第1回(4月1日放送)の冒頭。昭和21年、寅子が「日本国憲法」に関する新聞記事を読んで涙を流していた河原。
第40回(5月24日放送)では、戦時中に登戸に移り住んだ寅子、優三、優未がこの場所で川遊びをする風景も描かれている。
東京都狛江市の多摩川河川敷、二ヶ領宿河原堰付近での撮影か。川の堰と鉄道が走る赤い陸橋が見えましたが、多摩川にある二ヶ領宿河原堰と小田急線の陸橋をCG処理して昭和風にしたものだと思われます。※「撮影協力」のクレジットに東京都狛江市と書かれていました。
寅子と優三が語り合う河原=多摩川(東京都狛江市)で撮影
第37回(5月21日放送)で登場。登戸火工に届け物をした寅子が、仕事を抜け出した優三と語り合った河原。仕事の失敗で落ち込んでいた寅子はこの場所で優三の優しさに触れ、恋に落ちる。
第40回(5月24日放送)では、出征することが決まった寅子と優三がこの場所でランチデート。夫婦としての思いをぶつけ合った。
第7週の撮影協力のクレジットに東京都狛江市とあることや河原の風景から、東京都狛江市の多摩川の河原での撮影と推測します。二人が鶏肉を食べていた河原の対岸に特徴的な石積の堤防が見えましたが、これが対岸の川崎市側の宿河原縄文時代低地遺跡付近の堤防の並び方、川幅と似ています。確定ではありませんが暫定的な情報として記載しておきます。
※宿河原縄文時代低地遺跡のすぐ横には前述した二ヶ領宿河原堰があり、この付近でも寅子が新聞を読むシーンなどのロケが行われています(第1回の冒頭、第40回などで登場)。
#トラつばオフショット
— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) May 20, 2024
河原で話す寅子と優三。
オフショットをいただきました!
とても天気のよいロケ日でした#朝ドラ #虎に翼#伊藤沙莉 #仲野太賀 pic.twitter.com/KtFhYbDxTa
赤いレンガ橋とニコライ堂の風景=長池見附橋(東京都八王子市)、ニコライ堂(東京都千代田区)で撮影(合成画像)
第1週でたびたび登場している、赤いレンガ橋と背後に見える教会(ニコライ堂)の風景。
寅子と花江がこのレンガ橋の上で語り合う場面なども描かれています。
橋のデザインから、東京都八王子市の長池公園に移設されている赤レンガ橋「長池見附橋」(大正2年に赤坂見附で竣工)での撮影と思われます。橋の背後に見えた「教会」は、東京都千代田区神田駿河台にある正教会の大聖堂「ニコライ堂」。
別々の場所の風景を用いCGで作られた風景。
帝都銀行の外観=博物館明治村・内閣文庫(愛知県犬山市)で撮影
第2回などで登場。父・直言と優三が働いている帝都銀行の外観。
愛知県犬山市にあるテーマパーク「博物館明治村」の内閣文庫で撮影。博物館明治村は明治時代の貴重な建築物を移築保存し公開しているテーマパーク。撮影に使われた内閣文庫は、1911年(明治44年)に明治政府が中央図書館として建てた内閣文庫庁舎の主屋部分。
寅子が通う女学校=博物館明治村・北里研究所本館・医学館(愛知県犬山市)で撮影
第3回で登場。寅子が通う高等女学校の校舎。忘れ物のお弁当を届けに来た兄・直道が二階から水をぶっかけられる姿を見た花江が直道に一目惚れをしてしまった回想シーン。
愛知県犬山市にあるテーマパーク「博物館明治村」の北里研究所本館・医学館で撮影。博物館明治村は明治時代の貴重な建築物を移築保存し公開しているテーマパーク。撮影に使われた北里研究所本館・医学館は、1915年(大正4年)に建築。朝ドラ「花子とアン」などでもロケ地になっている。
※寅子のモデルである三淵嘉子は女子教育の超名門である東京女子高等師範学校附属高等女学校(現在のお茶の水女子大学附属高等学校)の出身。
明律大学の校舎外観=ワープステーション江戸(茨城県つくばみらい市)で撮影
寅子が進学する東京・お茶の水の明律大学の校舎外観。
※明律大学は、ヒロインのモデルである三淵嘉子が通った明治大学がモデル。
茨城県つくばみらい市にある商用撮影施設「ワープステーション江戸」の屋外セット、「オフィス街」ゾーンにある洋風の建物(=朝ドラ「エール」で「コロンブスレコード」の社屋として使われた建物)での撮影。明律大学校舎の屋根に見られるドーム部分は実在せず、合成(CG)映像と思われます。
校舎内部のうち、教室、図書館、玄関などはスタジオセットとのこと。
▼「オフィス街」ゾーンにあるこの建物が、明律大学の校舎外観として用いられています。※ドラマ内ではCGにより階層が増え、ドーム部分も付け加えられています。
つくばなう!
— re-mito / レミト【公式】㋹ (@REMITO310) January 28, 2024
ワープステーション江戸
ライブが始まりました!#レミト pic.twitter.com/Vo2BQQliEC
明律大学の講堂、明律大学女子部の外観=宇都宮大学 峰ヶ丘講堂(栃木県宇都宮市)で撮影
明律大学女子部のメンバーが「明律祭」で法廷裁判劇を行う大学内の講堂。また、明律大学女子部のエントランス部分など。
※明律大学女子部は、ヒロインのモデルである三淵嘉子が通った明治大学専門部女子部法科がモデル。
栃木県宇都宮市にある国立宇都宮大学の峰ヶ丘講堂(旧宇都宮高等農林学校講堂)で撮影。
峰ヶ丘講堂は宇都宮大学の前身である宇都宮高等農林学校の講堂として1924年(大正13)年に竣工された歴史ある建物。現在も宇都宮大学のシンボルとして愛され、映画やドラマのロケ地としてたびたび登場しています。
夏ライブ2日目!準備は万端です!
— 宇都宮大学アカペラサークルU-MiC (@umic_utsunomiya) July 7, 2017
18:10より峰ヶ丘講堂にて演奏になります!ぜひお越しください!
(成功を祈って円陣) pic.twitter.com/ehdndyjIMQ
▼峰ヶ丘講堂の外観。このエントランス部に「明律大学女子部」の看板が掲げられ、校舎外観の撮影も行われています。
明律大学の廊下や階段など=名古屋市役所(愛知県名古屋市)で撮影
寅子や学友たちが歩く、明律大学内のレトロな廊下、階段など。
愛知県名古屋市中区三の丸3丁目の名古屋市役所内で撮影。
1933年(昭和8年)に建てられた歴史ある市庁舎で、内部の階段や玄関ホールには大理石が用いられています。本作品ではレトロな廊下、階段部分などが登場するようです。
※こちらのリンクから名古屋市役所の建物内部の写真が見られます。
東京地方裁判所の外観、ロビーの階段=名古屋市市政資料館(愛知県名古屋市)で撮影
第1週から登場。寅子が初めて裁判を傍聴することになる「東京地方裁判所」の建物外観、エントランス・ロビーの階段部分など。
愛知県名古屋市にある「名古屋市市政資料館」で撮影。
1922年(大正11年)に名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎」として建てられたネオ・バロック様式のレンガ造建築物で、1979年(昭和54年)まで裁判所として使用されていました。その後、国の重要文化財に指定され、現在は「名古屋市市政資料館」として市政資料を保存、閲覧、展示しています。
▼裁判所内のきらびやかな階段。寅子やよね、花岡らがこの階段付近で話し合うシーンもたびたび登場。
東京地方裁判所の法廷=NHK放送センター105スタジオ(東京都渋谷区)で撮影
寅子が初めて裁判を傍聴することになる東京地方裁判所の法廷。この法廷で今後も本格的な裁判ドラマが繰り広げられていく見込み。
東京都渋谷区神南のNHK放送センター・105スタジオ内のセットでの撮影のようです。
噴水がある公園(日比谷公園)=鶴舞公園の噴水塔(愛知県名古屋市)で撮影
第1話から登場。寅子が歩いた噴水がある洋風の公園。終戦後に戦災で激しく損傷した日比谷公園という設定か。第7話では学校を飛び出したよねを追って寅子がこの公園を歩き、東京地方裁判所にたどり着いている。
後に寅子と花岡悟(岩田剛典)が待ち合わせをするのも、この日比谷公園。花岡にほのかな恋心を抱いていく寅子にとって、この公園は青春時代の思い出の場所になっていく。
愛知県名古屋市昭和区鶴舞の「鶴舞公園」噴水塔での撮影。
甘味処「竹もと」外観=ワープステーション江戸(茨城県つくばみらい市)で撮影
寅子たちが足繁く通う甘味処「竹もと」。モデルになっている店は下記の記事をお読みください。
茨城県つくばみらい市にある商用撮影施設「ワープステーション江戸」で店舗外観を撮影。東京・神田須田町にある老舗甘味処「竹むら」が店舗デザインのモデルか。
店内のシーンはNHKスタジオのセットでの撮影のようです。
桜川家の邸宅外観=鳩山会館(東京都文京区)で撮影
桜川涼子が住む桜川邸の外観。
東京都文京区音羽にある鳩山会館で撮影。第52・53・54代の内閣総理大臣を務めた鳩山一郎の旧邸宅、通称「音羽御殿」。大物政治家たちが会合のために幾度となく集まり、戦後政治の主要な舞台となった。朝ドラ「花子とアン」でも葉山蓮子(仲間由紀恵)の生家・葉山邸のロケ地となっています。
高等試験の会場外観、大講堂=法務省旧本館(東京都千代田区)、港区立郷土歴史館の旧講堂(東京都港区)で撮影
第6週で登場。寅子が受験する弁護士になるための高等試験司法科試験(現在の司法試験)の会場となる司法省内のレトロな大講堂。
▷司法省の赤レンガの建物の外観は東京都千代田区にある法務省旧本館で撮影か。
▷講堂は東京都港区白金台にある「港区立郷土歴史館」の旧講堂で撮影。1938年(昭和13年)に旧国立公衆衛生院として建てられた歴史ある建築で、伊藤沙莉と織田裕二がW主演したテレビ朝日系ドラマ「シッコウ!!」でも主人公たちが所属する「東京地方裁判所 南目黒支部」の建物として登場しています。
港区立郷土歴史館として使われている旧国立公衆衛生院の建物がとても素晴らしいから見に行ってほしい。
— ユキカゼ (@NAVY_ICHIHO) February 10, 2019
展示室以外は無料でしかも撮影OK。内田ゴシックの外観も堪能できるけど、中央エントランスや講堂の美しさは目を見張るほどだから。 pic.twitter.com/PEanGCffVW
皆で行った海岸、梅子と光三郎がいた岩場=タイマイ浜 / 大房岬(千葉県南房総市)で撮影
第6週で登場。帰国することが決まった崔香淑との思い出づくりのために皆で行った海岸。また、夫との離婚が決まった梅子と三男の光三郎が遊んでいた海岸の岩場。
この海岸で崔香淑の本国での読み方が「チェ・ヒャンスク」であることが明かされたほか、香淑のリクエストで寅子が十八番である「モン・パパ」を歌っています。
第6週の撮影協力のクレジットに「千葉県南房総市」とあったことや、映像の島影などから千葉県南房総市富浦町多々良の「タイマイ浜(大房岬)」での撮影だと思われます。梅子と光三郎がいた岩場も、タイマイ浜のすぐ横にある大房岬の岩場での撮影と思われます。
※当ブログでは当初、事前予告映像(対岸の島影の見え方)から南房総市の南無谷海岸での撮影と予想しましたが、本放送の詳細映像からタイマイ浜(大房岬)での撮影と判明しています。
登戸火工社屋=アミカン本社事務所(三重県四日市市)で撮影
帝都銀行をやめた直言が経営する登戸火工の社屋、正門。
三重県四日市市富田浜元町にあるアミカン本社事務所の正門、煉瓦塀で撮影。アミカン株式会社は1794年(寛政6年)の創業で、1898年(明治31年)に日本初の手動式製網機を開発したことで知られる歴史ある会社。昭和初期に建てられた本社社屋などが国登録有形文化財に指定されている。
寅子と花江の疎開先(福島)のイメージカット=猪苗代湖、磐梯山(福島県)で撮影
▼猪苗代湖の東南側、大山祇神社付近(福島県郡山市湖南町浜路前田)から見た猪苗代湖と磐梯山の風景。この場所からの撮影かどうかはわかりませんが、劇中に登場した磐梯山の見え方と似ています。
第9週で登場。1945年(昭和20年)に寅子、花江、子どもたちが疎開した福島県と思われる場所。湖と山が見える風景のイメージカット。
▷福島県の猪苗代湖と磐梯山の映像が使われています。
※寅子のモデル・三淵嘉子は息子の芳武や義妹(弟・一郎の妻)の嘉根、その子どもたちとともに福島県坂下町(現在の会津坂下町)に疎開をしており、この史実がもとになったエピソードとなっています。
寅子が歩いた古い工場の風景=大東紡績工場跡地(愛知県知多郡東浦町)で撮影
第45回で登場。寅子が裁判官への採用を直訴するために司法省に向かう際に通った、古い工場の風景。
▷愛知県知多郡東浦町生路池下の「旧大東紡績工場」で撮影か。
新潟地裁(家裁)三條支部=彌彦神社(新潟県西蒲原郡弥彦村)内で撮影
第16週で登場。寅子が赴任した新潟地方裁判所/家庭裁判所・三條支部。
▷新潟県西蒲原郡弥彦村にある「彌彦神社」の境内で撮影。寅子が働く三條支部の建物は、同神社にある「斎館」での撮影か。出勤時の寅子が彌彦神社の参道を歩く場面も登場。
三條市の桜の風景=万本桜植樹帯(新潟県長岡市)で撮影か
第16週・第76回で登場。1952年春に新潟に赴任した寅子が歩いた、川沿いの土手に咲き誇る桜並木の風景。
▷新潟県長岡市の中之島地区、信濃川右岸(与板橋東詰・下流方面?)の堤防にある「万本桜植樹帯」での撮影ではないかと予想します。