NHK連続テレビ小説「なつぞら」に登場した東京(首都圏)の地名をまとめます。
新宿、四谷、西荻窪、吉祥寺、神楽坂など、アニメ産業やサブカルチャーが活発な中央線沿線の土地が多く登場しています。
日本橋(にほんばし)
…両親の料理屋があった場所
なつの両親は東京の都心「日本橋」で料理屋を営んでいましたが、その店も東京大空襲により跡形なく消えています。
両親が健在だったころは家族で浅草や神田祭(神田明神)に繰り出すなど、なつはチャキチャキの江戸っ子として育っています。
▼「なつぞら」に登場する東京の土地。地図はサイト「ClaftMAP様」のフリー素材を加工しています。
上野(うえの)
…兄妹が浮浪児として暮らした街
戦争孤児となった咲太郎、なつ、千遥がたどり着いたのが、日本橋から北に3キロほどにある東京屈指の盛り場・上野でした。
なつたちは上野ガード下の地下道で寝泊まりをし、終戦後の混乱の中立ち上がっていた闇市「上野自由市場」周辺で靴磨きなどをして日銭を稼いでいました。剛男に連れられて初めて汽車で北海道に向かった時も、北の玄関口である上野駅から出発したと考えられます。
・朝ドラ「なつぞら」上野の闇市と戦災孤児 なつの姿は史実がもと
浅草(あさくさ)
…咲太郎の孤児院、浅草六区館
なつや千遥と別れ、咲太郎が一人で入所したのが浅草にある孤児院でした。浅草は上野からすぐの場所にあります。
また、高校生になったなつが咲太郎を探すために上京した際に立ち寄ったのも、浅草にある「六区館」というストリップ劇場でした。咲太郎は「六区館」で役者崩れの芸人・島貫健太の付き人をしていました。
新宿(しんじゅく)
…川村屋、風車、角筈屋 なつの青春の地
孤児院を飛び出した若き日の咲太郎は、新宿の芝居小屋で働いていました。
そうした縁もあり、なつは高校卒業後に上京すると新宿の「川村屋」で働くことになります。その後は咲太郎が住む亜矢美のおでん屋「風車」に転がり込み、アニメーターという夢に邁進する青春時代(20代)を新宿の地で過ごすことになります。
下落合(しもおちあい)
…信哉が大学時代に住んでいたアパート
新聞配達をしながら夜間大学に通っていた信哉が住んでいたアパートの住所は、「東京都新宿区下落合八丁目六十五番 すみれ荘」。
下落合といえば新宿・歌舞伎町から伸びる西武新宿線の沿線であり、早稲田大学からもほど近い街。一帯は古く安い木造アパートが多く、信哉は早稲田大学の夜間苦学生だったのではないかと推測されます。
千葉県印旛郡(いんばぐん)
…親戚・川谷としの家
千遥を預けたおばさん・川谷としからの最後の手紙に書かれていた住所は「千葉県印旛郡倉田町八丁目十番地」。川谷家はそこから引っ越しをしており、なつたちはなかなか千遥のその後の消息をつかめません。
千葉県船橋市(ふなばしし)
…親戚・川谷としの転居先
信哉の調査により、ようやく川谷家の転居先を知ったなつ。咲太郎とともに教えられた住所「船橋市高宮町五丁目二十三番地 栄春荘」に向かったものの、そこにはすでに千遥はおらず…。
四谷(よつや)
…風車プロダクション
おでん屋「風車」の一角で声優の事務所「風車プロダクション」を設立した咲太郎。やがて手狭になってくると新宿から少し離れた四谷の雑居ビルにオフィスを構えます。四谷は新宿から2キロほど東にある街で、新宿と同じ中央線が通っています。
西荻窪(にしおぎくぼ)
…なつと坂場の新居
昭和42年、結婚をしたなつと坂場は、新宿から西に9キロほどの場所にある杉並区西荻窪に新居を構えます。当時の西荻窪はまだまだ緑が残る郊外であり、この家のシーンでは外から虫の音が響きます。
また、娘の優は「荻窪小学校」に進学しています。
杉並区はアニメタウンとして知られ、西荻窪には「杉並アニメーションミュージアム」もあります。この西荻窪も、四谷、新宿から続く中央線沿線の街。
吉祥寺(きちじょうじ)
…マコプロダクション
マコが設立した「マコプロダクション」の住所は「東京都武蔵野市吉祥寺西町6-2-12」(吉祥寺西町という住所は実在しません)。吉祥寺はなつが住む西荻窪の隣駅(こちらも中央線)であり、歩いても20分ほどのご近所ということになります。
吉祥寺といえば、あの「スタジオジブリ」が誕生した地(現在の社屋は3駅先の東小金井駅近く)。吉祥寺にほど近い井の頭公園には「三鷹の森ジブリ美術館」があるほか、有名漫画家も数多く住むなど、界隈はクリエーターの街でもあります。
・【なつぞら】「マコプロダクション」に精鋭が集結 モデル会社は?
神楽坂(かぐらざか)
こちらはネタバレになってしまうので伏せておきます。「風車プロダクション」がある四谷からもほど近い神楽坂に、重要な人物が…。
参考:東映動画は練馬区・大泉学園
劇中の「東洋動画」のモデルとなっていると考えられる「東映動画(東映アニメーション)」は、東京都練馬区東大泉(西武池袋線大泉学園駅近く)にあります。前述の杉並区同様、練馬区も多くのアニメが生み出された「アニメーションタウン」として知られます。
※「なつぞら」では「東洋動画」がどこの街にあるのかについて言及はされていません。なつと坂場が住む西荻窪と「東映動画スタジオ」の大泉学園はそこそこ近所であり、バス便でつながっていますが…。