【なつぞら】川村屋・前島光子 新宿中村屋がモデルか

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NHK連続テレビ小説「なつぞら」で比嘉愛未が演じる川村屋のオーナー・前島光子についてまとめます。

また、川村屋には創作のモチーフとなっていると思われる実在有名店が存在しますので、あわせてまとめます。

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目次

新宿「川村屋」オーナー・前島光子

前島光子(まえじま・こうこ)は、新宿で戦前から続くベーカリー兼カフェ「川村屋」の妖しげな女性オーナーです。

川村屋は、パン屋と喫茶店が本業だという新宿の有名店。クリームパンなどとともにインドカリーも名物として提供されています。※第44話で、先代マダム(光子の祖母)がインド人革命家をかくまって助けたことからカレーが作られるようになったと語られています。

亡くなった川村屋の先代マダムはとてもモダンな人で、店には芸術家や外国の菓子職人が招かれ、芸術談義や海外の菓子づくりが行われる先進的な場所として親しまれてきました。

光子自身も芸術文化への理解が深く、才能ある若者を応援する「マダム」として親しまれています。高校を卒業し上京したなつと雪次郎は、雪之助の元修行先という縁もあり川村屋に世話になり、東京での暮らしをスタートさせることになります。

【なつぞら】川村屋は高い?メニューと値段まとめ【インドカリー、クリームパン】

新宿中村屋 インドカリーとクリームパン

ドラマのストーリー自体はフィクションのものとなりますが、川村屋ならびに先代マダム(前島光子の祖母)は、新宿に実在する老舗食品メーカー「新宿中村屋」と創業者・相馬国光(そうま・こっこう)の存在がモチーフになっていると考えられます。

新宿中村屋といえば、新宿本店のレストランなどで提供されるインドカリーやボルシチが名物として知られるほか、シュークリームをヒントにして考案された「クリームパン」や「カレーパン」、現在の中華まんのもととなる「中華饅頭」を開発して発売するなど、菓子類、菓子パン、カレーなどを製造するメーカーとして広く知られます。

(参考)劇中の「川村屋」メニュー

インド風バターカリー 120円
ボルシチ 100円
クリームパン 35円
カリーパン 35円
ロールケーキ 50円
バターケーキ 40円
ロシアケーキ 35円
アップルパイ 40円
サバラン 45円
モンブラン 45円
カステラ 30円
スイートポテト ??円
シュークリーム ??円

創業者・相馬愛蔵、国光夫妻 サロンも創設

1901年、相馬愛蔵、良(国光)夫妻が東京・本郷の小さなパン屋「中村屋」を買い取ったことから始まった中村屋は、1904年にクリームパンを販売して人気を博すと、夫妻の長女・俊子がインド人(中村屋にかくまっていた独立運動家のラス・ビハリ・ボース)と結婚したことなどをきっかけにして1927年に本格インドカリーを販売開始。同年には中華饅頭も発売するなど先進的な商品を次々に開発していきます。

夫とともに本業の製造業や喫茶部の設置を行う傍ら、芸術や文学に精通していた国光は絵画、文学等のサロンもつくっています。荻原碌山(彫刻家)、中村彝(洋画家)、高村光太郎(詩人)、松井須磨子(新劇女優)らも通った「中村屋サロン」は文化人たちの交流の場となり、先進的だった食品製造部門とともに、新宿の文化を牽引する存在でもありました。

その後、夫妻の長男である安雄が中村屋2代目社長となり、現在ではインドカリーの店(約10店)、欧風レストラン(約20店)を経営する他、菓子、食品を製造する食品メーカーとしても広く事業を展開しています。

「なつぞら」に登場する川村屋は、「新宿」「クリームパン」「インドカリー」「インド人独立運動家をかくまう」「芸術文化」といったキーワードからも、新宿中村屋が創作モチーフになっていると考えられます。

なお、「なつぞら」でマダムが野上に店を譲り本格企業化を託したのは1967年(昭和42年)のことですが、新宿中村屋は1953年(昭和28年)にはすでに株式を東京証券市場店頭に公開するとともに多店舗展開を開始。1957年(昭和32年=なつがアニメーターになった年)には東京証券取引所に株式を上場するなど、早い段階で企業として成長を遂げています。

▼新宿の一等地にある新宿中村屋ビル。喫茶部をルーツとする中村屋自慢のレストラン群のほか、中村屋サロン美術館も入っています。ビルの斜め向かいには、ドラマに登場する「角筈屋書店」のモデルと考えられる「紀伊國屋書店新宿本店」があります。

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