NHK連続テレビ小説「エール」(2020年)で志村けんが演じる小山田耕三の役柄、モデル人物についてまとめます。
残念ながら新型コロナウィルスの感染により亡くなってしまった志村けん。亡くなる直前の志村けんの貴重な映像となってしまった小山田耕三役は、主人公・古山裕一に大きな影響を与える重要人物です。
音楽家・小山田耕三役で出演
先日新型コロナウイルスに感染し死去した、コメディアンの志村けん。2020年春から放送が開始されるNHK連続テレビ小説「エール」への出演決定がすでに報じられており、3月中には実際に志村けんが参加した撮影が行われたとされます。
「エール」で志村けんが演じるのは、主人公・古山裕一(窪田正孝)が憧れる超大物作曲家・小山田耕三(おやまだ・こうぞう)役です。
少年時代から小山田耕三に憧れ、彼の音楽理論を独学で学んできたという裕一。やがて裕一が英国の作曲コンクールで上位入賞を果たし、演奏会を開くまでになると、憧れの小山田耕三の耳にも裕一の活躍が届くことになります(第5週)。
小山田耕三が本格的に登場するのは、第7週の放送となりそう。上京して「コロンブスレコード」の専属作曲家となった裕一は、同社のサロンで憧れの小山田耕三と出会うことになります。裕一は「コロンブスレコード」と契約できた理由が、実は小山田耕三の推薦によるものだったと知ることになるのです。
やがて裕一が作曲した「船頭可愛や」を世界的オペラ歌手・双浦環(柴咲コウ)が歌うことが決まると、小山田耕三は裕一の才能への恐れからか、この楽曲の製作に異論を唱え…。
作曲家・山田耕筰がモデル
物語上重要な人物となりそうな作曲家・小山田耕三。そのモデルは、作曲家・古関裕而(主人公のモデル)が少年時代から大きな影響を受けたという偉大な作曲家・山田耕筰と考えられます。
山田耕筰といえば、童謡「赤とんぼ」「待ちぼうけ」や歌曲「この道」「からたちの花」を作曲したほか、日本初の管弦楽団をつくるなど、日本における西洋音楽黎明期をリードした人物。「ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」や「レニングラード・フィルハーモニー交響楽団」を指揮するなど、広く世界に名を知られた音楽家です。
古関裕而あこがれの人
古関裕而は、少年時代に出会った音楽教師・遠藤喜美治を通して山田耕筰の影響を受け、商業学校時代には勉学そっちのけで山田耕筰の音楽理論の研究に没頭。自らが作曲した楽譜を山田耕筰に送り、何度か手紙のやり取りも行ったそうです。学校を卒業し銀行に就職した後も山田耕筰の音楽に傾倒したとのことで、古関裕而にとって山田耕筰はあこがれの存在であり続けました。
昭和5年(1929年)、古関裕而がチェスター楽譜出版社募集の作曲コンクールに上位入選する快挙を成し遂げると、これが山田耕筰に認められます。古関裕而は、山田耕筰の推薦により「日本コロムビア」の専属作曲家となることが決定。ここから彼の音楽人生がスタートしています。
山田耕筰のおかげもあり上京を果たし、夢への一歩を踏み出した古関裕而。昭和6年の新譜「平右衛ヱ門」(北原白秋作詞)が山田耕筰に褒められるなど、駆け出しの作曲家だった古関裕而は山田耕筰にずいぶんと励まされたそうです。
志村けん復帰「ギリギリまで待つ」撮影日程を調整
「エール」ではこうした二人のエピソードをもとに、古山裕一と小山田耕三という二人の作曲家のストーリーが創作されていきます。
気になるのが撮影の進捗状況。志村けんの出演は単発ではないため、志村けんの撮影途中での死去により、今後のドラマの展開にも影響が出そうです。現在のところ、代役を立てず志村けんがそのまま出演するとの情報があります。
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