【べっぴんさん】場所代300円 現在の貨幣価値では?昭和21年当時の物価まとめ

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NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」より。第5週放送(10月31日~)で、潔は闇市で商売を行なう場所代として300円を支払うことになります。

この記事では、物語当時の300円の価値を、当時の物価から類推してみます。

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目次

場所代300円…ゆり激怒

大阪・梅田の闇市界隈で商いを始めた野上潔(高良健吾)は、持ち前の商才を発揮し、闇市でも知られる存在になっていきます。しかし、顔が知られれば目を付けられるのが当時の裏社会。

潔は、闇市を取り仕切る根本(団時朗)の子分・玉井(土平ドンペイ)から場所代300円を請求され、不本意ながらも支払ってしまいます。この多額の場所代に怒ったのが、妻のゆり(蓮佛美沙子)でした。ゆりは勢いのままに根本の本拠に乗り込みますが…。

▼一家に一冊(笑)。あると便利な「戦後値段史年表」。

昭和21年当時の物価は…?

「べっぴんさん」第5週放送の時代設定は、昭和21年(1946年)3月頃。参考までに、「戦後値段史年表」(週刊朝日編)から昭和21年当時の物価を抜粋してみます。需要と供給のアンバランスさに左右されにくい、公共料金などを中心にピックアップしています。

※参考:1900年(明治33年)を1.00とした消費者物価指数は、1938年(昭和13年)に2.50。1939年~1945年までは戦時下であったため統計資料は公表されていませんが、1946年(昭和21年)には99.5、翌1947年(昭和22年)になると224.1にまで急上昇しています。2018年とそれほど変わらない2003年(平成15年)の消費者物価指数は3844.4です。消費者物価指数からみると、昭和21年の物価基準は現在の40分の1程度ということになりますね。

▼昭和21年の物価抜粋

労働者給料

・公務員の初任給(月給)…540円
・小学校教員の初任給(月給、基本給)…300~500円
・日雇い建設労働者日給(全国平均1人1日あたり)…7円50銭

交通費、施設入場料

・国鉄入場券…20銭
・地下鉄乗車賃(全線均一制)…30銭
・入浴料(大人一人)…50銭
・映画入場料(日本映画)…3円(3月) 4円50銭(5月)
・上野動物園入場料…大人50銭 子供30銭

賃貸不動産

・下宿料金(月額)…100円
・駐車場月極め…40円

食料等

・白米(10kg)…19円50銭
・食パン(1斤・450g)…1円20銭
・御膳汁粉(1杯)…5円
・駅弁(幕の内普通弁当)…2円

その他

・ガソリン(1リットル・年平均小売標準価格)…1円20銭
・週刊誌(週刊朝日・定価)…1円
・長靴(大人用1足)…18円

場所代300円=小学校教員の初任給に相当?

それぞれかなり物価にバラツキはありますが、感覚的には当時の価格を100~500倍(※)すると、おおよそ現在の貨幣価値と同水準になると考えられそうです(例:食パン1円20銭→現在は100~200円程度、地下鉄乗車賃30銭→現在は150~200円程度、初任給300円〜500円=10万円代後半)。

潔が支払った300円は当時の下宿料金三ヶ月分、あるいは「小学校教員の初任給」程度に相当し(おおよそ現在の20万円弱といったところか)、戦後の混乱期ということを考えるとかなり痛い出費といえそうです。

(※)前述した消費者物価指数(現在の40分の1)とは少し開きがありますね…。戦後の混乱期で急激なインフレが巻き起こっていた時期でもあり、1946年内での物価の急上昇や乱高下もあったことでしょう。また、現在とは物やサービスの希少価値・流通量も異なるので、一概に物価基準を言うのは難しいのかも…?

インフレが激しかった終戦後

戦後直後は不安定な経済状態が続き、激しいインフレが起きています。

前述した昭和21年の物価のうち、2円だった駅弁は昭和22年に10円に、50銭だった入浴料金は昭和22年に4円に、540円だった公務員の初任給は昭和23年に2300円に跳ね上がっています。「戦後値段史年表」をざっと眺めると、昭和21年から24年までの3年間で多くの物の物価が10~20倍程度跳ね上がっており、手持ちの貯金の目減り感は大変なものだったろうと推測出来ます。

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