「ちむどんどん」我那覇の投資話1,000ドル 当時と現在の日本円での価値、物価は?

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NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第4週で描かれる賢秀の投資話。我那覇から持ちかけられた最低投資金額の1,000ドルが当時や現在の貨幣価値でいくらぐらいなのかをまとめます。

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目次

我那覇が持ちかける 最低1000ドルからの投資

名護の「サンセットバーガー」に出入りする自称実業家・我那覇(田久保宗稔)。ビジネスへの興味を見せていた賢秀(竜星涼)に対し、「必ず2倍になる」という怪しい投資話(通貨交換)を持ちかけていきます。

一儲けして家族を楽にさせてあげたいと考える賢秀はこの話に飛びつきますが、我那覇が提示した最低投資金額は1口1,000ドルから。貧乏な比嘉家にとってとてつもなく大きな金額ですが、賢秀は優子(仲間由紀恵)を通して叔父から借金をし、我那覇にこれを託すことになりそうです。

比嘉家はこの7年前に500ドルの借金により生活に行き詰まっており、7年経っていくらかインフレが進んだとはいえ、1,000ドルというのは途方も無い大金です。

(参考:賢秀が投資話に乗ったのが1971年9月前後。これより少し前の1968年の沖縄の全世代・全職業の平均給与(月額)は男性が104ドル=37,440円、女性が57ドル=20,520円となっています。)

当時の1,000ドル=30万円 現在の100万円くらい?

1971年8月、長らく続いていた固定相場制(1ドル=360円)がニクソンショックにより変動相場制に移行。ドルの価値は急速に下落を続け、1971年末には1ドル=308円に切り下げられています。この1ドル=308円のラインで再び固定相場制になっています(スミソニアン体制)。

貨幣の歴史の詳細は省きますが、年末のレートである1ドル=308円で計算すると、我那覇が持ちかけた投資額1口1,000ドルは、日本円で 308,000円(30万8千円)ということになります。

2010年を100とした消費者物価指数は、1971年は34.8。2010年と2022年現在はそれほど指数は変わりませんので、1971年当時の物価指数は現在の3分の1ほどとなります。ここから単純計算すると、投資金額1,000ドル=30万8千円は、現在の90〜100万円ほどの貨幣価値といったところでしょうか。

1,000ドルは沖縄人の給料1年分以上?

物価指数だけだとわかりずらいので、1971年当時の市中の生活における具体的な物価、給与金額などをまとめておきます。沖縄ではなく東京の物価となってしまいますが、当時の物価感覚と比べると賢秀が差し出した308,000円の金額の大きさがわかると思います。

※当時の沖縄の給与水準は東京の8割強程度と考えられます。東京都庁に務めるエリートの初任給(月給)が43,200円ですから、沖縄の平均的な初任給はこれよりも低いはず。また、当時の沖縄は本土復帰を前にインフレが加速(物価が急上昇)し、庶民は苦しい生活を強いられていました。

★1971年当時の東京の物価

・小学校教員の初任給(東京・公立小学校教員の月給)…35,600円
・東京都庁職員初任給(基本給、行政職 大卒の月給)…43,200円

(参考:これより少し前の1968年の沖縄の全世代・全職業の平均給与(月額)は男性が104ドル=37,440円、女性が57ドル=20,520円。これは1ドル=360円で計算しています。1971年末以降の給与は1ドル=308円で計算するため、日本円換算だと多少目減りすることになるかと思います)

・東京大学の学費(入学年次1年分、法文系)…36,000円 ※1972年
・慶應義塾大学の学費(入学年次1年分、法文系)…80,000円 ※1972年

・東京〜大阪間の鉄道運賃…2,230円
・うどん、そば(1杯)…100円
・喫茶店の珈琲(店内1杯分)…115円
・銭湯入浴料(大人一人)…40円
・男の理髪料(大人一人)…640円
・新聞購読料(宅配1ヶ月分、大手3紙とも)…900円

賢秀が差し出した投資金額1,000ドル=308,000円は、平均的な沖縄人の月給の1年分近くに相当しそうです。また、東京大学に10年近く通わせることが出来る金額ですから、うっかり損をした!では済まない金額ですね。

逆に言えば、我那覇が言う「必ず2倍になる」というのが本当の話であれば、比嘉家の家計は一気に楽になるわけですが…。

▼この記事の東京の物価水準の数字は、森永卓郎氏による「物価の文化史事典」を参考にしています。物の値段から時代ごとの社会や世相が見えてとても面白い本です。

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