NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」12月16日(金)の第55回から登場した新経理部員・古川輝海。名神プレステックの業績をしきりに気にするなど、今後のIWAKURAの暗雲を予感させるセリフを語っています。
古川輝海を演じているのは、脇役として多数の作品で活躍する俳優の中村靖日(なかむら・やすひ)です。
IWAKURA新工場が稼働開始 社員も大幅増
2007年12月。舞の父である浩太(高橋克典)が社運をかけて建設した新工場がいよいよ稼働を開始。IWAKURAは自動車向け部品の製造という新たな分野に参入しています。
この事業拡大に向け、IWAKURAでは新しい従業員を大幅に補充。めぐみ(永作博美)と山田紗江(大浦千佳)が支えてきた経理総務にも古川輝海(中村靖日)という新しい男性社員が加わったようです。
第55回放送では、新事業の開始でご機嫌の社長・浩太に対し、新従業員の古川が「社長、ちゃんと名神さんの売上動向も聞いてきてくださいね」と釘を刺す場面が描かれています。浩太はニコニコ顔で「わかってるって」とこたえていますが、この何気ないワンシーンが今後のIWAKURAの暗雲を示唆していそうです。
※中村靖日のツイートによれば、古川は「経理総務課課長」という立場とのこと。年齢的にも、ある程度他社で実績を重ねた中年男性が中途採用で課長職として雇われた、という形でしょうか。社長に堂々とものを言う様子から見ても、もう少し前からIWAKURAで働いていた可能性があります。
名神プレステックって?
古川が指摘した「名神プレステック」とは、浩太の中学の同級生「たけやん」が経営している大手メーカーのこと(第39回より)。
浩太は昔なじみの「たけやん」からの依頼を受けて、自動車向け部品の製造事業への参入を決意。3億円の借金をした上で、新工場の建設を行ったという経緯があります。
古川が名神プレステックの売上動向を気にしているということは、先方の経営状態や支払いに良からぬ兆候が見えているということなのでしょうか。おりしもこの翌年、2008年にはリーマンショックが発生し、世界中の株価が大暴落。日本でも自動車関連企業などが大打撃を受け、多くの有力企業が倒産しています。
今後、能天気なほどに絶好調だった浩太と、数字という現実を見つめて危機感を抱いている経理部員・古川との間でぶつかり合いが見られるかも知れません。
名脇役・中村靖日
今から衣裳合せで放送局へ向かっている人 pic.twitter.com/4gctWdXazB
— Yasuhi Nakamura|中村靖日【official】 (@yasuhi_n) December 13, 2022
経理部員・古川輝海を演じているのは、大阪府出身の50歳の俳優・中村靖日(なかむら・やすひ)です。※年齢はドラマ放送当時。
武蔵野美術大学在学中から自主映画の制作に携わり、卒業後は俳優の道へと進んだ中村靖日。
映画「ざわざわ下北沢」「ジョゼと虎と魚たち」や主演映画「運命じゃない人」などに出演し映画俳優として活躍を見せるほか、テレビドラマ「医龍-Team Medical Dragon-2,3」「謎解きはディナーのあとで」「リッチマン、プアウーマン」などにレギュラー出演。その他にも「青天を衝け」をはじめ多数の人気ドラマで出演を重ね、お茶の間でも広く知られる顔となっています。
朝ドラではおなじみの俳優
また、NHK朝ドラでもおなじみの俳優となりつつあります。
2007年の「芋たこなんきん」で國村隼が演じた「カモカのおっちゃん」の娘・徳永由利子の夫である清二役を演じたのを皮切りに、2010年の「ゲゲゲの女房」では村井家の2階に間借りしていた売れない貸本漫画家・中森恒夫役で出演。
2013年の「ごちそうさん」では、ヒロインたちが足繁く通う大阪の喫茶店「うま介」の店主・高木馬介役でレギュラー出演。ヒロインを時に助け、苦しい戦時中にもマイペースを貫くお人好しの優男役を好演し、人気のキャラクターとなっています。
2020年の「エール」では、全国高等野球選手権大会の公募歌詞選考会における審査員・富田崇役で出演。有名作曲家になっていた主人公・裕一の前で、裕一が作曲した「大阪タイガースの歌」を披露しています。