NHK連続テレビ小説「マッサン」第7週では、鴨居商店の大将・鴨居欣次郎が本場スコットランドのウイスキー技師を招聘するために「年俸四千円」を提示しようとする場面があります。
四千円という金額が持つ当時の重み、物価についてまとめます。
スコットランド技師に年俸四千円提示
視聴者の多くが、マッサンはさっさと頭を下げて鴨居商店で働かせてもらうべき!と考えていると思いますが、話はそう簡単には進みません。相変わらず強がってブラブラしているマッサンをよそに、鴨居商店大将・鴨居欣次郎(堤真一)は着々とウイスキーの事業化を企んでいました。
その切り札が、本場スコットランドからウイスキー技師を招くというもの。
鴨居はエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)に通訳を頼み、技師に年俸「四千円」を提示し、日本へと招聘するつもりでした。
大正時代の物価 四千円の価値とは?
大正10〜12年当時、四千円といえば「家が建つほど」の大金でした。
参考までに、当時の大卒初任給が月給で四〜五十円(=年俸換算で五、六百円程度)。高等官官吏で月七十円、総理大臣で月千円(=年俸で一万円ちょっと)。ちなみに大正11年の週刊誌は10銭、豆腐一丁は5銭程度。
かなり乱暴に計算すると、「四千円」といえば現在の「二〜五千万円前後」の価値と考えてよいかと思います。
鳥井信治郎が竹鶴に提示した破格の条件
実はこの「四千円」という金額は、寿屋(鴨居商店のモデル)大将の鳥井信治郎が、浪人中の竹鶴政孝をウイスキー技師として招くために提示した金額でもあります。
当初、鳥井はスコットランドでウイスキーの権威だったムーア博士に年俸四千円を提示し、招聘交渉を進めていました。
しかし、その過程でムーア博士から「日本にはミスター・タケツルがいるじゃないか」と聞き、しばらく疎遠になっていた竹鶴の存在を思い出したという経緯があります。
竹鶴の存在を思い出した鳥井は、ムーア博士に出したものと同じ条件「年俸四千円」を竹鶴に提示し、最大の誠意を見せました。
当時まだ二十代だった竹鶴にとって、この金額は目玉が飛び出るような金額だったことでしょう。ドラマ「マッサン」でも、恐らく鴨居からマッサンに「年俸四千円」の破格の提示があるものと思われます。
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