【なつぞら】「雪月」は「六花亭」「柳月」がモデルか 北海道を代表する製菓メーカーに

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NHK連続テレビ小説「なつぞら」に登場する帯広の架空の菓子店「雪月(せつげつ)」のモデル、モチーフになっているとも考えられる企業についてまとめます。

「雪月」はあくまでドラマ内の架空の菓子屋ですが、地元帯広が誇る二大製菓メーカー「六花亭」、「柳月」がモデルでは?という声があがっています。

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目次

帯広の菓子店「雪月」

「雪月」は、なつの幼馴染みとなる小畑雪次郎(山田裕貴)の家が経営する老舗菓子店です。雪次郎の祖父が戦前に帯広の地に和菓子屋を構えたのが始まりで、雪次郎の父・小畑雪之助(安田顕)が跡を継いでいます。

ドラマスタート当初は帯広の一菓子店に過ぎない「雪月」ですが、アイディアマンである雪之助を中心とした小畑家の奮闘により、次第に店は成長していきます。

砂糖が統制品となる苦難の時代には、地元北海道ならびに帯広の特産であるビート(砂糖大根・甜菜)を使ったアイディア商品を生み出し、戦後の混乱期を乗り切ります。その後、雪次郎が地元十勝のバターを使った創作菓子を開発するなど、「雪月」は物語終盤にかけて北海道有数の製菓メーカーへと発展していきます。

朝ドラ「なつぞら」TEAM NACSメンバー安田顕、音尾琢真、戸次重幸が出演

雪月のモデルは「六花」+「柳月」=「雪月」?

「帯広発祥」で「北海道を代表する製菓メーカー」といえば、銘菓「三方六」などで知られ名前も似ている「柳月(りゅうげつ)」と、マルセイバターサンドが全国的に知られる「六花亭(ろっかてい)」という、帯広が誇る二大老舗菓子メーカーが連想されます。

「なつぞら」は基本的にフィクション・オリジナルの物語であり、登場する人物、団体等はすべて架空のものとなります(※ヒロインは実在のアニメーター・奥山玲子氏の存在がモチーフになっているともされます)。

とはいえ、「雪月」ならびに小畑雪之助・雪次郎親子が歩む道を見ると、名前が似ている「柳月」、そして「六花亭」とその創業者・小田豊四郎氏の存在がモチーフになっている可能性が考えられます。

8月9日追記:ヤフー掲載の記事(すでに公開終了)に「柳月」がNHKから取材を受けていたとの事実が書かれています。これにより、「柳月」が「雪月」のモチーフのひとつになったことは間違いないようです。

9月5日追記:生前の天陽がデザインした「北海道の草原に佇む少女」を描いた雪月の包装紙。これは、北海道ゆかりの花や野草をモチーフとした六花亭の包装紙(北海道の画家・坂本直行=坂本龍馬が生まれた坂本家の末裔=がデザイン)を彷彿とさせます。

【なつぞら】天陽の雪月包装紙 六花亭の「花柄包装紙」は画家・坂本直行がデザイン

「六花」という名前は六角形である「雪の結晶」のイメージから付けられています。創業者・小田豊四郎氏は「北海道を代表する菓子屋になるんだ」という意味を込めて、北海道の代名詞である雪に因んで「六花」の名をつけたそうです。NHKは特定の企業を宣伝するような扱いは出来ませんので、「六花=雪」とともに、帯広のもう一つの老舗菓子メーカー「柳月」の要素もあわせて、「雪月」という風流な架空店名を創作したのではないかと推測します。

▼4月10日放送回では、泰樹が「マルセイバタ」を作り出した開拓結社「晩成社」に教えを受けていたことが判明。また、雪月の「十勝バター煎餅」の包装に晩成社の「マルセイバタ」を踏襲したデザインが採用されています。このマルセイバタのデザインは、六花亭の「マルセイバターサンド」の包装にも用いられていますね。
【なつぞら】開拓結社・晩成社と「マルセイバタ」

六花亭を作り上げた小田豊四郎氏

小田豊四郎氏は1916年(大正5年)、北海道・函館生まれ。1937年(昭和12年)に叔父が創業した「札幌千秋庵帯広支店」(後に「帯広千秋庵製菓」。大元のルーツは函館の「千秋庵総本家」)の経営を引き継いだものの、すでに菓子店が林立していた帯広において、苦しい経営状態を経験しています。

しかし1939年(昭和14年)に価格等統制令が公布されると、他店が砂糖の確保に苦心する中、事前に大量に砂糖を確保していたことが功を奏し、「札幌千秋庵帯広支店」は次第に顧客を掴んでいきます。

日本初のホワイトチョコ、マルセイバターサンド誕生

戦後、「帯広千秋庵製菓」に改称した1952年(昭和27年)には最中「ひとつ鍋」がヒット。以後、1963年(昭和38年)にはマドレーヌの「大平原」を、1967年(昭和42年)には日本で最初のホワイトチョコレートを誕生させるなど、洋菓子の分野で革新的な製品を次々に生み出していきます。

1977年(昭和52年)には社名を「六花亭製菓」に改めることを記念して発売した「マルセイバターサンド」が大ヒット。北海道を代表する菓子メーカーとして、現在も道の内外で愛され続けています。

「柳月」は戦後の創業であり、戦時の価格等統制令に関する逸話や、親族から店を受け継いだアイディアマン・小田豊四郎氏の存在(小畑雪之助、雪次郎と名前も似ている)などから、「雪月」には「六花亭」の要素が取り入れられているように思えます。

もちろん、「モデル」といった確固としたものではなく、あくまで「モチーフ」「創作のヒント」といった程度だとは思いますが…。

追記:「柳月」モデル説も濃厚

追記:4月4日の第4回放送で、戦後にアイスキャンディーの販売から歴史をスタートさせた「柳月」を連想させる「雪月のアイスクリーム」のシーンがありました。NHKはドラマの制作にあたり柳月を取材しており、雪月に柳月の要素が入っていることは間違いないようです。

また、8月8日の第112回放送では雪次郎があんバターサンド「おバタ餡サンド」を開発する様子が描かれており、この菓子が柳月の「あんバタサン」に相当するのではないかと考えられています。「柳月」では天陽のモデル人物・神田日勝にちなんだお菓子「日勝 鹿追アートビスキュイ」も発売しており、「なつぞら」との関連をうかがわせています。

「なつぞら」では実在する団体や人物を参考に、フィクションの物語が創作されています。恐らく「六花亭」「柳月」という両社のイメージから、「雪月」という存在が形作られたのではないでしょうか。

【なつぞら】雪次郎が「おバタ餡サンド」を開発【オレのバター…おバター】

▼こちらも北海道を代表する銘菓、柳月の「三方六」。白樺の木肌をイメージしたお菓子で、地元十勝産の小麦や北海道産の原料にこだわった逸品。

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