NHK連続テレビ小説「らんまん」の高知編に登場する万太郎の親友・堀田寛太(ほった・かんた)についてまとめます。メガネがトレードマークの寛太は、牧野富太郎の少年時代の友人である堀見という人物がモデルになっています。
堀田寛太の青年期を演じている俳優・新名基浩(にいな・もとひろ)は、朝ドラ「舞いあがれ!」や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演していたことでも知られます。
町医者 堀田鉄寛の息子・寛太
堀田寛太は槙野家と長い付き合いがある町医者・堀田鉄寛の息子で、万太郎とは幼い頃からの親友です。
やがて万太郎は町の学問所・名教館(めいこうかん)に通うことになるのですが、名教館は基本的に士族のための学校であるため、町人で通うことが許されたのは裕福な家の子である万太郎と寛太だけでした。武士の子弟たちに混じって講義を受けることになる万太郎にとって、唯一同じ身分である寛太は心強い存在になりそうです。
万太郎がどんどんと植物の研究にのめりこんでいくと、寛太は万太郎の将来を心配しつつも、温かく万太郎の挑戦を見守っていくことになります。
牧野富太郎の親友・堀見克礼がモデル
ドラマに登場する堀田寛太は、牧野富太郎(万太郎のモデル人物)の郷里の親友だった堀見克礼(ほりみ・かつひろ)がモデルになっているようです。
富太郎が佐川小学校の臨時教員(授業生)をしながら植物採集に熱中していた16歳の頃、堀見克礼は家にあった「植学啓原(しょくがくけいげん)」という本を富太郎に貸しています。堀見克礼の父・堀見久庵は医者だったこともあり、家にはさまざまな新しい学問の書物があったようですね。
「植学啓原」は、津山藩の藩医で蘭学者だった宇田川榕菴(うだがわ・ようあん)が訳した植物に関する蘭学の書物で、西洋の植物学を日本にはじめて紹介したものとして知られます。
富太郎がそれまで読んできた書物は、各植物にどんな薬効があるのかといった「本草学」の視点のものばかりだったのに対し、「植学啓原」で語られる植物は雄花や雌花、柱頭など花のつくりを分析し、植物を生き物として捉える自然科学の手法(=植物学)で語られていました。
富太郎はこの「植学啓原」を借り受けて熱心に書き写すと、「植学啓原訳文」を作成。先進的な西洋の植物学の考え方に触れ、より一層学問ならびに植物学への思いを強めています。
他にも、富太郎が山で遊んでいた時に「(大阪から取り寄せていた)重訂啓蒙という本が来たぞ!」とわざわざ裏山まで知らせに飛んできて来てくれたりと、堀見克礼は郷里の身近な友人としていつも富太郎のそばにいたようですね。
※この堀見克礼とは別に、富太郎は名教館に通う直前に学んだ伊藤蘭林の寺子屋で、山本富太郎という町人と一緒に学んでいます。この寺子屋の門弟はほとんどが武士の子弟であり、町人は牧野富太郎・山本富太郎の二人のみ。「らんまん」で万太郎と寛太のみが町民として名教館に通うというエピソードと似通っていますね。
俳優・新名基浩 「舞いあがれ!」の空さん 「鎌倉殿」の安達景盛
本日のウププ(⚈ ̍̑⚈͜ ̍̑⚈)
— 3ママ🦥(思春期3人母より変更) (@k_hkktc) November 1, 2022
舞い上がれ!で
一躍人気沸騰中の空先輩役
「新名基浩」さん
鎌倉殿の13人でも話題になった
安達景盛役の方でもありました🤗✨
お若そうにみえて御年「40」
これからも楽しみですねぇ(〃ω〃) pic.twitter.com/Kyoo6WPBJK
青年になった堀田寛太役を演じているのは、宮崎県出身の41歳の俳優・新名基浩(にいな・もとひろ)です。
※幼少期(第1週)の寛太役は子役の横井仁が、少年期(第2週)の寛太役は子役の齋藤潤が演じています。
高校時代に演劇に出会い、大学進学、就職を経て31歳の時に上京し、本格的に役者の道へと進んだ新名基浩。
NHKドラマ「美女と男子」(2015年)、「ひよっこ」「植木等とのぼせもん」(2017年)などに端役で出演すると、2018年のテレビ東京系ドラマ「宮本から君へ」では主人公の同僚・大芝役で出演。
続く2019年のNHK朝ドラ「なつぞら」でもヒロインのアニメ会社の同僚で原画担当のアニメーター・猿渡竜男役を演じ、独特な風貌と空気により存在感を見せています。
2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、鎌倉幕府の中心的御家人・安達盛長の嫡男・安達景盛役で出演。二代目鎌倉殿になって暴走気味だった源頼家に妻を強奪されそうになり、反論の末に一時は頼家から死罪を言い渡されるという不運の男を演じています。
遅咲きながら、少しずつ大きな役柄も増えてきている印象の新名基浩。
2022年放送のNHK朝ドラ「舞いあがれ!」では、ヒロインが所属するサークル「なにわバードマン」の先輩「空さん」こと空山樹役で出演すると、留年を繰り返して「永遠の3回生」を延々とやっている不思議な先輩キャラを好演。ほのぼのとした宮崎弁を話す「空さん」の朴訥なキャラが人気となり、俳優・新名基浩にも注目が集まっています。
【コラム】『舞いあがれ!』は実力のある俳優ばかり 吉谷彩子×足立英×新名基浩が込める熱量#舞いあがれ #吉谷彩子 #足立英 #新名基浩 #福原遥
— リアルサウンド映画部 (@realsound_m) November 7, 2022
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