NHK連続テレビ小説「スカーレット」の時代設定、ヒロインの生まれた年、生きた時代などをまとめます。
NHK連続テレビ小説「スカーレット」は、大阪生まれ、信楽育ちの女性・川原喜美子(戸田恵梨香)がヒロイン。戦前生まれの喜美子が戦後に滋賀・信楽地方に移り住み、革新的な女性陶芸家になっていく過程が描かれていきます。
昭和12年生まれ 高度経済成長期が物語の中心に
NHKの発表によれば、ヒロインの喜美子は昭和12年(1937年)生まれ。ヒロイン一家は昭和22年(1947年・喜美子9歳時)に父の借金により大阪から信楽へとやってきます。ドラマはこの時代から始まっていきます。
その後、喜美子は15歳になると戦後の復興が著しい大阪に出て就職(昭和28年頃)。多感な青春時代の3年間を大阪で過ごした後に信楽に戻り、男ばかりの陶芸の世界に本格的に飛び込んでいくことになります(昭和30年代初頭)。
物語の時代設定は、高度経済成長期を迎えた1950年代~1960年代(昭和20年代~40年代あたり)頃が中心。
明治から戦前にかけて火鉢など日用的な陶器の生産で大きな発展を遂げた信楽焼ですが、高度経済成長期に各家庭に電気や暖房器具が普及したことなどもあり減産に見舞われると、この時代に品種転換や新しいイノベーションが起きています。
ヒロインはこうした「新しい信楽焼=信楽自然釉」を生み出す立役者になっていく見込みです。
※ヒロイン・喜美子の人生の参考(モデル)になっているとされる実在の陶芸家・神山清子(こうやま・きよこ)さんは、ヒロインより一年早い昭和11年(1936年)生まれ。「スカーレット」の放送が開始される2019年9月時点では83歳であり、ご健在です。
「なつぞら」奥原なつと同い年!「焼け跡世代」
ヒロイン・喜美子が生まれた昭和12年は、歌手・美空ひばり(5月29日生まれ)、俳優・加山雄三(4月11日生まれ)、コメディアン・伊東四朗(6月15日生まれ)、野球選手・稲尾和久(6月10日生まれ)、政治家・森喜朗(7月14日生まれ)などが生まれた年。2019年現在、82歳前後ということになります。
8歳前後だった終戦時に「戦争孤児」となった人も多い、いわゆる「焼け跡世代」にあたりますね。前作朝ドラ「なつぞら」のヒロイン・奥原なつも同じ昭和12年生まれという設定であり、「なつぞら」と同時代が描かれていきそうです(物語の舞台が東京と大阪で違うため、そのあたりの描写の違いも注目です)。
参考までに近作朝ドラのうち、喜美子と生きた時代が近いヒロインたちの生年をまとめた表を掲載しておきます。喜美子は「ひよっこ」のみね子よりは少し前、「まんぷく」の福子や「べっぴんさん」のすみれよりも少し後に生まれたことになります。
戦後復興を経て高度経済成長期に本格的に社会で活躍するという意味で、これらの作品は同時代的といえます。