NHK連続テレビ小説「エール」2020年4月21日(火)第17回放送で村野鉄男(中村蒼)が詠んだ歌についてまとめます。
鉄男の詠んだ歌を聞きメロディーがひらめいた裕一は、交響曲「竹取物語」を一気に作り上げることになります。
「竹取物語」かぐや姫が帝に贈った歌
国際作曲コンクールのための曲作りに行き詰まっていた古山裕一(窪田正孝)は、文学好きの盟友・村野鉄男が満月を見て何気なく口にした詩歌を聞くと、またたく間にメロディーを書き上げています。
この時鉄男が口にしたのは、「竹取物語」の終盤に登場する以下の歌。いよいよ月に帰らなければいけなくなったかぐや姫が、熱烈な求婚者・帝に対して贈った歌です。
「いまはとて 天の羽衣 着る時ぞ 君をあはれと おもひいでぬる」
(訳)今はもうこれでお別れと、天の羽衣を着る時になって、貴方(帝)のことをしみじみと慕わしく思い出します。
迎えに来た月からの使者により、「天の羽衣」を着させられそうになったかぐや姫。この「天の羽衣」を着ると天人となり、地上で感じていた物思いや人情が消えてしまうため、かぐや姫はその直前に、帝に対し敬意や感謝を歌に込めたのです。
音も学芸会で演じた「竹取物語」
裕一にとって運命の人となる関内音は、小学校時代の学芸会で「竹取物語」の主役・かぐや姫を演じています(第10回放送)。
この劇の中で「いまはとて〜」の歌は登場していなかったようですが、音が演じるかぐや姫は、帝との別れを惜しみ「朧月夜(おぼろ月夜)」を熱唱。亡き父・安隆を思い出した音は、舞台の上で涙を流しています。
裕一が作った交響曲「竹取物語」が国際作曲コンクールで上位入賞すると、その快挙を伝える新聞記事が音のもとにも届きます。
音は、自分と同年代の無名の青年の快挙に胸を踊らせるとともに、思い入れのある「竹取物語」が楽曲のテーマであることにも感激。居ても立っても居られなくなり、裕一に熱烈なファンレターを送ることになります。
満月の夜に村野鉄男が「竹取物語」の一節をつぶやき、そこから着想を得た古山裕一が交響曲「竹取物語」を書き上げ、それに感激した関内音がファンレターを送る…。満月の夜の「竹取物語」をキッカケにして、運命の歯車が動き始めることになります。
関連記事
・【エール】「竹取物語」で英国の国際作曲コンクール入賞 古関裕而の快挙(チェスター社コンクール入賞)がモデル
・朝ドラ「エール」に登場する音楽・楽曲、歌まとめ(古関裕而、古賀政男、クラシック曲ほか)