NHK連続テレビ小説「エール」に登場する女流作家・幸文子(みゆき・あやこ)についてまとめます。
名前が似ている随筆家・幸田文との比較もしてみます。
16歳の女学生・幸文子 新人賞受賞
「幸文子」の名前が劇中に初登場したのは、4月30日(第24回)のこと。
音から亡き父・安隆に捧げる詞を書くように頼まれた梅でしたが、なかなか思うような言葉が浮かばず、思わず愛読する文芸誌「文芸ノ友」を手にします。
梅が開いたページは、「第10回・文芸ノ友新人賞」の受賞者を知らせるページ。そこには史上最年少で新人賞を受賞した東京市の16歳の女学生・幸文子の名前がありました。
※追記:6月16日の放送によれば、「幸文子」はかつて梅が文学のイロハを教えた幼なじみ・末吉結(子役:小熊萌凛)のペンネームとのこと。結は幼少期の梅の唯一の友人でした。
幸文子の受賞作は「目覚めていた夢」。内容は、家業を継いで村一番の美人の女(?)と結婚した男と、声楽家となり村を出ていた男(女?)との、久方ぶりの再会を描いた半月間の秋物語(←※このあらすじは画面に映った文面を参考にしてますので、見切れた部分に誤読があるかも…)。小さな村の中で巻き起こる、夢を叶えた人と叶えられなかった人、夢に迷っている人の人生模様を描いた小説のようです。
梅は幸文子の活躍に焦り、最後まで作品を書き上げたことすらない自分を不甲斐なく思っているようです。
※第14週では、梅が幸文子と再会。大人になった幸文子役を森田想が演じています。
幸田文がモチーフ??相違点多い
「幸文子(みゆき・あやこ)」という名前を見てすぐに思い浮かぶのが、作家・幸田露伴の娘で随筆家、小説家として活躍した幸田文(こうだ・あや=東京府南葛飾郡生まれ)ではないでしょうか。小説「流れる」(1955年)、「おとうと」(1956年〜)などで知られますね。
幸文子は「エール」のオリジナルキャラクターと思われますが、恐らく幸田文の名前をもじっているものと推測します。
ただし、幸田文は明治37年(1904年)の生まれ(東京生まれ)であり、劇中昭和5年時点で16歳の幸文子(大正5年前後の生まれ?)とは少し世代が違います。
また、幸田文が随筆家としての活躍を見せ始めるのは昭和22年(1947年)に父・露伴が亡くなった後の40代になってからのこと(父との想い出などを綴った随筆「父」「こんなこと」「みそっかす」ほか)。以上からも、幸田文が幸文子のモデルであるとは考えづらいと思います。
以下、幸文子と梅に関する今後のネタバレも含みます。ご注意ください。
第14週に幸文子が登場!
大人になった幸文子は、第14週に登場する予定です。この週では、念願かなって文芸誌の新人賞を受賞した梅が上京。姉夫婦の家(古山家)に居候をして執筆活動を始める様子が描かれます。
梅は出版社で行われる新人賞の授賞式に出席するのですが、そこで遭遇するのが、すでに作家になっていた幸文子でした。花束のプレゼンテーターとして登場した幸文子は、梅に対して「この場所を譲るつもりないから」と発言し、強烈な対抗心をむき出しにしていきます。
第15週では梅と文子のライバル関係、それに作家を目指して苦悩し、とある人物と恋をしてしまう梅の姿が描かれていきます。